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Episodes7セラヴィ





翌朝


俺は何かの気配を感じ、目が醒めて寝返りをうつとセラヴィがいた。

しかもベッドの横に。無表情で。前にエイプリルフールの時に叔母さんからやられた事があるので驚かない。あの時は怖かった。いつも微笑んでいる叔母さんが無表情でベッドの横にいるのは軽くホラーだ。


「よぉ」

「……ん。おはよ」



[セラヴィーアからパーティー申請が届きました。]



ベッドから起き上がり、セラヴィに挨拶をすると頭に何かが浮かんでくる。


「……承諾して」

「パーティーか? どんなのだ? 」


そのメッセージを承諾すると、頭の中にセラヴィの名前とレベル、緑色のゲージ、青色のゲージが現れた。緑のは生命力で青のはマナかな?

なんかこういうのゲームにあるよなぁ

しかし上目使いで言うのはやめてくださいセラヴィさんや。あいつの上目使いと被ってしまう。


「……部隊と念じて、一緒に組みたい人の名前も念じたら部隊が出来る。頭の中の緑色の棒は生命力で、青色の棒はマナを表してる。部隊の利点は魔物を倒した人以外の人も経験…………疲れた」

「そうか」


これはシルヴィには教えてもらってなかったな。もしくは最初会った時に言われた事なのかねぇ。

途中で話を止められたが、シルヴィと違い話が長くないので好感が持てる。

そしてセラヴィのレベルは9と表示してあった。


「……ちなみにシルヴィのレベルは40くらいだったと思う」

「シルヴィより低いな。王女なのに大丈夫なのか? 」

「…………インドア派だから、1回しかモンスターを倒してない」


少し間があったが彼女は答えた。

つまり引きこもってたのね。

というか1体倒すとレベルが9まで上がるほどのモンスターがいるのか?


「わかった。ギルドに登録は? 」

「……してる。ランクはE」

「なら、依頼を受けてモンスターを何体か倒しにいくか」

「……うん」


そして念の為に部屋の外にいた見張りの兵士を痺れさせてから、シルヴィに置き手紙を残して城を出た。

ちなみにセラヴィの服装は黒いインナーの上にこれまた黒いコートを羽織り、ベルトをつけた半ズボンを履いている。

半ズボンの色は黒色に近い緑色だ。見事に黒一色だ

俺の服装? 部屋に白のV字シャツと青いジーパンが置いてあったのでそれを着ている。




ギルドに入ると、昨日の受付嬢しかいなかった時とは違い、人がいて賑わっている。

屈強な男やアマゾネスみたいな人やフード付きのローブを着た者もいるのを見た。


「おうおう小僧、いい女連れてるじゃねえか」


すぐ近くから何か野太い男の声がしたがこの世界にそんな知り合いはいないので俺に話しかけたのではないとみて無視する。


「んじゃ、どんな依頼受ける? 」

「……リューは登録したばかりで、私はEだから採取か街の中のしか受けられないと思う」

「おい! 無視すんなゴラァ! 」

「んじゃ、とりあえず採取依頼にしようか。採取してる時にモンスターを見かけたら殺ればいいと思うし」

「……ん。わかった」

「おい、小僧ちょっと待てよ! 」

「すいません。この依頼受けます」

「は! はい! 」


そして横にいるセラヴィと喋り、俺は[解毒草×22の採取]とかかれた紙を掲示板から剥ぎ取り、何故か俺達を見ておろおろしている受付嬢にその紙を渡す。

どうしたんだ?


「……解毒草は本で見たことあるからわかる 」

「それはありがたいな、案内頼むよ」

「……ん。わかった」

「あの、後ろ大丈夫なんですか? 」

「大丈夫だ。問題ない」


その紙に判子を押した受付嬢が心配して声をかけるが、ゴブリンくらいなら大丈夫だろうと思い一度は言ってみたいセリフで答えた。


「いえ、そうではないのですか」

「んじゃ、行くぞ。セラヴィ」

「……うん」

「え? ちょ! 無視すんなよ! 」


依頼が受理したのを確認して俺はセラヴィの案内でギルドを出て解毒草が群生している場所に向かう。




______



所変わってギルドでは



「くそ、なんだあの小僧無視しやがって」

「少し用事があるでござる」


男は今日EからDへ昇格したばかりで少し舞い上がっていた。

報酬金で真っ昼間から酒を飲んでいると、いかにも初心者風な服を着た少年と傭兵風の服を着た少女がギルドに入ってきた。男は少女を見た瞬間何故かかは知らないが、ふと気持ちいいことがしたいと思ったので、少年を脅して少女を奪おうとするが、男は無視されてしまった。

