筆記試験(当日)
身が覚めたらそこには、清々しいほどの太陽の光を浴びていた。
(何か生まれ変わった気分だぜ。)
神と会ってからあまり良い気分ではなかったが、今日は一段と気分がいい。
ハッハッハッ、今日なら何でも出来るような気がする。
神と会ってからもう4日経っていた。最初の方は、めんどくさいなぁ、と思いながらやっていたら。今まで知らなかったことが知れて来たので途中からワクワクして来たので、3日目からは全力でやっていた。
が、たった2日で大丈夫かどうかは分からない。うん、大丈夫だろう。何せ今日は神に愛されているかの如く祝福されている感じがする。
あっ、大事な事を忘れていた。今日は東京私立魔法学園の筆記試験日だ。いけない、いけない。もし、遅刻でもしたら、殺されてしまう。でも、俺は一度殺されているか。なら問題ないな。うん。
やべえな。今日の俺のテンションがおかしすぎる。この調子で行けたら、確実に受かる気がするので、この気分のまま行こう。
俺は簡単に朝食を済ませ、準備をしテストの会場に向かった。
久し振りの外は気持ちいいな。少し口笛を(吹けていないが)吹きながら軽い足で歩いて行った。
1度殺されてから少し外に出るのが怖かったが、電車に乗り過ごしてしまったりと色々会ったが平和的に着いた。あんな事は、1生で1度だけあれば良い出来事だとは思うので、当たり前といえば当たり前だが、ここまで非日常を感じると平和な日常がどれほど大切かがいかに分かる気がする。
平和な日常万歳。でも、そもそも誰に殺されたっけ、まぁ誰でもいいんだけど。
そんな変な事を考えていると、会場入り口にたどり着いた。会場は無駄に広いような気がする。
だが、道に迷ってしまったせいで割と時間がギリギリなので、無駄な感想を抱かず、受付に直行していく。流石に一本道になると迷わなく行けるし、地図もここからはあるので道に迷う理由が無い。
時間ギリギリに受付が終わったが、入れれば最悪問題ない。
一回体育館に集まらなくちゃいけないらしく、その番号の書いてある整理券とどこにあるのか地図をくれたが見方を教えて貰えなかったので、学校案内図を見る事にしたが、それを探すのに少し手間がかかった。
そこの前には、少し背が小さめの銀髪の女の子が困るように地図を見ていた。受けに来た子だろうか。少し地図を見てどうなっているのかは俺は分かったが、その子は分かっていなそうだったので。話しかけてみた。
「ねぇ、君はここに行きたいの?」
少し驚いた顔をしたが、すぐに
「はい。そうなんですが、行き方が分からなくて。」
「俺もここに用があるんだ。良かったら一緒に行こうよ。」
「ありがとうございます。ご一緒お願いします。」
「よし。すぐに行こうか。ちょっと急がないと遅れちゃうからね。」
2人は少し急いで向かった。
割とそこから近かったらしくあまり時間はかからなかった。彼女と一緒に入ったが、整理券の番号によって席が変わるらしく、俺は後ろの方の席になったが彼女はどちらかというと真ん中よりだった。他にも人がいただろうが、人と話すのが苦手なのだろうか。それにしても、あの子可愛かったなぁ。途中から少し緊張してしまいあまり話せなかったがとても楽しかった。
そんな余韻に浸っている間に、会場が暗くなった。
おっ、いよいよ始まるのかな。名残惜しいが彼女の事を記憶の奥に丁寧にしまった。
スポットライトが当てられると、そこには謎の生き物いや、そんな表現は正しくないかも知れない。正確には、謎の空飛ぶ猫のようなものがいた。会場全体が騒ついた。俺は慣れていたのであまり気にしなかったが他の人はいきなりそんなもの見たら、驚くよな。せっかくだし観察してみるが、見た目以外にあまり印象に残りそうなところはなかった。強いて言えば、マイクを持っているだけだと思う。
