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実技試験…

今日は実技テストの日だ。あの2人と待ち合わせをしているので少し早めに起きたが、このまま準備すれば間に間に合いそうだな。


リビングにあるカーテンを開けると、俺の家の周りだけに雲が広がっていた。空に日が昇っている筈だが、どんよりとした雲が多く集まっていてあまり良い気分には慣れない。

天候としては、今日テストをやる分にはちょうど良いくらいの暖かさだが、俺にとってはあまり良い天気では無い。

流石にあの予言書を見ていてこんな日に浮かれている奴だったら、俺はこの世界に入って間も無くすぐに命を落としてしまうだろう。それくらいの感覚は俺にもあった。


今日は、あの学校で実技試験がある。俺が神に貰った予言書によると俺は今日、重症を覆う事になる。そしたら、また()()()()()()()()()()()なんて嫌だ。もう2度とあんな目には会いたく無い。

俺はそう思いながら、試験会場に向かった。


今日受けるテストについて思い返していた。


神からは簡単なことしか言われていないが、俺が受ける分には問題無いという事は覚えている。確か今日は主に魔法にどれくらいの才能があるかを調べる日だ。この試験で落ちる人はあまりいなく、100人に1人程度しか落ちないらしい。俺に関しては筆記で受かったら落とす必要性がないと言っていたと思いたい。神があまりにも適当すぎて、最近俺から神の信用が無くなっているが、最後の砦となる予言書が残っているので、最悪それだけでも今回は信じる事にした。


そんな事を考えていると電車の中で少し眠くなってきた。まだ、試験会場には余裕があるのでこの揺れに少し身を任す事にし、深い眠りについた。


・・・「止めろ、そんな事をするな」

「仕方ない。それしか方法が無いのだから。こんなに仲間が倒れていて動揺しないなんて、それこそ、狂っていやがる。俺が死んでもお前だけは生き続けろよ。また、巡り会える日に、な」

「どうゆう事だよ。俺もここにいさせ…」・・・


ハッ、と俺は目を覚ました。

せっかく久し振りに深く眠れると思っていたが嫌な夢を見た。地味にリアルティのある夢だったな。これから試験だからあまりこんな不吉な夢なんて見たくなかったんだけどな。仕方ない、自分の行動に責任を持つべきだろう。なるべくすぐに忘れられるように記憶の片隅に置いて、丁度降りる駅だったので、降りる事にした。


____________________________________


前回来た時と同様に受付をする為に、あの2人のことを待っていた。待ち合わせの場所は前回待ち合わせた場所だ。

少し早く来すぎたかも知れない。人通りが少なく、俺の事を奇妙な目で見る奴も何人かいる気がする。だが、俺はそんな事を気にもせず、ただ彼女らを待ち続けていた。

しかし、いくら3月の下旬だといっても、気温があまり高く無いのでやはり少し寒くなって来た。もう少し羽織れば良かったなどと思っていたが、一向にあの2人が来る気配が無い。いや、人通りが明らかに少なすぎるような気がする、いやそれが正しそうだ。そこら辺にあった時計を見てみると、待ち合わせの時間にもう少しでなる。ヤバイな、場所がわからないだけど。

一刻の猶予が無いのでたまたまそこを通った先生に聞いたが、間違っていないという。何故誰もいないかって聞くが、それはまさかの回答だった。


それは、「2時間前にあなたは来ていますよ」だった。


俺はお礼を言い、すぐさま荷物の中に入れっぱなしの腕時計を探し始めた。家にある時計と同じ時刻に設定してあるはずなので、これがずれていたら家のもズレている事になる。見つかったので見て見たがあそこの時計より進んでいない。いやむしろ丁度2時間前だ。あの時計は丁度その時間に止まっている事になる。腕時計を左腕に着けて、大人しく2時間待つ事になったが、俺くらいになると問題がない。友達と遊ぶ為にとある公園で3、4時間待ったというほどの忍耐力がある。まぁ、そいつは来なかったんだけどな。

流石に立って待っているのは辛いのでその近くにあるベンチに座って試験の時間になるまで待つ事にした。


だいたい、1時間後位には人が少しづつ増えてきた。俺はその間意味も特に無く考え事をしながら座っていた。ただ、1つだけ言える事は眠いな。いくら起きた時間が早すぎたと言われればそれまでだが、集中力が切れて来たので、仕方ないので意味もなく瞑想をし始めた。瞑想には、集中力を高めさせてくれると聞いていたので、それっぽいポーズをとり、雑念を捨てるように頑張った。

