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津田佑衣奈③

「そうだよね。レスポールとかフライングVとか使ってるよね」


「うんうん。ベースはサンダーバードだったりするね」


「え、佐井君、詳しいの?」

 涼子が驚いている。



 私も驚いたが、話しができることがうれしくて、すんなり受け入れてしまった。



「まあ、好きだからね」


「え、じゃあ佐井君はイエモンの曲も知ってるの?」



 もうさっきの気まずさはどこへやら。


 好奇心の方が勝っている。



「知ってるよ。ベストアルバムとSICKSを持ってる」


「他のもおすすめだけど、まあSICKSは日本のロックの金字塔だよね。ちなみにライブで花吹雪を演奏する予定だよ」


「渋い選曲だね。名曲だけど」



 話に入ってこれない涼子を置いてけぼりにして佐井君と会話を続ける。


 エマがかっこよくてギターを始めたことや、ロビンの書く歌詞が好きだとか。


 涼子が首をかしげる度、佐井君が解説をする。エマはギターリストで、ロビンがボーカリスト。


 最近の曲はどんなのがあるのかと涼子が聞くので、佐井君と目を合わせて笑って「もう解散している」と教えた。


 小平駅に着く。階段を三人で上がる。


 今日初めて会話をしたとは思えないほど佐井君と自然に下校している。



「あとはシングルの曲を数曲。持ち時間が一時間もらえたから結構演奏するよ」


「そうなんだ。いいね」


「じゃあライブ行こうよ」

 涼子が佐井君を誘う。



 ありがたい。一人でもチケットが売れると助かる。



「いいよ。聴きに行きたい」


「うれしい。がんばる」

 パスモと一緒にチケットを出し、佐井君と瑞希にわたす。


「あ、ボーカルも探してくれると助かる」

 佐井君が友達もライブに誘ってくれると言ってくれたので、調子に乗ってお願いしてみた。


「うーん。期待しないで」

 笑って答える佐井君。



 なかなかかわいい顔をしている。


 私はスタジオに行くので新宿方面。


 帰宅組の佐井君と瑞希は所沢方面。


 バイバイと手を振ってホームに向かう。


 メンバーと合流したら、チケットが二枚売れたことを報告しなくちゃ。

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