その後ふたりが依頼を受けたのを見て後をついていき襲おうと考え、ギルドを出ると誰かに肩を叩かれる。


「あ"ぁ! なんだてめぇ! 」

「こっちに来るでござる」

「痛でででで! 襟を引っ張るな!?」


男はその方向に顔を向け怒怒鳴るが、男に肩を叩いた人物は男の襟を掴み、強制的に路地裏に連れていった。


「なんだ、てめえら。俺に何をする気だ。え? なにそれ。それでなにを………… ぬわっーー!! 」



その後、彼の姿を見た者は誰もいなかった




_________



閑話休題そんなことはどうでもいい


現在俺とセラヴィは城の近くの森の中にいる。

そういえば、ギルドで小僧小僧って連呼した奴がいたが誰に話しかけてたんだろうな。

俺は腰からロングソードを抜き、丸腰のセラヴィに聞いてみた。


「セラヴィはどんな武器を使うんだ?? 」

「……私が持ってる近接系能力は短剣と両手銃」

「銃なんてあるんだな。ちなみに両手銃ってどんなのだ? 」

「……スナイパーライフルやアサルトライフル、アンチマテリアルライフルとか」

「なるほど、無よ、我の周りを見よ、サーチ…………この近くに湖があるんだが、そこに生えてるのか? 」


セラヴィは道具箱から全長1.4メートルくらいの長さでスコープとサプレッサーがついた銃を取りだして答えた。

スナイパーライフルか似合うな。というかなんで銃があるんだよ。

俺は一応納得し、サーチを使い辺りを見渡す。

頭の中に現れたのを見ると、草原の方にはゴブリンが数体いる。森の中には何か湖がありそうな地形があったり、[???]という表示が何十個もあった。



「……湖に生えてるのは毒草と薬草だけって本に書いてた。解毒草はたまに[ポイズンゴブリン]が落とす? 」

「外見って判るか? 」

「……ポイズンゴブリン? 本によると紫色をしている」


解毒草を摘むより倒して手に入れた方が色々と美味しいだろうから、セラヴィにポイズンゴブリンの外見を聞くと、彼女は道具箱から本を取り出して、ポイズンゴブリンの挿絵を見せてくる。外見はゴブリンが紫色にペイントしたような感じだった

その挿絵を見た瞬間サーチの範囲の森の中にあった一部の[???]が[ポイズンゴブリン]に変わった。なるほどモンスターの外見がわかるとこうなるのか。これは凄い便利だ。


「わかった。北西に2体ポイズンゴブリンがいるんだが狙えるか」

「……探知の能力が使えるの? 」

「あぁ。多分それに似たやつだ」

「……[シンクロ]って持ってる? 」

「なんだそれ? 」

「……選んだ相手にに自身の能力を共有できる全自動能力」

「持ってないな」

「……ん。わかった」


そしてセラヴィは地面に寝転び銃を地面にたて、スコープを覗いた。

それする必要あるか?

というか服汚れないのか?


「……この銃はバレッタM82改一式。バレッタM82を魔改造した物。それとこれはアリス製」

「なるほど。他にもあるのか? 」

「……銃? 城にある。どうしたの? 」

「男のロマンだ」


俺はセラヴィの持っている銃を見て、他にもあるか聞くと、彼女は頭を上げて城がある方向を指差している。

確か、俺の世界では旧アメリカにある会社が作ったアンチマテリアルライフルのひとつだよなぁ。俺意外の異世界人が銃とか広めたのかねぇ。


「……ん。木が邪魔でみえないからゴブリンをこっちに連れてきて」


そのあとセラヴィはポイズンゴブリンがいる方を指差して言った。

しょうがない。お姫様の為にポイズンゴブリンをここまで連れてくるとするか。





「せい! 」


反応がある所に突っ込むとポイズンゴブリンが二体とサーチには表示されてなかった50cmくらいの大きさの芋虫がいた。

予想だがポイズンゴブリンと重なっていて、芋虫はサーチでは表示されてなかったのかねぇ。

まぁ、欠点が見つかっただけでもよしとするか。

切り替えて、先手必勝とばかりに片方のポイズンゴブリンを斬りつける。


GYAA!?


