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花鳥風月HUNTERS.  作者: ハトさん
2/2

〜母親というもの〜

「なあ?香澄。あんた、なんで四天王ハンターなんてやっとるん。」

「え?」

風の天王から突如言われ、私は黙り込んだ。父のため。父は望んでいた?私が四天王ハンターに入団することを希望していた?そもそも…

「やっぱいいわ。なんか察した。」

「…そ。」


「…今日もだめか。そろそろ花の天王様も探さねばならんなあ。」

「時間ならまだまだありますが…」

「ふむ…よし、いいぞ。いってこい。」

「ありがとうございます。」


…(ここにいるはずなんだけどなぁ)

あたり一面花が咲く花園が、花の天王の境内なのだ。

「…花の天王さーん。でておいでー。」

やっぱり、脱走してるんだ…でもおかしい。

天王が境内にいる時、境界付近の歪な機械が反応するのだ。それが、ずっと反応している。だから、どこかに隠れている。もしくは、機械が故障している。

しかし、機械に異常はなく、まだまだ反応するとされている。


「香澄!緊急事態だ!!今すぐ風の天王境界へ向かうぞ!乗れ!」

私は咄嗟に車に乗り

「風の天王がどうしたのですか!何かあったのですか?!」

「ああ。風の天王が何者かによって傷をつけられたんだ。今、風の天王様が出血をされている。緊急でうちの団員を呼んでいる。他の団体もくるはずだ。」

「なっ…風の天王が…?!」

風の天王境界前で車は急停止し、激しく揺れる。

周りは治療するためのものを詰め込んだ救急車やパトカーが止まっている。


「えー…おそらく花鳥風月撲滅団の仕業でしょう。奴らは四天王を傷つけるのが仕事だ。目的はわからない。」

「…馬鹿だなぁ…四天王が一人でも欠ければ世界は終わってしまうのに…」

「嗚呼…。」

「奴らが花の天王をさらったという説もあるんだ。数々の団体が花鳥風月撲滅団基地に偵察に行くんだが、100%で失敗に終わっているらしい。」

奴らが?花の天王の行方を知っているかもしれない…

「…私、行っていいですか。偵察に。」

「…俺は構わんが、ハンター長の幸太郎様に報告しな。うまく説得すりゃ行かせてくれるぜ。」

「げっ…説得させなきゃ行けないパターンなのね…わかったわ。」

「そこ!!早く治療薬を持ってきなさい!」

「あ、はーい!」


「失礼します。」

「話は聞いたよ。花鳥風月撲滅団の基地へ行くんだろ?」

「あ…は、はい!」

「駄目だよ。」

「…え?」

そうなるよね。でも即答なの?私の実力では及ばないのか?

「君は駄目なんだ。君だけは行かせない。花鳥風月撲滅団は四天王を傷つけて撲滅させる団体なんだ。絶対に行かせないよ、香澄。」

まさか即答されるなんて思ってもいなかった。私はショックでその場を黙って離れた。



ー…を…お願いします…どうか……まで…………―




「俺は藤次郎。花鳥風月撲滅団の団員だ。今日のターゲットは花の天王か…」

「行くぞ藤次郎。まずは境内に入るが、お前は後ろから回れ。いいな?」

「了解、任せろ。」

花の天王は目を微かに開き、本を読んでいて、こちらの存在には気づいていないようだった。

「…!!」

僕はとある物と目があった。


―どうやら、相方の準備が整ったらしい。そして、相方は咄嗟に進み、花の天王を捕えた。

「嫌ッ!!どうか!どうかあの子だけは!!嫌ッ!」



その後、花の天王の行方は誰も知らない。さらわれたのか、死んだのか。

僕は今、とある四天王ハンター長になって、仕事をしている。

「幸太郎様、今日の風の天王様の事件は…」

「花鳥風月撲滅団の仕業で間違いないだろう。」

「わかりました。ところで、香澄さんなんですけど…」

「嗚呼。知っている。必ず行かせないようにしろ。」




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