Episodes1 異世界へ
???視点
私は今異世界人を召喚する為の準備をしている所です。
「誰が来るんでしょうか? 」
「わかりませぬな。ですが、もうそろそろ準備が完了するようですぞ」
兵士さん達が召喚の準備をしている中、私は隣にいた右大臣さんに誰が来るのか聞いて見ますが、右大臣さんはすっとぼけます。
少しうざいですね簀巻きにしましょうか?
「誰か来るか晩御飯のデザートのプリンを賭けませんか? 私は臆病な方が来ると思いますが」
「ホッホッホ。賭けですかな。ならわしは冷静な者が来ると予想しますぞ」
「準備が完了しました! 」
ふと面白いことを考えたので右大臣さんに賭けを提案しますが、右大臣さんはサンタ=サンみたいな顎髭を弄り笑いながら答えた。
そうこうしていたら槍を持った兵士さんが準備を完了した事を告げてきました。
「わかりました」
召喚の為私は魔法陣の前に来て右大臣さんはほくそ笑みながら部屋の外に出ます。
どんな方が来るんでしょうか、少し楽しみです。
「無よ、龍神よ、光よ、闇よ、今次元の扉を開けよ。そして我等が崇める十三ノ神々よ、今我等が望む者を呼べ! 【ゲート]】」
そして[次元精霊術]でのひとつである【ゲート】を唱えます。
次元精霊術とは時を歪めたり精霊を呼ぶことができます。
【ゲート】というのは次元精霊術のひとつで、ごく限られた一部の者しか使えませんが、他の世界の人をこの世界に召喚する事ができます。
デメリットとしてマナをすべて消費します。他にもおよそ15日間【ゲート】が使用できなくなります。
そして使った後は強制的にマナが0になり、マナを回復するどんな道具を使っても、どんな行動をとっても10日間は1ずつしか回復出来なくなります。
【ゲート】を唱え始めると魔法陣が光り出しますが、すぐさまに光が収まって、その魔法陣の上に誰かが意識を失ったまま座っていました。
器用ですね。座ったまま気絶しているのは。
その人がどんな人か見ます。
男性でしょうか? 歳は15,6歳と思います。 そして何故か髪の色は少しですが白いですね。瞳の色は閉じているのでわかりませんが。
異世界人は全員が闇のように黒い髪をしていると聞きましたが、召喚に失敗したのでしょうか?
他国の間者の可能性もありますので念の為身構えていると、意識が戻りましたのかその人が目を開けました。
「……っつ!? 」
その人の目は血のように赤いです。それくらいなら珍しくもなんともないのですが、その人と目が合った瞬間に何故か鳥肌がたちました。
私はその人が少しあの方と同じような雰囲気がしますので頭を下げてしまいます。
「よろしくお願いします! 」
「はい? 」
________________◇_________
リュー視点
「よろしくお願いします! 」
「はい? 」
少しばかり気絶していたのか、復帰したあと目を開けると、巫女服を着た黒髪の少女と目が合った。
巫女服とか懐かしい物を
いや、それより此所が何処なのか辺りを見渡すと回りには鎧を着込み物騒な槍や剣を持った人達がいた。
顔は兜を着けているのでわからない。
前を向き直すと、巫女服を着た黒髪の少女が何故か90度まで頭を下げていた。
最敬礼だったかな。いやそんな事はどうでもいい
「オーケー、何て言った? 」
「あ、はい。まずは私達の都合で貴方をこの世界[ゾディアックワールド]へ召喚させてしまい申し訳ありません。私は[フラム王国]通称[火の国]の第一王女シルヴィーア・フォン・クレスチャンと申します」
「あ、うん」
立ち上がって、少し落ち着くために何度か深呼吸をした後目の前で頭を下げている女性に問いかけてみると、彼女は頭を上げて喋った。
異世界召喚なのかねぇ。異世界召喚とか何処のファンタジー小説の話だよ。
まあ、俺を無理矢理? 召喚した割には謝っているっぽいから、罪悪感とかはあるって事なのかな? と頭を掻きながら少し考えていると、俺が困惑していると思ったのか彼女はまた口を開いた。
「えーと。少し長話になりますが何故異世界人を召喚したのか説明しますね。今からおよそ1年ほど前に【魔王】と名乗る者が突然現れて、元々生息していたモンスターを操って我々に攻撃をしかけたのです。