「もういっちょ。……うわっ! 汚ねぇ! 」


ポイズンゴブリンを斬りつけると切り傷から白い血が流れる。それを確認し、次にもう片方のポイズンゴブリンを斬りつけようとしたが芋虫に糸を吐かれ、それがちょうど振りかぶろうとした右腕に当たり数歩後ろにさがってしまう。

少しビビったし。しかもネチョネチョして気持ち悪いし。取りにくいし


「無よ、彼の者を視よ、[辞書]」


芋虫を先に倒そうと思い、芋虫の弱点を見るために、辞書を使う。



NAME :大芋虫

レベル:1

職業:大きい

種族:昆虫

弱点 火

耐性 風

生命力抵抗/抵抗

マナ9/抵抗


NAME :ポイズンゴブリン

レベル:3

職業:抵抗

種族:抵抗

弱点 水

耐性 毒

生命力200/203

マナ3/3


すると昨日ロングソードを辞書で見た時と違い頭の中に本が現れた。大きさはまさしく辞書ほどのサイズがある。ページが開き、大芋虫と対象にしていないポイズンゴブリンの情報がみえた。

だが本が頭の中に現れた事によって視界が遮られてしまう。


「邪魔だ!……ぐぅ!」


左手で本を振り払おうとするが、その手は空振りしただけだった。

そして腹に衝撃が走り、後ろにふき飛ばされる。

かぶりを振り、冷静になり、辞書と念じると本が消えた。

前をみると丸まったままの大芋虫がいた。

くそっ、虫に体当たりされたのか?


「……おねがい。[闇の手・鎖の手]」


痛みにより腹を押さえていると後ろからセラヴィの声がした。

するとポイズンゴブリンと大芋虫の足元から黒い人間の手のような物体が同じ色の鎖をその手に持ってぬるっと現れ、ポイズンゴブリン達を縛っていく。


「……リュー、大丈夫? 」


セラヴィが俺に近づき、腰を曲げ視線を合わせた。

手には何も持っていないのでバレッタはアイテムボックスに入れたのだろう。

顔をみるとちょっと焦っているぽい。その顔を見るとちょっと笑ってしまう。


「なんとか」

「……ポーション飲んで」

「んぐぅ! 」


返事を返したら彼女は道具箱から青色の液体が入ってる瓶を取りだし、何故か俺の口に突っ込む。

ゴッフゴクゴクと苦しみながら飲むと腹の痛みが引いていく。

ポーションというと回復アイテムか何かか。

確か昨日ゴブリンを倒した時にポーションがあったな。青汁味かと思っていたが、飲んでみるとアクエ○アスに少し塩を足したような味がする。


「あれはなんだ? 」

「……[闇の手]の能力」

「なら銃じゃなくてあれを使えば楽じゃ? 」

「……初代と違うから維持に体力や精神を使う。あと3分」

「わかった」


あの黒い手を指差しセラヴィに聞くと彼女は自分の能力だと答えた。

時間制限があるのか。あと3分か。何か滅びの言葉を言いたくなる。

まだ腕についていた糸をとり、近くに落ちていたロングソードを立ち上がりながら拾い、未だ縛られているポイズンゴブリンと大芋虫を斬りつけて倒す。

これでどうだ?


