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14:知ってしまった秘密

女子更衣室の中・・・

対峙する阿戸とアドレーヌ。



二人は困惑した表情を浮かべている。


「そ・・・そんな・・・・」


アドレーヌの瞳には涙が溜まっていた。


「あ、アドレーヌ、ちゃん・・・」



・・・・



競技の準備が行われる中、

阿戸とアドレーヌは更衣室の裏のベンチに座っていた。


遠くからの喧騒を気にも留めず、二人は静かに座る。


「・・・そうだったんだ・・・アドレーヌちゃん、

本当は男の子だったんだね・・・・」


「・・・ええ。・・・・・わたし、本当は男なの。

今まで皆には隠してきたんだけど・・・

わたしは本当は可愛い女の子の服で

わたしらしく過ごしていたいだけなの・・・

でも、わたしの両親はずっとわたしに男らしくしろと・・・

決して理解してくれないんだ・・・」


アドレーヌは胸を抱えて静かに語る。


「女の子の服を着て過ごしているとね、

自分がまるでお姫様になった様な気分で、

とても清々しい、美しい気持ちになるの・・・・

現実逃避しているだけなのは分かってるけど、

それでもその間は本当の自分を避けることが出来る・・・」


「そう・・・なんだ・・・

今まで・・・辛い思いをしたんだね・・・

でも、アドレーヌちゃんはそのままの、

アドレーヌちゃんのままが一番いいよ・・・

どんなに辛くても、前を向いて

自分を貫けるアドレーヌちゃん、私は尊敬するな・・・

もし私がアドレーヌちゃんと同じ立場だったら、

きっとそこまでできないな・・・・」


アドレーヌの手を握る阿戸。そして彼女の目を見つめる。


「アドレーヌちゃん・・・約束するよ。

これからもし辛くて耐えられない時があったら、

私が助けてあげるから・・・・

どうか無理しないで。」


しかし俯きながら阿戸の手を振り払うアドレーヌ。



「・・・・ごめんなさい・・・それは無理・・・

阿戸ちゃんまでわたしの事情に巻き込むようなこと・・・

わたしにはできない・・・・・


ただでさえ、女の子の姿でいる事は自分が決めた道だから、

現実から逃げて空想に浸る分も、

せめて自分の力で耐えきらなきゃいけないと思うの。


中学の時だって・・・わたし・・・・」



それだけ言うと彼女は泣きながら阿戸から離れる。


そっと振り返り、無言で見つめ合う二人。

少しの間、何とも言えない表情のアドレーヌだったが、

そのまま何も言わず阿戸から離れていった・・・


「アドレーヌちゃん・・・!!!待って・・・・!!」




・・・・・



校庭では巨大なルーレットの前に校長が立っている。



「イエ~イ!!!生徒の皆、見てる~?

まず最初に競い合う部活と最初の競技を決めちゃいましょ~。

最初の競技は~?????」



ボタンを押す校長。ルーレットが回り始める。


ジャラララララララ・・・・


バ~ン!


『サイクリング』



「サイクリングで~っす!!!!」



イエ~ィ!!!!!!


「そして最初に競う部は~!?」



ジャラララララ・・・・

バ~ン!!!


『アドベンチャー部VSサイクリング部』


うおおおおおおお~っ!!!!


「以上、この組み合わせに決定しました~!

両チーム共に全力を出し合ってちょ~!!!」


わあああああああああ~!!!!!



・・・ついに競技が始まってしまった。

まず校庭に現れたのはアドベンチャー部チームだ。



「・・・・」



気まずそうな阿戸とアドレーヌ。


「おう、阿戸。大丈夫か?

何をシケた面してんだ?まあ元気出せや。

今日は他の部活に目にもの見せてやろうぜ。」


そんな阿戸を鼓舞する京香。


「・・・うん、ありがとう。

私は大丈夫だよ、京香ちゃん。」


「ふん、くれぐれも足を引っ張らないでいただけるかしら?

もし失敗したら貴女方のせいで私たちまで

汚辱を蒙る事になりますのよ??」


そんな阿戸とアドレーヌ、そして京香を煽る水香。


「はっ、てめえみたいなアバズレの考えそうなミスは

ぜってえ犯さねぇよ。心配すんな。」


「・・・!!!な、何ですって・・・!?!?!?