結果は何も考えないは難しいことしかわからなかった。また、それにも飽きて来たので時計を見ると意外と時間が過ぎており、もう少しで待ち合わせの時刻になったそれもあるのか人通りが増えて来て、誰も俺を見ている人がいなかった。俺は腰を上げて2人にいるであろう場所に向かった。


俺が辿り着いた時にはもう楠は来ていて、真面目だなと思い向かった。


「やっほー、楠相変わらず早いね」

「あっ、おはようございます霊君、意外ですね、帳君の方がてっきり早いのかと思いました」

「流石に2時間前からいたから、あいつより遅いなんてありえないよ」

「えっ!なんで、2時間も前からいるのですか、来る時間間違いすぎじゃありませんか」

「家の時計は合っているはずなのに、なんか早く着いていただけ」

「それは、あまりないと思います」


そんな事を話していると、帳が来た。


「お早う。あれ、いつもよりも霊早いね」

「お前もかよ。2時間も前にいるんだから遅くなるはずが無い」

「何で、そんなに早く着いて居るのさ」

「それはいいから早く行くぞ」


俺らは受付を済ませ前試験前に話があった場所に向かった。今回は3人とも席が並んで居るが、やっぱり席は後ろの方だ。でも、全体を見るぶんには丁度いいと思う。

そんな事を思って居るとすぐに、前にいた謎の猫男?が、ふわふわ浮いて来た。名前は確かライトだっけな見た目の方がインパクト強すぎて覚えていないな。


「2人はあの機械のこと覚えてる?」

「いいえ、見た目が印象に残り過ぎてあまり詳しくは覚えていません」

「俺は、AIという事しか覚えてい無いと思う」

「あーやっぱりか。俺もあんまり詳しくは覚えてい無いんだよな」


いくら優等生ぽい2人でも覚えてい無いらしい。いきなり


「おーい。みんな聞こえているか。・・・この様子だと聞こえていそうだな。じゃあ、挨拶を始めたいと思う。前回も言ったが、俺の名はラナトな。俺の外見にインパクトがあり過ぎるとは思うが、しっかりと覚えといてくれよ。ここにいるほとんど奴がこの学校に通う事になるんだからな」


惜しかったな。ライトじゃなくてラナトだったか。


「今回は実技試験を受けると思うが、ここで受けられてしまうと、暴発したり、爆発などしたら、手に負え無いからな、この学校で唯一転移魔法陣が書ける先生だ。その人の魔法陣によってこの学校の上まぁ国際機関のようなもんだが…それが所持している無人島に送ってもらう。試験はそこで行う。

だが、いくらなんでも魔法使いになったばっかりな君達が魔法を唱えられる訳がない。そこで今回は試験用の杖と防具を渡す。この2つ無くすとものすごく高いから気をつけろよ。

杖は魔法の才能が少しでもあれば唱えられる。この時は基本何も言わなくていいぞ。言いたい奴は言えばいい。ここで自分に才能のある属性がわかる。

防具は君らの身を守ってくれる。そうだな、この学校に通っている生徒の成績が普通の人の全力でダメージが入るくらいだから安心しろ。

このようによっぽどな事がないとけが人は出ないから大丈夫だ。そのセットは自分らの椅子の下にあるからそれを取ったら右に歩いてくれ。じゃ、俺からは以上だ」


すごいな、性能が高そうだな。普通の魔法学校じゃこうも行かなかっただろう。だが、これを超える()()がいるのだろう。そうとしか考えられ無い。

俺は少し緊張しながらも、右の青い魔法陣に向かって歩いた。


一瞬白い光が見えたと思ったが、目を開けるとそんなことなど気にならずに青い海と空を見ている。受験者の1部からは感嘆の声が聞こえる。海がある方と逆側を見ると森が広がっていた。そこそこ大きな島っぽい。


