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シネマ・シメリック  作者: ましゅひな
2/5

人間なんて、大嫌いだ。

居なくなればいいのに。

どんな良い行いをしようが、偉大な発見をしようが、あの生き物は自己中心的なのだ。

自分さえよければ。自分達の都合がよければ。

正しい、美しいと思ったものしか、人間達は相手にしない。

だから私は今こうして独りでいるのだ。

気持ち悪いから。何か悪いことをしそうだったから。

今まで私を避けてきた人の、「言い訳」だ。

私はあの生き物に受け入れられなかった。


何故なら私は、魔女だから。

正真正銘の、本物の魔女。


魔法だって使えるし、如何わしいような薬だって作れる。

命をかければ、この世の人間を全員殺す事も出来る。

でも意味が無いから、しない。

わざわざ殺してやる道理なんてない。どうせなら生きる希望を無くしてしまう様な状態にしてやりたい。

人間に復讐してやる。

その信念に、私は生かされている。


そんな私の人間嫌悪はかれこれ長く続いている。

今は自分の家である、山の中腹に建つ小さな屋敷に引きこもっている。

何故なら人間に会わなくて済むからだ。

たまに迷い込んでくる人間をちょっとばかり驚かすのが唯一のストレス解消だ。

自分から外に出ようなんて、思ったこともない。

人間に会いたいなんて、思わない。

友達もいない。家族もいない。欲しくもない。

そのため屋敷の中では復讐する為の魔女修行をひたすら1人でしている。

楽しくない。でも私はこうでもしないと生きていけない。

強い憎しみさえあれば、誰でも強くなれるのだろうか。

人に避けられ、引きこもりを始めて一年経った頃。

修行の成果か、かなり強力な魔法が使えるようになった。

一瞬で人を殺す魔法。苦しめて殺す魔法。拷問の魔法。

二年経てば、建物の一つや二つを指1本動かすだけで吹っ飛ばせるようになった。

もう死にたかったが、我慢した。

いつか人間に復讐できると信じて生きた。

五年経てば、人や物を消すことができるようになった。

でも消してしまえば意味が無い。

もっと苦しめる方法を。もっと。


足りない。まだ足りない。


七年経ち、私は究極の方法を見つけた。

すぐさま身につけた。我ながら名案だと思う。

それは、人から希望を奪うこと。


私は人間の命の期限を短くする、短命の魔法を手に入れた。


これさえあれば、長年の夢だった人間への復讐ができる。




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