2:アドベンチャー部
第二話です。
練習の為にノリと勢いで書いてる小説なので、
クオリティの差とかの粗があると思いますが、よろちくお願いします。
・・・
私立尻甕高校、校門。
校舎は桜に囲まれ、新たな一年の始まりを彩っている。
新学期にはベストな環境だろう。
2年としてのスタートを切るという事に
胸を躍らせながら、上履きを履く。
天気は快晴!テンションもそれに伴いアゲアゲだ。
「あ、早乙女阿戸ことあどっちじゃん。おひさ~」
聞き慣れた声をかけられたので振り返ってみると、
そこには以前もクラスメイトだった
「さっちん」がいた。
「あ!さっちん久しぶりー!元気だった?」
彼女の名は「山岡幸」。
少々ぶりっ子だが、料理が上手く気配り上手だ。
「いやぁ、またあどっちと同じクラスになれて良かったね~。」
「うん!私もこれからの新学期に胸を躍らせている所だよ!」
新しいクラスで出会う人たちに期待しながら、
指定された教室へと私たちは向かった・・・
・・・・・
校舎は桜に囲まれ、新たな一年の始まりを彩っている。
一般の生徒にとっては、新学期にはベストな環境だろう。
3年としてのスタートを切るという事に
胸が詰まる思いで、上履きを履く。
天気は快晴・・・
しかし私のテンションはそれとは対照的に減少している。
廊下で、ふと誰かに肩をぶつけてしまった。
「あっ・・・すみません・・・・・」
揉め事を起こしたくないので、適当に誤りその場を去ろうとした。
しかし
「おう、おめー人にぶつかっといてそんな態度ねえんじゃねェの?」
びくっとした私は恐る恐る顔をあげてみると、
そこにはいかにも不良系のギャルっぽい女子がいた。
リーゼントっぽく跳ね上がった染めているくせ毛が特徴で
私なんかよりも身長が大きく、明らかに私に対して敵意を向けている。
・・・後から耳にした話だと、彼女の名は
「泉山京香」といい、この学校でも札付きのヤンキーらしい。
「おめー名前なんだよ。」
「あっ・・・私は・・・秋葉楓です・・・」
「アンタさ、金。持ってんだろ?ジャンプしろや。
そしてウチらに貢げよ。オタクならよくやってる事だろぉ??
『推しに貢ぐ』行為はよ。」
「あっ・・・あの・・・・・」
気が付けば、私はすでに何人かのガラの悪そうな生徒に囲まれていた。
・・・・・・・・・
私(早乙女阿戸)と山岡幸は
始業式が一通り終わった後、廊下でだべっていた。
「ねえねえ。あどっちはさぁ~。
新しく入りたい部活とかあんのー?
あどっちテニス部辞めちゃったんでしょ?」
気だるげな声でさっちんが私に問いかける。
「うん、正確にはテニス部の方は、
廃部になっちゃったんだけどね・・・」
部活動紹介のチラシが廊下に張り付けられており、
私はざっと目を通す。
様々な部活が揃っているが、
ひとつとても気になるカテゴリーを見つけたのだ。
「一番気になってるのはね・・・
この『アドベンチャー部』かなぁ・・・?
でも、活動内容が曖昧でよく分からないから、
ちょっとだけ躊躇してるんだよね。」
「えっ。あどっち、
活動内容分からない部活とか気になってんの~?」
「うーんと、後はね、
他にもバレーボール部とか水泳部とか
運動系の部活も気になってるんだけど、
私さ、漫画とか絵とか描くのも好きだから
美術部とかも考えてたんだよね。
でも、どこの部活も何か違うなあと思ってて・・・
まだ判断しきれてないんだ。」
「え~?あどっちさ、部活くらいパパッと決めちゃいなよ~。
別にさっきまで上げた候補の中でどれでもいいじゃーん。
アドベンチャー部とやら以外でさー。」
「えー。部活くらいじっくり決めなきゃじゃん!