そんなに言うなら、最初の競技に出てもらいますわよ!!!」


「おう、やってやるよ。指咥えて見てやがれ。お嬢様?」


「ね、ねえ・・・二人とも喧嘩は止めようよ・・・?」


煽り合う京香と水香。それを止める阿戸。


「・・・・」


楓は俯きながら黙々と競技の準備を行う。


陰の者の楓には、体育祭は最悪のイベントである。




「オラオラオラ~!!!!

サイクリング部三人衆のお通りじゃ~!!!!!!

どかんかいおどれら~!!!!!」


パラリラパラリラパラリラ~


「・・・ッ。」ビクゥッ!!!


けたたましい突然の騒音とに驚く楓。

見上げるとそこには自転車に乗った謎の三人組が!


三人は自転車を降り、アドベンチャー部員に接近する。


「おや~そこのヲタクちゃんは何ですかな~?

いかにもザコそうですぞ~???」


眼鏡をかけたガリ勉っぽい感じのチビが

卑劣そうな表情で楓をまじまじと見つめる。


「がはははははは!!!!何だコイツら!?

本当にこいつらが我等サイクリング部の相手か!?

随分軟弱そうなナヨナヨ女どもじゃねぇか!!!!

脆そうだぜ!」


ムキムキの強面で角刈りのヤンキーが

腕を組んで大笑いしながら楓達をあからさまに見下す。


「お前たち!!ちょっかいかけるのはおよし!!!

あたいらサイクリング部の実力はこれからじっくり

試合で見せつけてやろうじゃないか!!!」

ウェーブのかかったロングヘア―、マスクと長いスカート、

竹刀を携帯したいかにもスケバンっぽい感じの女子が現れる。


「おう、このへっぽこ三人組はなんだよ。」

かなたに尋ねる京香。


「ああ、極悪非道(笑)とか言う割には間が抜けてる事で名高い

悪の軍団気取りの私立尻甕高校サイクリング部だ。」


怒るスケバン女子。


「おうおうおう!へっぽこで間抜けで悪かったね!

あたいらの実力を見くびるんじゃあないよ!!」


そう言うと順番に決めポーズを決める三人。


「1年!頭脳の蓮次郎!!!」とガリ勉眼鏡の少年。


「2年!!怪力の桜!!!!」と角刈りの巨漢。


「そしてあたいが、3年!!!

この波乱万丈の世に旋風を呼ぶ!!

サイクリング部部長のツバキだよ!!!!」とスケバン女子。


ドドド~ン!!!!!


「「「我等!疾風迅雷のサイクリング部!!

別称・ローリング・スリー!!!」」」



「・・・なんかどっかで見たことがある構成の三人組だな。」


京香は呆れながら三人から距離をとる。


「ふん!

ちょっと部員が集まっているからと調子に乗りやがって、

今に見ているがいいさ!

あたいらの実力を思い知らせてやるんだよ、お前たち!!」


「「サー・イエッサー!!!」」


そう言うと三人は自転車に乗り、

スタートラインへと向かった。



「まず、第一試合はアドベンチャー部VSサイクリング部の

サイクリング試合となりま~す。」


アナウンスが流れる。



「生徒の皆~♪

これからは俺ちゃんが試合の説明と解説を行うよ~ん♡」


校長がお立ち台に立ち、マイクで試合の説明を行う。


「これから2チームからそれぞれ3人選んでもらって、

三人乗りのチャリを漕いでもらうよ~ん。

途中障害物やトラップがあるコースを乗り越えて

ゴールに最初に到着したチームが勝ちだよ~ん♡」


「聞いたかい!?お前たち!!

サイクリングはあたいらの得意科目じゃないか!

この際我々の実力を全校生徒に思い知らせてやるんだよ!!」


興奮冷めやらぬツバキ。


「しかし、部員を三人選ばねぇとならねぇんだろ?」


首をかしげる桜。


「桜殿、心配は無用ですぞ。

この部は我等三人しかいない、

超ドマイナー部活じゃあないですか。」


突っ込む蓮。


「ええい、おだまり!!!

そこにはツッコまない約束じゃないか!!!」


バシーン!!!

ハリセンを持ち出しツッコむツバキ。


「ともかく、

わが部活の運命はあたいらの手に委ねられたんだよ!

ゴタゴタ言わず、やっておしまい~!!!」


「「サー・イエッサー!!!!」」



「やれやれ、あんなチームが相手とはな・・・」

かなたは呆れていた。


「京香ちゃん、頑張って!!」


「おう、あんな素っ頓狂な三人組には負けねぇぜ!」


京香を応援する阿戸。それに応える京香。


アドベンチャー部VSサイクリング部の勝敗はいかに!?

後半へ続く。


To be continued・・・


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