Episodes4 異世界人と
「ゴブリンのガラクタ20個確認しました。これで依頼は無事完了致しました。これが報酬金となっております。ご確認ください」
ゴブリンの群れを倒してレベルが上がり一悶着あったがアイテムを回収してから街に戻り、ギルドに戻った。
受付嬢の所にゴブリンを倒したことを伝えるとゴブリンのガラクタを渡すように言われたので渡す。
受付嬢はその個数を数えた後、貨幣を数枚俺に渡し、それを護衛さんから貰ったアイテムボックスの中にいれる。
ちなみに帰っていた途中で護衛さんに教えて貰ったこの世界のお金の単位は[G]らしく。1G、5G、10G、50Gが銅貨、100G、500G、1000G、5000Gが銀貨、10000G、50000Gが金貨で作られている。
そのさらに上に1000万G白金貨とかいうのがあるらしいが、それはあまり使われていないのだとか。
ちなみにこの世界にも林檎はあり、値段は1個大体100Gくらいだそうだ。
「あー、ゴブリンのガラクタがあと6個とゴブリンリーダーの古びた剣とゴブリンの耳が1個ずつあるんだが、買い取ってくれるか? 」
そのアイテムボックスから、提出していないゴブリンのガラクタと古びた剣、ゴブリンの耳が入った瓶を取り出した。
何故かゴブリンの耳は始めっからこの瓶の中にホルマリン浸けになって入っていた。
どうなってんだか。
「ゴブリンのガラクタはひとつ10G。ゴブリンリーダーの古びた剣はひとつ45G。ゴブリンの耳は1瓶600Gで換金致します。合計705Gですね。ご確認ください」
受付嬢は俺からそれらのアイテムを受け取り、他の受付嬢に渡してからカウンターの下から貨幣を取りだし俺に渡す。
それを受け取り、アイテムボックスにいれる。
「ありがとう」
「いえいえ、またおこしくださいませ」
受付嬢にお礼を言って、シルヴィ達が座っている所に戻る。
ゴブリン6体倒して林檎7個分か。それが高いのか安いのかわからないな。
「んで、次はどうすればいいんだ? 」
「さすがに王女が長時間城にいないのはまずいでござる。なので城に戻らないといけないでござる」
「だってよ、俺は一人で依頼をこなしてくるから頑張れよ」
「何を勘違いしてるのでござるか? リュー殿も城へ変えるのでござるよ」
「え? 」
そして俺は椅子に座り、次に何をするか聞くと護衛さんが城に戻ると答えた。
それを聞いた俺はシルヴィの肩を軽く叩き、軽く激励の言葉を言うが護衛さんは先程の話を訂正し俺も一緒に城に戻るように言われた。
残念だ。もう少しレベルを上げたかったのだが
「本当でござる。他国に異世界人を召喚した事を通知と、学園への手続きをしないといけないでござるよ」
「前者はなんとなくわかるが学園って? 」
「召喚される異世界人の年齢は大体12~18歳でござる。本来は向こうの世界の学園に通っている年齢でござるから聖の国が[異世界人は全員最低6ヵ月は学園に通うように]と決めたでござる。リュー殿は今何年生でござるか? 」
「誕生日が来てないから15歳だな。向こうの世界の…………学校だと10年生といえばわかるのかな」
「え? 年下? 」
学園か。というか異世界人って未成年が多いのね。
よくこの世界は異世界人によって滅ぼされないよなぁ。小説とかだと国を乗っ取ったり某無双ゲーの呂布みたいな事をするんだがなぁ。
何故かステータスの年齢欄には[16]と書かれていたが向こうの世界では15歳だ。俺の年齢を言うとシルヴィは驚いた。
「ん? どうした? 」
「今まで同い年か年上だと思ってました。だって15歳とは思えないほどの冷静な行動ばかりでしたので」
「ステータス欄には16ってあるから多分この世界ではもう誕生日を迎えているのかもな。それとこっちの世界の文化に[異世界召喚]とかいうのを題材とした創作物とかゲームとかで馴れてたからな」
「なるほどこちらの世界の」
そんなに老けてるかねぇ。
俺は向こうの世界の小説やゲームを説明すると、シルヴィは納得した。
「では、城へ帰るでござる」
護衛の言葉と共に俺達は立ち上がりギルドを出て城へと向かう。
少し気になる所はギルドというのだから人がいてもいいのだが、受付嬢3人ほどしかギルドにはいなかった所だろうか
「では、私は用事がありますので、護衛さんがリュー様の部屋に案内致しますので、護衛さんについてってください」
「あー、シルヴィ。そういえば防具買ってなかったんだけど、買いにいっていいか? 」
城の中に入るとシルヴィは一礼して政務か何かに行こうとするのを呼び止め自分が着ている高校の制服を指差す。
ついでに目を盗んでレベルを上げにいきたい。
「それは大丈夫です。城の宝物庫に鎧がありますので、それをお渡しします。それと今日はおとなしくしててください」
「わかった」
「こっちです」
鎧くれるのかありがたいな。
だが、俺の考えていたことがわかったのか釘を刺された。
そしてござる口調ではないもう一人の護衛に部屋に案内される。
「そういえばさ。俺の他に異世界人て何人いるの? 」
部屋に行く途中に気になったので護衛に質問してみた。
「はい、この大陸には15人異世界人が召喚されています。この国の近くには14人ほどいますね。まず北にある同盟国の[風の国]には、2人います。ですが、昨日召喚されたばかりなのでまだ名前と職業、性別、年齢は公開されていません。南西にある友好国の[水の国]には現在、四人います。一人目はタクト・ホウジョウ様で年齢は17、性別は男、職業は[指揮者]です。二人目はリカプリネ・カプリ様で年齢は15、性別は女、職業は[海賊]です。三人目はユウイチ・ムラタ様で年齢は15歳性別は男、職業は[大精霊使い]です。四人目はパーシヴァル・カイエン様で年齢は18、性別は男、職業は[最強剣技]です。そして西にある[聖の国]には異世界人は8人ほどいます」
「多いな」
「はい、話している間に部屋につきましたので後程異世界人の一覧を持ってきます」
「わかった」
指揮者に海賊に大精霊使いに最強剣技ねぇ。
名前からすると前者ふたりは軍に入ってたりするのかねぇ。後者ふたりはわからんが、どんな奴なのかねぇ。
そして案内された部屋に入ると、その中には人が2人ほどは寝転べそうなベッドとタンスや机、椅子などがおかれておりかなり殺風景だった。
部屋の大きさは十畳ほどかな?
床には畳が敷かれていた。
城だから高そうな調度品やらなんやら置かれてると思ったんだが、ないんだな
制服の上下を脱いで、下に着込んでたV字シャツとズボンにし、そしてベッドに寝転ぶ。
寝静まった所を見計らって外に出ようかねぇ
Episodes5[それが人生]は6月始めに投稿予定
Episodes1[異世界へ]を5/28(土)PM0:28にて文章を修正しました。
6/2(木)PM0:35
NINJA護衛の台詞の中にある
同盟国の[草の国]
は間違えでした
同盟国の[風の国]
です。修正致しました