もうちょっとだけ待って。」
「分かったー。
じゃああどっちが決めたとこにさっちんも入ろーッと。」
・・・・・・・・・・・
・・・・
「失礼します・・・こんにちは・・・」
「ああ!楓ちゃん!!久しぶりー!!!
どう?部員集まった??」
「部室」に入った私に、一人の教師が声をかける。
「あっ・・・いえ・・・ほとんど、
集まりませんでした・・・・・
何の成果も・・・得られませんでした・・・・・・」
「そっかあ・・・残念!
この部活も存続の危機かなあ・・・」
この教師は「細川真美江」。
このアドベンチャー部の顧問である。
「本当に・・・申し訳ありませんでした・・・
私が不甲斐ないばっかりに・・・・・」
「そんな!楓ちゃんが謝ること無いよ!!
まあ、確かにこの部活って一貫性もなく
ほとんど適当に活動してるから、
あんま人集まらないのも良くわかるけどね・・・」
この教師、明るく振る舞っているが、
情緒不安定でテンションの上り下りが激しく、根は私同様暗い方である。
「うーんじゃあ仕方ない!!
楓ちゃん、今から使い走りして申し訳ないんだけど、
このチラシ配ってきてくれるかな?」
『部員募集中!!!!!
アドベンチャー部で冒険に満ち溢れた最高の青春を送ろう!!!
お申し込みは職員室の細川真美江まで!!!!!
楽しいヨ☆』
・・・・・私が去年作ったチラシだ。
安っぽいフォントとカラフルな色合い、
適当に張り付けた写真とフリー素材のイラストでウケを狙っている。
今思えば相当恥ずかしい。
「あっ・・・はい・・・分かりました・・・
では、少々お待ちください・・・・・」
・・・・・・・
私は部室を出ると、丁度茶髪のポニーテールと
髪の毛を短いツインテールにまとめた2人の女子が現れた・・・
見た感じ文化系っぽいし、
こんな変な部活にも興味持ってくれるかな・・・
「あっ・・・あの・・・私、三年の秋葉楓っていうんですけど・・・
もしよかったら・・・このチラシ・・・
て・・・適当に活動しているので・・・・・よろしければ・・・・」
どうしよう・・・言葉がおぼつかない・・・・・
こんなんじゃまたこの人たちからも嫌われちゃうかな・・・・
私は何てクズなんだろう・・・・・
「えっ!!ありがとう!ちょうどアドベンチャー部気になってたんだー!」
茶髪のポニーテールの明るい女子が大きな声でチラシを受け取る。
もう一人のツインテールの女子の方はあまり乗り気じゃなさそうだ。
「え~?あどっち止めなよー。こんな変な部活。
この手の部活に集まる連中は
変な集会とかやってる犯罪者予備軍かもよー?」
さっそく私の評価が下げられてしまった・・・
今までクラスメイトからはクズだの犯罪者だの
あだ名をつけられて生きてきたが、
新学期に入ってさっそく否定されてしまった・・・・
「ありがとう!私は早乙女阿戸っていうんだ!
部活で会ったらよろしくね!」
そういうと、女子の二人組は廊下の奥へ去っていった。
何でだろう・・・私には非しかないのに、
珍しく何かうまくいった気がする・・・
・・・こんな私でも、自信もっていいのかな・・・?
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「ねえあどっちさー。本当にあそこ入る予定なの?」
「えっとさ、考えてみたんだけど、
このままずっと迷ってるのもアレかなーっと思ったんだよね。
一生は一回、思いっきり行動しなきゃ!って考えたんだ。」
「マジでー?あどっちが言うならさっちんも入ろうかな・・・」
「大丈夫大丈夫!自由に活動出来るっぽいし、きっと楽しいよ!」
そう、これが私の、私たちの壮大な(?)冒険の始まりになるとは
思ってもみなかった・・・
校舎には陽が差し込み、私たちの冒険の幕開けを照らしていた。
春、別れと出会いの季節。
早乙女阿戸の
ザ☆青春アドベンチャー、スタート!!!