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R-18っぽくなりました、苦手な方はお控えください。

後、ちょっと長いです。

4月末から五月初めにかけて休みが続く、ゴールデンウィーク。

その初日に、微は部屋のベッドに寝転んで居た。

するとインターホンが鳴ったが、微は居留守を使ってやり過ごそうとした。


「ピンポーン!」

「........」

「ピンポーン!」

「........」

「ガチャガチャ...」

「待て待て待ておい」


明らかに鍵を開けてくる音がしたので、急いで玄関へ向かって阻止しようとしたが、着いた頃に丁度ドアが開き、そこには由乃の姿があった。


「こんにちわ、微」

「...何してんだお前」


由乃は何故か随分と大荷物で微の家に入ってきた。


「何だその荷物」

「ほら微、早く準備して」

「準備?何のだ」

「今から旅行に行くわよ。一泊二日で」

「は?」


由乃は手を叩きながら部屋のタンスから服や下着などを取っていき、カバンに詰めていった。


「おい、ちょっと...」

「実はね、この前一ノ瀬先生に明日微の誕生日って聞いたの」

「流から?...それで何で旅行?」

「微温泉好き?」

「嫌いじゃない」

「良かった」

「まさか温泉旅行か?というかお金」

「それは私が出すわ。宿はちょっと微妙だけど、それでも十分楽しめるし」

「...そうか」


その後二人は駅から電車に乗り、目的の温泉地へと一時間ほどかけて向かった。


「はいこれ、一応どんな所か知っておいた方が良いでしょう?」

「ああ、悪い」

「今更だけど、ごめんね?無理矢理連れて来たみたいになってる...」

「本当に今更だな」

「ごめんなさい...」

「楽しめればそれで良い」


微はガイドブックを読みながらそう言った。

微と由乃は目的地の最寄駅で降車し、先ずは荷物を置きに宿へと向かった。

フロントのホテルマンと話し、部屋の鍵を貰った。


「料金は後払いとなります」

「分かりました」

「ごゆっくりお寛ぎ下さい」


二人は部屋の鍵に刻まれた数字と同じ数字の部屋を探し当て、部屋へと入っていった。

部屋は二人部屋にしては少し広く、窓から見える景色は悪くはなかった。


「良い所じゃないか」

「でしょ?」

「空がよく見えて良い」

「微は空好きね」


微は窓から見える青空をジッと見つめながらそう言ったので、由乃はクスクスと笑った。

時間は正午を回ったところで、二人は何処かへ食べに行くことにした。


「微は何食べたい?」

「別に何でも良い」

「そっか、じゃあお蕎麦とかどう?美味しい店があるらしいんだけど」

「そこで良い」

「ん、じゃあ行こ?」


由乃はスッと微に手を差し伸べた。

微は頭にはてなマークを浮かべ、由乃の手と顔を交互に見た。


「手、繋ご?」

「なぜ?」

「繋ぎたいからよ」

「嫌だ」

「お願い、ね?」

「........はぁ」


微はため息を吐いて、由乃の手に人差し指だけ引っ掛けた。

由乃はそれでも嬉しそうに自分の指で微の人差し指をギュッと握った。


「...こんなんで良いのか」

「これで良いのっ」


由乃と微は目的の蕎麦屋に行って蕎麦を食べたら、近くの土産店などを軽く回りつつ散歩をし、夕方くらいに宿に戻った。


「ご飯は19時って言ってたから、それまでに温泉入りに行きましょうか」

「そだな」


微と由乃は置いてあった浴衣と下着を持って、お風呂場に向かった。

微が男湯に入ろうとした瞬間、由乃が微の腕を掴んだ。


「何だ」

「こっち」

「は?風呂に入るんじゃないのか?」

「入るわよ。でも入るのはもっと先」


微を連れて由乃はもっと奥まで行くと、『混』と書かれた暖簾をくぐっていこうとした。

だが微が踏ん張って動かない。


「ど、どうしたの微...!入らないと...!」

「どうしたはお前だ...!何しようとしてんだ...!」

「何って...!お風呂に...!一緒に入ろうと...!」

「バカじゃないのかバカじゃないのかバカじゃないのか...!」


混浴のお風呂場の前で騒ぐカップル一組。何とはた迷惑で恥ずかしい事か...。


結局微は折れて、一緒に入ることにした。一応水着やタオルを着けて入っても良いそうなので、微も由乃もタオルを付けることにした。


「大きいわね〜」

「...そうだな」


微は腰に、由乃は胸の辺りまでタオルを巻き、露天風呂に入った。


「ふぅ〜気持ちいい〜」

「........あぁ」

「微おじいちゃんみたい」

「黙れ」


微は目を閉じて足を目一杯伸ばしている。

由乃は体育座りの様に座って浸かっていた。

逢魔時で、空には月も太陽も見える。微は空を見ようとスッと目を開けると、由乃の顔がドアップで視界に飛び込んで来た。


