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【完結済】生まれ変わったのに始まりません!  作者: 紫藤しと
第一章

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14.ラブレターを書こう

 いつも通りの朝だった。両親もいたっていつも通り。ただ母の青い目を少し後ろめたく思ったのはきっと気のせいだろう。明日には何も思わなくなる筈だ


 自室に戻りレターセットを手に取った。


 さて、恋文を書かねばならぬ。


 どうやら私とクマがくっつけば色々なことが解決するらしい。ならば口説いてみようではないか。



 前略 クマンド様


 どうやら私がこの世界の創造主だということがわかりました。

 私と一緒にいるとなにかとお得だと思います。

 結婚しませんか?



 ・・・冗談ですよ。書いたことないんだもん、ラブレターなんて。


 とりあえず丸めて捨てた。あとでちゃんと燃やしておこう。



 前略 クマンド様


 あなたが前世よりもずっと前から私を慕って追いかけてくれていたことを聞きました。


 他の男と一緒にいる私に横恋慕するなんて、変な人ですね。


 ただそんなあなたをどうやら私も好きになったようです。いつの頃からかは知りませんが。


 ここは私があなたとくっつく為に作った世界です。


 魔王から逃げて、あなたの為に新世界を作る。


 なかなか情熱的な女ではないでしょうか。


 結婚しましょう。



 ・・・さっきよりはいいと思う。こちらは丸めずに横に置いた。


 キーボードが欲しい。手書きは苦手だ。まあパソコンがないのは世界観にあってるけど、ここまで近代的なら電話ぐらいあってもいいのにね。すれ違いイベントが起せないけど。



 前略 クマンド様


 あなたの目に映る私は美女でしょうか?


 美女だから私を好きになったんでしょうか?


 私は人の相貌を正しく認識することができません。これまでの美女・イケメンの判断はパーツが整っているかどうかで判断していたようです。


 これは悪い魔王に魔法をかけられたせいです。


 鏡に映る私のパーツは取り立てて悪いところはないように見えます。


 ちなみにあなたのパーツはほどほどです。


 魔法が解けたらカエルから王子様に変身するのかしら? 



 ・・・これも後で捨てよう。魔法が解かれてもクマはクマだということを私は知ってる。だってパーツが熊だし。



 前略 クマンド様


 あなたはなぜ私を好きになったのですか?


 私もいつあなたを好きになったのでしょう?


 思い出せないのはもどかしいものですね。


 前世の高校生の頃のあなたは思い出せます。


 あまり話したことはなかったですが、話すとなんだか照れくさそうに笑ってましたね。


 女子慣れしてない人なんだと思ってました。


 まあ私も男子とほとんど話すこともなく卒業しましたが・・・


 あの時想いを告げられていたら、それを私が受け入れていたら、どうなっていたんでしょう。


 あなたも私も過労死なんてすることもなく、結婚して子どもなんかできちゃってたかもしれませんね。 そんな未来もあったと思います。 


 もっとも高校時代の、いえ前世の私の恋愛に対する考え方はとてもふわふわ・キラキラしたものだったので、リアルな等身大のあなたを受け入れられたかはわかりませんが・・・



 そうだ、前世の私にとって恋愛は「いつかするもの」であって、今の私がするものじゃなかった。


 と、思ってるうちに死んじゃったんだよな・・・勿体ないことをした。本体はあんなに恋愛体質なのに。いや、反動でこうなったんだろうか。


 続きが書けなくなってこの紙も脇に追いやった。

 


 前略 クマンド様


 いかがお過ごしでしょうか。


 あなたとお会いしてから随分時間が経ちました。


 話したいことが沢山できました。


 近いうちにそちらに伺おうと思います。


 お忙しい所恐縮ですが、お時間いただければと思います。


 何卒宜しくお願い致します。



 ・・・仕事か!でももうこれでいいかな。


 私はため息をついて立ち上がった。慣れないことをすると疲れる。

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