そんなモンスター達の脅威に危機を感じた各国は、古き伝承に記してあった異世界から人を召喚する能力[ゲート]によって異世界人を召喚するという事を決めたのです。何故異世界人を召喚するのを決めたのかは、その古き伝承によると異世界人は一騎当千または聖母のような力[ちーと? ]を全員が持っている、という事だそうですね。
伝承では他にも勇者、戦士、賢者、魔法使いと呼ばれた4人の異世界人がいて魔王を封印したと書かれていました。なので異世界人を召喚する事になりました。
我が[火の国]も最近になってようやく召喚の許可を貰いましたので今日貴方を召喚致しました。判りましたか? 」
「…………あっ、ああ。他にも異世界人はいるのか?」
話が長すぎて少し寝かけたが、まぁ、話はまた後で訳した物を渡されるだろう。
そして無理矢理脳を起こして、俺の他に何人異世界人がいるか聞いてみる。
「はい、今は15人もの異世界人が召喚されていますね。ですが、[勇者]という物は現れていません。 あ、職業というのはですね。私個人としての考えは我々全員が生まれついて持っている神々の恩恵と思いますね。異世界人には[じょぶ? ]と言えばわかるそうですね。 そして職業には農夫や兵士、商人など多種多様な職業が見つかっていますが、そのジョブを変えたい場合は[職業神殿]にいけば職業を変えることが出来ますね。
大丈夫ですよ!この世界には無職はいませんから!
そして次に能力について説明致しますね。主に能力は4つの種類に別れています。
1つ目はスラッシュやバーニングという剣や斧等といった武器を使い、任意で発動する能力は、近接系能力
2つ目は武器の中で弓や銃などの飛び道具を使った任意で発動する能力と他の一部の能力は、遠距離系能力
3つ目はファイヤーボールなどという属性を纏い、なおかつ世界に干渉し、私達の体内にあるマナを消費し発する能力は、魔導系能力
4つ目は不屈や身軽などといった常時発動する能力は、全自動系能力
ですね。これらの能力にはかならず属性というのがついておりまして、その種類は火や水など計14個存在していますが、まだまだ確認されていない属性もあるそうです。そして異世界人には[あびりてぃ? ]や[すきる? ]といえばわかるそうですね」
「あー、アビリティとスキルね。それらの説明なのね」
「はい、そのように思ってください。ですが、始めに言いますがこの世界の人達には魔法や貴方達が言う[ すきる? ] 等といった言葉は通じませんのでご理解ください」
「あぁ。大体分かった」
つまり、ジョブやスキルがある異世界か。大体わかった。
彼女はもう一度頭を下げたあと頷いた。
……しかし話が長い。筆記係さんお疲れさまです。
「あ! それと貴方が誰なのか教えてくれませんか? ついでに職業をお教えてください。ステータスと念じれば自身の職業がわかりますよ」
「ステータス?」
彼女の言葉に、俺は頭をかいてステータスと呟く。
そういえば彼女が長ったらしい説明してばかりで自己紹介してなかったな。自己紹介大事。古○記にもそう書いてある
そう考えていたら頭に痛みが走り、頭の中に何かが流れてきた。
NAME:リュー・ブレイヴ
レベル:1
年齢:sedecim
職業:правый глаз
種族:Different world people
ステータス
1/2ページ
生命力 112/112
マナ 72/72
STRENGTH 17
AGILITY 14
VITALITY 11
DEXTERITY 10
INTELLIGENCE 11
LUK 5
能力
片手剣
правый глаз
辞書
Different world people
氷属性
雷属性
空き
空き
空き
空き
ステータス
2/2ページ
攻撃力76
防御力70
筋力38
知能42
体力35
敏捷20
精神42
器用25
運 5
これがステータスか。というより言語を統一しろ。というかSTRENGTHと筋力とかLUKと運とかステータス被ってんぞ
というか生命力ってなんだ? これが0になると死ぬのか?
