人質は厄災の予感?
「走り回って疲れたでしょ?」
「まぁ20分ぐらいネズミと猫のように追いかけ回ってますからね」
「もうそんなに経つ?」
「はい。その証拠にさっきまでクラスにいた人達は教室の外に出て血を吸われた人も意識を取り戻してますから」
「そっかーじゃあ鬼ごっこはもう終わりでいいんじゃない?」
「あなたが止まれば俺も止まりますよ」
「そ」
彼女が止まったので俺も一定の距離を保ちながら止まった。
「血吸わせてくれる気になった?」
「全く!」
「なんでよ~」
「それはこっちのセリフです!なぜ狙われないために吸われなきゃいけないんですか!」
「バンパイアや吸血鬼っていうのは同族の獲物に手を出すことを嫌う習性があるんだよ」
「つまりお前が吸えば他の吸血鬼達は手出ししないと?」
「そういうこと。だからさ!早くそのネックレスを外しておくれ?」
「なるほどね。お前はネックレスを外してほしいがためにそんなデタラメを言ってるんだな?」
「いや……事実だし!……嘘じゃないもん!」
「まぁ、事実だったとしてお前言ったよな?十字架のせいで近づくことも出来ないってつまり、このネックレスを外さなければ吸われないってことだ!」
「ぐっ……。」
勝った!失言に気づけたのは幸いだったな。俺は悪運が強いのかもな
「じゃ、じゃあこいつの血を吸うぞ?」
「きゃっ」
やつは足をくじいたのかうずくまって隅にいた女子を人質にするつもりらしい
「お前のクラスメイトだろ?いいのか?」
「あっどうぞどうぞ」
そいつの血を吸って生きていられるならな
俺の笑みをみて不安になったのかやつは人質にした女子を見やった。
「ど、どうも吸ってみてください吸われるとどうなるのか気になるので」
「まぁ、お腹すいてるし遠慮なく~」
カプッ
「きっと不幸に見舞われるので」
「げほっげほっ」
「もう吸っちゃったよげほっ…さっきのはどういう意味や?げほっ」
あいつの不幸っぷりは学校一だ一日に5回はコケるし、もう5回は何かしら怪我をする。そんな血を吸ったバンパイアはどうなるのか楽しみだ!
「うぎゃっ」
彼女の質問に答える前に彼女がその身を呈してその言葉の意味を知ることになったようだ。