模型少年爆誕
現代っ子の模型趣味は始めるところから一苦労なのだ…
小学3〜4年生ほどの少年が家電量販店の模型コーナーで駆逐艦のプラモデルを握りしめ、両親を必死に説得している。
「1人でちゃんと作るし、工作のあとの片付けも自分でするから!」
シンプルな少年の説得に対して母親は
「でもねぇ…」
と困った顔で、父親の顔を見る。
大抵の親はプラモデルの制作に必要なスペースやお金、時間の量、刃物と塗料の扱いについて説明すると購入を許可するのを渋ってくる。
だからといってこっそり始めるのも良くない、有機溶剤の匂いや塗料を零した際にかかる迷惑を考えるとプラモデル制作という趣味はまず家族の同意を得るべきだろう。
しかしここで同意を得られなかった場合プラモデル製作の道は完全に絶たれると言っても過言ではない、理解のある親の元に生まれられたかどうかは完全な運頼みである。
ただこの少年は運が良かった様だ。
「男の子だもんな、俺も子供の頃作ったよ。よし、後片付けをしっかりするなら買ってもいいぞ。」
父親はすんなり了承してくれた。
「ほんとに?よっしゃぁ!」
喜ぶ少年に父親が真剣な顔で話しかける。
「そうだ、あともう一つ条件がある」
父親の条件という言葉に少年は顔を曇らせた。
「条件ってなに?」
恐る恐る聞き返すと父親は笑顔になって言った。
「上手くいかなくても完成させること、いいね?これは父さんとの約束だ。」
少年も笑顔で深く頷いた。
こうして新たな模型少年が誕生した。
皆も模型始めてみないかい?