ステータスをみると一番高いのは[知能]で一番低いのは敏捷だが、これって頭良いけど脚遅いって意味なのか。50m走7.45秒だが、そんなのは関係ないのかねぇ。
【職業 [創造主]と能力[自己再生]、能力 [創造]が破損していましたので、代わりに職業[правый глаз]もとい[右目]、能力[右目]、能力[辞書]、能力[氷属性]を取得致しました。異世界へ召喚されました。なので能力[Different world people]もとい[異世界人]、能力[片手剣]、能力[雷属性]を取得致しました。種族[異世界人]なのでステータスを付与致しました。】
と考えていたら頭の中に何かが浮かび上がった。
なんだこれ? ステータスと言うとゲームみたいに自分のステータスがみえるのか。それは兎も角頭の隅に置いといて、名乗る。
「俺の名前はリュー・ブレイヴ。弱き小市民だ。それとジョブは[右目]だそうだが通じてるか?」
「右目でしょうか? それと通じてるとはどう意味ですか? 」
「勇者じゃないのか」
「失敗じゃないのか? 」
自己紹介をすると彼女は首を傾げ、部屋にいた兵士達は落胆していた。
なんだ? 何か可笑しいのか。
「どうした? 」
「すいませんが、右目という職業は聞いた事がありません、他の能力を教えてくれませんか? リュー様」
「どうした? 不満だったのか? 片手剣、右目、辞書、異世界人、氷属性、雷属性だな 」
心の中でステータスと念じてみると、ステータスが消えた。便利だなこれ。
それと不満そうな雰囲気だったので能力を全て言う。
「[片手剣]という能力は剣を数百回素振りすると覚えますね。[辞書]は、対象のステータスを見ることが出来る能力 [解析]の最上位能力で珍しい能力でもあります。[異世界人]は名前の通り異世界人にのみ持っている全自動能力で、その恩恵は取得経験値上昇・能力取得熟練度上昇 ・ステータス上昇 ・言語理解ですね。、[氷属性]、[雷属性]はその名の属性に合った魔導系能力が使えるようになります」
何か言い出したが、もう一度ステータスと念じ、能力欄を見ると説明が載っていた。
武器? の能力持ちはその能力を持っていない人より上手くその武器を扱えやすいということらしい。
辞書は周りを視ることが出来るそうだ。
異世界人の効果は経験や熟練に補正がかかるらしい。他にも言語翻訳という全ての言語を読める。ステータスの年齢の横の文字はラテン語で訳すと16だそだ。まだ誕生日きてないんだがなぁ
氷属性と雷属性はそれぞれふたつほど使えるのがあった。
[プチアイシクル]と[アイジング]、[プチライトニング]、[パラライズ]だ。後で試すか。
右目についての説明は
右目
覚醒 (60%)
としか書いてなかった。
「すいませんが、先程おっしゃった通り右目という職業は聞いたことがありません。お役にたてず申し訳ございません」
「あ、うん」
「さて! 」
彼女は何か言ってきているがめんどくさかったので頷くと、突然彼女は手を叩き、俺の手を掴んで引っ張った。
なんだ!?
「取り敢えず、丸腰だと危ないので武器を買いに行きましょうね! 」
「て、おい! いきなりなんだよ! というかどうするんだよ! 」
「大丈夫ですよ! 今お父様は世界首脳会議に出席していてこの城には居ませんから好きにできます。そして武器についてはオーダーメイドの方が強いので鍛冶師に任せるのですよ! 」
彼女早口で言って俺を引っ張って部屋を出るが後ろを振り替えると、その部屋にいた兵士達が驚きながら追いかけて来ている。
腕を引っ張られながら彼女の顔をみると外に出るのが嬉しいのか笑っていた。
お転婆姫とかどこのアリ○ナだ。
シルヴィーアの口調とかその他諸々少し違和感あるけど投稿。
それとステータス欄にある文字は英語とラテン語、ロシア語を翻訳サイトで翻訳した文字を使用しております。
5/28(土)PM0:28
以下の文を修正しました
どんなアイテムや行動をとっても10日間は1ずつしか回復出来なくなります
どんな道具を使っても、どんな行動をとっても10日間は1ずつしか回復出来なくなります
リューと同年代の村人の少年(15歳)のレベル1時の平均的なステータス
能力
農業
武具を使う能力のうちひとつ(例鎌や鎚、剣等)
属性のうちひとつ
その他能力が2つほど
空きが5つほど
筋力35
知能10
体力40
敏捷27
精神11
器用20
運15
次回Episodes2[アリスと]は5/21投稿予定