まさか、あいつが話すのか!?流石にアテレコだろうと思っていたが、前ぶりもなく話し始めた。
「あーあ。よしオーケー。では、今日受験生として、この学校に来た諸君こんにちは。ここにいる全員がどうゆう心構え出来ているかは俺は分からない。しかし、勝手ながら簡単に自己紹介させてもらいたい。俺の名は、ラナト、だだの超高性能AIさ。話は変わるが、俺の事を見て驚かなかった人が何人かいたが、驚いて当然だ。毎年少しくらいは驚かない人がいるが、自分で言うのもなんだが、こんな見た目の奴がいきなり現れたら怖いよなって思う。ただ安心して欲しいのは俺が安全だと言う事だ。魔法学園は基本変な奴が多いが、悪い奴はいないので大丈夫だ。最後になるが、本来は理事長と生徒会長、学園長による挨拶があるんだが。今日は用事が重なっているので来れないので、これで最後だ。
今までの全力を尽くし、悔いの残らないようにはしてくれ。以上だ」
少し経ってから拍手が起こった。俺もつられてやってしまったが、普通はするものなんだろうか。
アナウンスが入り、番号により入る部屋が変わるらしく、その紙が張り出された。
俺は一番遠いクラスらしく移動に物凄く時間がかかるらしいので、素早く移動を開始した。
疲れこそはしなかったものの、遠すぎだよ。誰もこんな教室使わねぇよ。上を見上げると、空き教室と書かれていて何か悲しくなった。そりゃ、遠いので使われませんよねー。
文句を少し言ったが、自分の席に着いた。
席に着いて5分後くらいにテスト用紙が配られた。その5分後にテストは始まった。問題なく解けそうだなど油断していたら、分からない問題が出て来てしまったので少し深く考えて、テストモードに入るようになり一気に解いてった。
1つ目のテストが終わり少し時間がある。そこで、見知った顔がいないかと注意深く見ていると、同じ小学校に通っていた、有名人の眼鏡少年を見つけた。俺は、暇だったので話しかけた。
「ねぇ君。テストどうだった。簡単だった?」
「いや、君は誰さ」
「俺は同じ小学校に通っていた筈なんだけど覚えてない?」
「誰だっけ?まぁいいや。テストは簡単だったよ」
「やっぱり知らないか。テストは同じように感じたよ」
この2人はテストが終わるごとに話していた。
話している感じだと、俺よりも頭が良く、苦手科目が無さそうな気がする。でも、彼の話は楽しかった。彼とも一緒の学年に慣れたら良いな。
次のテストは魔法学
俺がこの4日間一生懸命勉強して来た魔法学だ。神は四角5は最低解ければいいとのことだったはずなので、それだけは、必ず解けるようにして来た。
「魔法学って君自身ある?俺全然ないわ」
「一応出来ることはしてきたから大丈夫だと思うけど、全力を尽くせば大丈夫」
「応、ありがとう」
テストの時間になった。一応問題全部見て見たが、四角1から訳がわからない。何問か分かる気がする問題があるが、魔法の歴史なんて意味がわからない。神から一切教えてもらっていないし、参考書にも書いていなかったぞ。劣悪な品を買っちゃったな。他の問題は諦め、颯爽と四角5を解く作戦に移った。
この問題は最悪知識が無い僕でも解けるが物凄く時間がかかるとされていて、捨てる問題だとされている。が、それのせいでこの問題の配点は3割〜4割近くつく年もあるくらいの問題だ。だが、普通に解いたら間に合わないし、他の問題で正解していた方が効率自体は良いので、それ故に捨て問とされている。
基本魔法学は4割〜5割ぐらいの点を取れば合格圏内なので、俺以外の人にとっては何度も言うがいらない問題だ。
だが、そこが、盲点なんだ。この問題は、普通の魔法学の勉強している人では解けない。しかし、我ながら都合が良いとは思うが、俺は神から魔法実技について教えて貰っている。そう、1度でも、魔法を唱えた感覚が残っていないと、絶対に解けない。何故かって?
