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『あけましておめでと〜』

「まだだ」

『流は〜?どうしたの〜?」

「いるよ、流」

「母さんか」


今日は大晦日。ということで、微と流は微の家で年を越すのが毎年の恒例となっていた。

そして今は日本にいない早苗とテレビ通話をしている最中だった。微は台所の洗い物をしに行って、流が通話を変わった。


「そっちはどうだ?お父さんは元気か?」

『今買い出しの途中よ〜蕎麦を買いたいって言って〜、今厳選してるわ〜』

「そうか、元気そうで何より」

『由乃ちゃんは〜?一緒〜?」

「いない。呼んでもいいがあっちの都合もあるだろうし。何より微が嫌がるかもな」

『もぉ〜照れ屋さんなんだから〜』

「まったくだ」

「聞こえてるぞ」


台所で洗い物をしていた微だが、二人の会話が聞こえていたらしく顔だけ出して流を睨んだ。


『由乃ちゃんの顔が見たいわ〜呼んで〜』

「嫌だ」


洗い物を終えた微が流の隣に座って早苗との会話に入ってきた。


『どうしてよぉ〜』

「必要無いし迷惑だろうが」

『私が会いたいのよ〜微はその間散歩でもしに行けば良いじゃな〜い』

「何故俺が出て行かなきゃいけないんだ...」

『早く〜』

「めんどくさいな...」

『わぁ〜いありがと〜』


微は携帯を取り出して由乃の連絡先を探した。

だが微は由乃と連絡先の交換をしていなかった事に気付いた。


「という事で無理だった。合わせてやれず残念だ」

『それにしては随分と嬉しそうね〜微〜?』

「まさか、俺は今とても心苦しくてたまらない」

「牧田の連絡先なら私が持っているぞ。微なら直接は受け取ってくれないだろうから教えてあげてと」

「ほんと...心苦しい...」

「同い年だろ、今呼んでくる」

「あまり無理やり呼ぶなよ。無理だと言われたらすぐ諦めろ」

『微必死過ぎてお母さん怖いわ〜』


流が電話して由乃に了解を得ると、程なくして由乃は微の家のインターホンを鳴らした。


「いらっしゃい」

「お呼び頂きありがとうございます」

「無理しなくて良かったのにな」

「微に会いたくて来たわ」


微の家に着いて由乃は早速早苗とのテレビ通話をさせられた。


「お久しぶりです。早苗さん」

『久しぶりね〜元気してた〜?」

「はい、おかげさまで」

『そうそう、三人が出た雑誌ね〜あれ好評だったわ〜』

「そ、そうですか...。なら良かったです」

『何で日本で販売しないんだ〜!って怒られたわ〜』

「すみません...」

「客に謝らせんなや」


由乃を真ん中にして微と流も通話に加わった。

おかげで三人の顔は近く、由乃は緊張した。主に右側にいる微の方。


『こうして見るとみんな私の子供みたいだわぁ〜』

「ただ三人並んだだけだろ」

「二人は似てるけど、私は顔違うものね」


それから会話をしていると、早苗の後ろを通る人がいた。


「親父帰って来てるじゃないか」

『おかえり〜あなた〜』

『ああ、ただいま』

『微と電話してるの〜あなたも顔を見て〜』


画面の中に、微とよく似た男性が見える。


(この人が、微のお父さん...)


微と同じ仏頂面で、こちらを覗き込む様に見ている。


『なんだ?産んだ覚えのない子がいるな』

「どうも初めまして、牧田 由乃と申します」

『ご丁寧にどうも、微と流の父だ。由乃さんは微の友達か?』

「はい、そうです」

「違うだろ」

『どっちだ?』

「友達です」

『そうか、良かった。微は知っての通り友達がいない。仲良くしてやってくれ』

「はい、是非」


しばらくして会話を終えたので、通話を切った。

流はタバコを吸いにベランダに出たので、微と由乃は部屋に二人きりとなった。


「微、冬休み中何してた?」

「特に何も。強いて言うなら宿題やったりとかだな」

「やっぱりそうよね...」

「...お前は?」

「え...私?」


微が自分から由乃に興味を持つような事は全くと言って良いほど無いので、由乃は微から質問が帰って来た事に驚いた。


「私は家族で出かけたりとかしたわ。正月セールみたいなやつに行ったの」

「ふーん」

「微もセールとか買い物行った?結構安くなってるわよ色々なもの」

「あー最近フライパンが焦げ付いて来たな...」

「買い換える?付き合うわよ?」

「いや別に良い。一人で行けるし」


相変わらず一歩引いたような距離感で由乃と接する微。

由乃が一歩引かれて、如実に寂しがった。すると、それを感じた微が頭を掻きむしりながらめんどくさそうに言った。


「いや女子に付いて来て貰うとか嫌だろ?」

「嫌なの...?」

「いやこれが例えば服買うとかならまだしも...いやそれも嫌だがな。フライパンの買い出しなんて付いて来たいか?」

「どこだって良いのよ。微と一緒なら」

「変なやつ...」


そう言って微は着替えをし始めた。

特に由乃の目を気にすることも無く着替え始めたので、由乃は少し冷たい手を上裸の微の背中に触れた。


「っ!?」

「どこか行くの?」

「余計なことしてっと連れて行かないぞ」

「え?」

「え?じゃないだろ。お前が一緒に行きたいって言ったんだろ、準備しろよ」


微は少し照れ臭そうにしてそっぽを向いた。



タバコを吸い終わってベランダから帰って来た流が二人が出かける準備をしていたのを見つけて問うて来た。


「なんだ、牧田はもう帰るのか?」

「あ、いえ。帰るわけじゃないです」

「ちょっと出掛けてくる。帰りは夕方とかになる」

「出かける...。二人でか?」

「はい」

「そうか...まぁ、気を付けて行ってこい」

「いってきます」


流は微が由乃と一緒に出かける事に驚いた。

今まで何だかんだ流が命令したり、流のためだったりと、明確な理由があった。初めて微が特に理由も無く、しかも由乃を連れて行く事に否定的ではなくなった瞬間だった。

最近毎日更新出来なくなった理由につきましては、今まで書き溜めていたものを予約投稿という形で投稿させて頂いていたのですが、そのストックが尽きました。

書き次第投稿という形にこれからなり、プライベートの方が忙しいと間が空く事になります。ご了承願います。

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