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花鳥風月HUNTERS.  作者: ハトさん
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〜花の天王の行方〜

四天王。花の天王は世界中の大自然を司る者。鳥の天王は世界中の生命体を司る者。風の天王は天気を司る者。月の天王は天体を司る者。これらの四天王が世界の軸である。その天王は神ではなく、選ばれたヒトなのだ。

花の天王が死ぬことによって世界中の自然は滅ぶ。鳥の天王が死ぬことによって世界中の生命体は亡ぶ。風の天王が死ぬことによって雨など降らなくなり、やがて水は尽きる。月の天王が死ぬことによって、世界は黒く塗り替えられる。

だから、天王は子孫を残す。それは代々受け継がれてきたことで、世界は何億年もの時代を超えてきたのだ。

しかし、時代を超えるにつれてトラブルは付き物だ。四天王を取り争う戦争が起こった。四天王は本来日本国内に存在している物だが、それが外国にも行けることが判明したのだ。

そこから始まったのが四天王戦争。四天王を取り合う戦争だ。世界はバラバラになり、大問題と化した。

そこから政府は考えた。

“日本に四天王を封印しよう”と。


私は有瀬香澄。四天王の封印された場所を探す団体の団員。

こういう、四天王を探す団体の名称を、四天王ハンターという。

私の父が四天王ハンターということで、私も受け継いでこの仕事をやっている。

母親はいない。他の兄弟もいない。シングルファーザーとして、父は私をずっと育ててきたのだ。だから、私は受け継がなきゃならない。

「今回のターゲットは鳥の天王か…」

いうて、探すのは簡単で、問題は四天王を堕とすこと。

「…また来たのかね、香澄。」

「ああ。今日こそ堕とす。」

「面白いこといいはるねえ。まあ無理やさ。諦めな。」

「ところで鳥。おせんべいやるよ。」

パアアアア!鳥の天王はすかさずおせんべいを取り一口!

「うんめえ…はぁあ、幸せやわぁ…」

「じゃあ来てよ」

「嫌やわいねぇ…あたし最後まで受けたいのよ。取り上げられたいのよぉ。」

「は、はぁ…」

「はぁ…もう眠たいわぁ。さ、出てった出てった。」

今日もノルマ達成ならず…こんな感じで、まだ四天王を一人も捕らえた四天王ハンターは存在しない。ただ、例外がいる。


“花の天王”が居ないのだ。


花の天王の封印境界は破られていて、出ていった形跡がある。四天王が封印されたのは9285年3月。出ていったのは9286年4月。今は9310年3月なので、出ていってからもう少しで24年が立つのだ。

そろそろ子孫を作る時期だとされていて、早く見つけられなければ認知されていない子孫が花の天王に切り替わり、顔の知らない四天王を探すことになる。

四天王は普通、天王豪服という衣装を着るが、私服を着てしまえば区別がつかないのだ。匂いや顔で判断ができない。唯一血でなら判断できるが…実際に、全世界の一般市民の血を測ったのだが、四天王は見つからなかったのだ。


「おつかれさん。今日も駄目だったか。」

「まあ、順調ですよ。」

「それにしてもお前は凄いな。あんなに四天王様と仲良い人間めったにいねえ。どっかで知り合ったのか?」

「知らないわよ。」

そして、一日は終わった。


―み…すみ…香澄…

貴方だけ…貴方だけは…守―――

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