[経験値+33

金+53

ドロップ

ポイズンゴブリンの牙×2

解毒草×1

大芋虫の触角×1

大芋虫の汚れた糸×1

薬草×1

おめでとうございます。パーティーメンバーのレベルが上がりました]



2匹? とも倒したらセラヴィのレベルが上がったらしい。


「……ねえ? 」

「なんだ? 」

「……疲れたからおんぶ」

「お前は子供か! 」

「15歳だから法律的には子供」


セラヴィは疲れたのかへなへなと座り込み両手をあげて俺に持ち上げるように言ってきたので突っ込むと、子供だとごねる。

そういえば体力と精神を使うと言っていたな。使いきると立てなくなるほど疲れるのかねぇ。精神とマナは違うのか? 頭の中にあるセラヴィのマナをみるとスッカラカンなのがよく見える


「わかったよ」


そう頷いて彼女を背負う。胸はまぁ、うん。あれだ。というか意外と軽いちゃんと食べてるのか?


「お前軽いな。そういえば銃を持つならなんで軽そうな拳銃じゃなくて重そうなアンチマテリアルライフルを選んだ? 」

「……この子ならあんまり動かなくて楽」

「そうか」

「……ん。あれが解毒草」

「あ。」


動かなくて楽ね。ならスナイパーライフル持てばいいじゃんと少し思ったがセラヴィが気に入っているのならそれでいいか

そうやって話しながら森の中を歩いているとセラヴィは地面を指差した。

そこをよく見てみるといくらか草が生えている。

そういえば依頼の事すっかり忘れてた。セラヴィを背負いながら辞書を使って解毒草かどうか確認しながら採取していく。

何房かとらずに置いておく

今日の戦いでわかった事だが辞書やサーチは確かに便利だ。サーチは探さずに敵の居場所がわかるが対象のかなり近くに他の対象があればそれはサーチには表示されなかった事。サーチで探していたら敵がひとりしかいなかったからそこに行くともうひとりいましたってことがあるので注意しなければな。辞書は道具を見るのはいけるが生物を見るときは注意しないと視界が遮られる。


「よし、採れた。帰るぞ」

「うん」






ギルドに帰ってきて受付嬢に解毒草やモンスターのドロップアイテムを渡す。

帰る途中やギルドで何人かに変な眼で見られたが関係ない。


「はい、解毒草ちょうどいただきました。そしてポイズンゴブリンを2体討伐したことで一定量の基準値をクリアしましたのでリュー様のランクをEに上げますね」

「……おめでと」

「あぁ」


ランクが上がったことを受付嬢に言われると、背中にいるセラヴィから頭を撫でられる。

くすぐったいなぁ。


「依頼の報酬金が150Gと大芋虫の触覚がひとつ10G、ポイズンゴブリンの牙がひとつ75G、虫の糸がひとつ20Gなので、計330Gです」


そして受付嬢からお金がはいった袋を渡された。


「んじゃ、帰るぞ」

「…………うん」


城に帰る事を伝えるとセラヴィは船をこぎはじめていた

どうやら背中のお姫様は眠いらしいな。

体を揺らしながら帰るか? いや止めとこ。


「……っつ!? 」


少し微笑みながらギルドから出る。その瞬間に何かを感じ鳥肌が立ってしまう。


「気のせいか」


頭を振り、寝不足による鳥肌だと思い、セラヴィを背負い直して城に戻る。






「あ、」


城門を通り城の中に入ると、先程感じた鳥肌の正体を知ってしまい思わず声が出る。


「リュー様、今までどこにいたんですか? 」


鳥肌の正体であるシルヴィが城の玄関の前で般若のような顔をして立っていた。

その後ろにはウンディーネが見張りの兵士達を洗濯機のようにして遊んでいた。

その後シルヴィが背中で寝ているセラヴィを俺の部屋で寝かせた後、昨日召喚された部屋に連れられ強制的に正座されされて丸一晩説教された。




辞書は少しチート過ぎたのでデメリットがあります。


バレッタM82改一式について


一応この小説に出てくる銃のほとんどは架空の名前にすると思います。勿論性能も架空の性能にします。

勿論ビームライフルは出したいですね(願望)

元ネタはバレ○トM82A1ですね。


昔異世界人が持っていたバレッタM82を魔改……改良したのがバレッタM82改一式です。

弾薬については後日、本編内に表記

弾数は15+1。攻撃力は400~1200ほど。重量は1.0キログラムほど。初速、射程、長さ等その他設定は元ネタと同スペックです。スコープは4×、サプレッサーはオプションとしてつけれますが2発ほどうつとサプレッサーは壊れます。


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