「っ!?」

「あ、ごめんなさい」


微はビックリしたが声をあげなかった。それでも相当に驚いていて、見たことないくらい目が開いていた。由乃はそれがとても面白く、ケタケタ笑っていた。


「あっははは!驚きすぎよ」

「クソが...!」

「だってあまりにも気持ちよさそうだったんだもの」

「馬鹿なことするな」


微はまたもう一度空をジッと見つめた。

そして微は由乃の方へと視線を移した。丁度由乃も微の方を向いていて、二人は見つめ合う形になった。


「........」

「ん?」


由乃は首を傾げながら微笑むと、由乃の肩からスルリと一束髪が落ちた。

微はその髪を手に取った。


「........」

「........」


由乃も微笑むのをやめて、微を見つめる。だが微はその髪を見つめたまま、由乃の顔を見ない。

枝毛一つない髪を、微はそのまま自分の口元に持って来て、そっとキスをした。


「微...?」

「逆上せた...出る」

「あ、うん...」


微は由乃を置いて先に出た。由乃もその後すぐに風呂を出た。

風呂から出て部屋に帰ると、夕飯が用意されていて、二人はその夕飯を食べた。


「美味しいわね」

「ああ」


微と由乃は黙々と食べ続けて、お腹いっぱいで満足した。

布団を敷いて、微と由乃は眠りに就いた。だが由乃が簡単に眠る筈もなく、案の定微の布団へと入って来た。

微は由乃に背を向けて眠っていたので、由乃が後ろから入って来るとは思わなくて驚いた。


「離れろ。寝にくい」

「や」

「ちっ...」


微は好きにさせてそのまま寝ようとしたら、由乃の足が微の足に絡んできた。

妙にスベスベしていて温かい。それがとてもこそばゆくて、微は思わず振り返った。


「おい...!足...」

「やっとこっち向いた」


由乃はしてやったりみたいな顔をして笑っている。

微は首だけ動かしていたので、すぐに戻ろうとした時、由乃に顔を両手で掴まれた。


「ちゅっ」

「っ...!?」


微の顔を固定して、由乃が微の唇にキスをした。

微は完全に不意を突かれて驚いた顔をしながら、唇から伝わる由乃の唇の柔らかさと温もりを感じた。

しばらくすると唇を離し、由乃は口元に隠す様に両手を持って来て照れた。


「意外と緊張するわね...」

「急にするな...」

「えへへ、微の唇柔らかかった」

「笑ってんな」

「いたっ」


微は照れながら笑う由乃にデコピンをした。

微はいつのまにか由乃の方を向いていて、由乃は微の胸元におでこをコツンと合わせた。


「微、ドキドキしてる?」

「してない」

「嘘。ドキドキしてる」


由乃は微の胸元から顔を覗き込ませた。微も由乃の方を見ていて、二人は見つめ合った。


そして、お互いに顔を近づけもう一度キスをした。


「ん...」

「っはぁ...んっ」

「ん...!?」


意外にも微の方がもう一度して来て、さらに濃厚になっていく。

啄ばむ様にキスしたり、下唇を甘噛みしたり、頰にもキスしたりと積極的だった。


「ん...微...」

「...よしの...」


掠れた色っぽい声で、表情で微は初めて自分から由乃の名前を呼んだ。

由乃は呼ばれた嬉しさと微が積極的になってくれた事が嬉しくて、頰から涙を(つたわ)せた。

微は涙の意味がわからず、流石に焦っていた。


「嫌...だったか?」

「んーん...嬉しいの...」

「嬉...しい?」

「うん、私だけの微。今この時、この瞬間だけは、微は私だけを見てくれている...。それが、とても嬉しい...!」

「........」


微は由乃の頰を伝う涙を指先で優しく拭い、由乃の頰に手を添えた。


「今だけじゃ...ない」

「え...?」

「ずっと...見てる。...だから、泣くな...」

「........!」


微から出た優しい言葉は、由乃の心に深く突き刺さった。

由乃はもっと泣き出して、微は由乃のおでこにキスをした。


「ほんとに...?」

「今更他の奴を相手に出来るか...」

「約束...よ?」

「...ああ、分かってる」

「嘘だったら、怒るから...!」

「...ああ」


微はもう一度由乃の唇にキスをした。


すると、由乃がし返して、その後微の耳元で呟いた。


「微...シたい...な」

「........!」

「...ダメ...?」

「初めてなんだが...」

「私もよ...。私とじゃ、()?」

「...分かった。なるべく、(たが)が外れない様にしてみる」

「ん...」


二人はお互いを見つめ合いながら、もう一度深くキスをした。

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