「ここはとても綺麗ですね」

「そう思うよ。こんなにも綺麗だと何かあるんじゃないかと思うよ」

「そんな事は、起こらないと思うけどな」

「そうかもな。それだと良いんだが」


俺は不吉な予感が拭えず、魔法陣から現れた男の先生の指示を待った。


「じゃあ、試験始めるぞ。ここに机があるだろうそこに適当に1列に並び、受験番号を言いそれから私の指示が出たら、魔法をあの木に向かって撃て。試験が終わったものはそこの魔法陣で戻り結果を待ってろ。いいか、わかったか。森には、絶対に近付くなよ。では、始める」


誰よりも早く行った人がいる。それ以外は誰も行かない。やっぱり怖いのだろう。


「早く並ばないと、全員失格にするぞ」

「「「「「えっ!!!」」」」」

「ああ、それと試験やる人の半径30mに近づくなよ。いくら試験用だからと言っても暴発すると危険だからな」


そう言われたお陰で皆少し小走りになった。2人も急いで向かっていたが、俺はのんびりしている風に素早くと真ん中の方に行った。意外と人数が多く最後尾の人どころかあの2人すら、見えていない。

何人か試験をやった後に、ドガーーンと大きな音が聞こえて来た。20人くらいに1人が暴発するらしいが、こんなにも早く起こるとは思っていなかった。まだ、遠いから大丈夫だから、近くで暴発したら危険なのでそれだけは気をつけようと思う。

前から、「極大爆発魔法(バースト・クラッシュ)!!」「なんだよ、それwww」「せいや!」「そりゃ」

などと、聞こえてくる。やっぱりノリがいる奴がいるな。あの2人はどうしているか気になるがなかなか見えない。少し粘ったがやっぱり見えず大人しく諦めてしまった。


15分くらい経ってからやっと俺の番が来た、やっぱり真ん中くらいだと時間がかかる。ここまでは、問題が起こっていないが、そろそろあれが起こってもおかしくない。起こらなかったらあの神が次出て来たらいうことが出来るが、多分もうしばらくはあいつには会わないような気がする。


「早くしろ」

「あっ、すみません。受験番号187番です。よろしくお願いします」

「187な。…よし、やっていいぞ」


俺は、精神を落ち着かせた。ここであまり目立つとあまりにもめんどうだから、仕方ないが俺の苦手な方法で唱えるしかない。


「ハァァッ」


俺の手から木より小さめの炎を出した。撃ってから気づいたがあの木はなぜ魔法を撃っても大丈夫なんだろうか。全部に効く障壁は使える人が少ないと聞いていたが、まさかこの人がそうなのだろうか。いや、そんな人は戦いで重宝されるはずなのでありえない。

だが、木に届く前に炎は消えてしまった。質問をしようとした時に、


「君は撃ち慣れているような気がするな」


内心驚いたが、


「ギャオーース」


その鳴き声が聞こえた途端、この辺一帯に衝撃波が起こった。


目を覚ますと森の中にいた。あれが放たれたから、少し気を失っていたようだ。ひとまず全体を見るとやはり木しかない。参ったな。方角が分からない。少なくとも、さっきまでいた島の中ということだけは確かなはずだ。そう思いたい。まずは試験の場所に戻るべきだろう。浜辺があったので海岸線をぐるっと回れば辿り着けたと思う。確かそこまで大きな島じゃないのですぐに回りきる。道が分からない道を歩き始めた。


歩きながら今後の行動について考えていた。声の主を倒すのはまず無理だろう。あんだけの声で衝撃波が生じるから俺1人では無理だ。試験会場に出るのが1番現実的だな。楠と帳は大丈夫だろうか。あの2人を探しながら向かうのが良さそうだな。1人よりも何人かで固まって動いた方が今回は安全だろう。とりあえずの目標としては、元の場所に戻りながら、彼らを探すで良さそうだな。


いつまで経っても海岸線に届かないので休憩を少し入れる事にした。想像以上にここは広い。ただ向かっている方向が間違っていたとしても最悪生き続けていれば救助隊が来るだろうと楽観視し、少し気を抜いていた。予言書に書いてあった事が下手したら起こりそうだな。あれは今後も毎日見て信じていよう。もしかしたら違うことも起こるかもしれないそん時は燃やせばいい。あれには確か仲間をつくれと書いてあった気がする

背後から


「ギャオース」


との声が聞こえ、はっとして素早く距離を取り臨戦状態に入った。

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