それは、術式を自分で唱える時に使うものを書く。適当に書けば良いと思うが、そうはいかない。多少人によって文字の感覚が変わってしまうが、初級魔法くらいなら皆似たようなものになる。だったら丸暗記すれば良いがそれは不可能だ。何故かわからないが1度唱えたことがないとどう頑張っても1分で忘れてしまう。それが、どんなに超能力的な記憶力の良さであっても不可能だ。
皆が捨てる理由がこれではっきりしただろう。実質正解が不可能な問題だ。
やはり、それならこの問題をなくせば良いような気がするが、ラノベの主人公のような奴が数年程度に現れるからだ。そのような天才を逃さないようにと気を付けるために、この問題が設置されている。
でも、採点は凄く難しい。この問題に明らかに間違いだな、っと思う問題以外は基本的に教員全員がよく話し合って決めるとの事らしい。
こんな問題は俺の手にとっては、簡単簡単とまでは言えないが、そこそこ簡単に解けていると思う。
残りの時間は属性の種類は何があるかを書いて、それでも余った時間は、ひたすらわからない問題を読んでいた。
テストが終わり、皆帰ろうとしている中。俺は眼鏡少年に話しかけられた。
「最後の問題どうだった!? あれ解ける気がしないんだけど」
「あー分かる分かる。けど、俺は出来たけどな。むしろ他の問題の方が難しかったわ」
「えっ、あんなの解けるの。マジで?」
俺は自慢げに答えたら、ものすごく驚いたかをされてとても面白い。
俺らは他愛のないことを話しながら、帰っていると学校案内所の前に銀髪が揺れた。
まさかとは思い近づいてみると、そこには彼女がいた。
彼女は少し迷ったような顔をしながらも、俺に話しかけて来た。
「さっきはありがとうございました。お陰で、会場まで着けました。」
「いやいや、良いよ良いよ。あんな事俺の気まぐれでやっただけなんだから」
「では、ちょっと2人きりになってくれませんか」
「えっ、ああいいよ」
(えっ、俺空気なんだけど)
眼鏡君を置いてって木陰の後ろに隠れた。
彼女は、深呼吸をして話しかけた。
「早速なのですが、しばらく受験の日に一緒にいてくれませんか?」
「ああ、いいよ」
「ありがとうごさいます」
2人きりになりたいと言われて驚いたが、そんなことか…
恐らく何かしらの事情があるのだろう。そこまで俺の負担にもならないし別に問題ないだろう。
「じゃあ、あいつも呼んで自己紹介しようか。お互いの名前がわからないと不便だと思うし」
「…わかりました。呼んできてください。ここで待っているので」
俺はあいつを連れてきた。
「自分の名前を言うことになったからよろしく。俺の名前は火槍 霊」
「私は楠 心です。よろしくお願いします」
「俺の名は、浅山 帳。宜しくな」
「よしっ、これで自己紹介も済んだことだし帰るか」
「あっさりしすぎな気がするな」
「別に良いじゃん。全員初めて今日あったんだし」
「それもそうだけど、まぁいいや」
「2人は今日会ったばっかりなんですね。それにしては仲よさそうに感じますね」
「嗚呼、霊とは初めて会ったよ。偶々、俺の事を知っていたんだ」
「そうなんだよ。あっ、せっかくだし、結果発表の日に待ち合わせしない?誰も落ちないだろうけど、確認としての意味で」
「俺はよ」
「私も大丈夫ですよ」
「よし。じゃあ決まりな。待ち合わせは、ここでいいんじゃないか。結果が発表される場所は校舎の真ん前だし」
「そうしようか」
「じゃあ、また会おうな」
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2日経ち、目覚ましが鳴った。8時に鳴った。
まだ、大丈夫か。
大丈夫じゃない。出る予定の時間じゃないか。まさかの寝坊。昨日7時にかけたはずなんだけどな。
そんな事を言っている場合ではなく無くなってしまったので、猛スピードで準備し、走り出した。
家を出た時間が8時15分なので間に合うはずだ。なんか余計なフラグを立ててしまったかもしれない。
そんな予想を裏切り、電車も遅れていなく、道も迷わなかった。
校舎の真ん中に向かい。自分の番号を見たら、自分の所にまさかの番号がないじゃないか。絶対あるはずなんだけど。心配になり1番から見てきたら、最後から、2番目の所にあった。ヒヤヒヤさせるなよ。よくよく見たら、完全にランダムのように並んでいるな。見間違えた人がいたらどうするだよ。乱数表みたいに見えるし。
ヒヤヒヤはさせられたが、浮き足であの2人の下に行った。
そこには、もう2人の姿が見えていた。俺は駆け足で近づいた。
「ごめん、待った?」
「遅いぞ。霊。もう少し早く来れなかったのか?」
「ごめん、ごめん。俺の番号が中々見つからなくて、まさか、最後から2番目に見つかるなんて考えてなかったたよ」
「あれ。順番通りでは無いんですよね。びっくりしてしまいました」
「見間違えたらどうするんだいって、感じたよ。まぁ、何にしろ全員受かって良かったな。」
「いやいや。まだ、実技試験があるぜ。気を抜いたら落ちるからな。努力でどうにかなるかどうかはわからない」
「残りは、自分を信じてやるしかないね」
「次もがんばりましょぅ…」
残り数日、全力を尽くしていこうと思った。
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