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無限の塔と実力隠しの生徒達  作者: クロウサ
1章

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8/19

1.裏100層 その1

 イスカイア冒険者育成学校ではある噂話が流れていた


「ねえねえ100層の隠しフロアって知ってる?」


「あれ?100層って隠しフロアないんじゃなかったけ?」


「そうなの他の層は少なくても1つは隠しフロアは見つかってるけど100層だけは見つかってないのでも特殊な条件が揃うと現れるって噂なの」


「へー、それでその条件っていうのは?」


「それが謎なんだよね〜」


 そんな噂話を聞いていた少年がいた、彼の名はネスこの冒険者育成学校で総合順位1位の実力者である


 噂をしていた2人の女子生徒がネスに気づき近づいてきた


「ネスさんお疲れ様です!」


「もうお帰りですか?」


 彼は実力もあるがそのルックスがかなり良いため女性のファンも多くいる、彼女たちもその一人のようだ


「うん、今日の訓練はおしまいこれから帰るところだよ」


 すると前から人相の悪い生徒がやってきて、ネスが前にいるのに気づいているのか気づいていなかったのかわからないが、ネスを避けずそのまま進み、ネスが避けようとしたが少し遅く肩がぶつかってしまった


「ちっ、気をつけろよ」


「あっ、ごめんね」


 男はネスを睨みつけながらそのままその場から去っていった


「なに、あの人感じ悪い」


「ネスさんが謝ることなかったんですよ!」


 ネスを擁護する二人の女子生徒


「ありがとね、でもあの人いつも2人組で行動してる人じゃなかったけ?」


「アクラ、ワルカの2人組ですね、でも最近アクラの方が塔で死んじゃったみたいで、それで荒れてるみたいですよ、でも元々態度の悪い人ではあったみたいですけど」


「そうそう、それで相方のアクラを殺したのは、あの目立ちたがり屋のハルト君だって言ってるみたいなんです」


 名前を聞いて先ほどの男を思い出すネス、彼の名前はワルカ、よくアクラという男と一緒に行動していた男だ


「なるほどね、でもハルト君が人を殺すとは思えないけどね」


「流石に信じてる人はいないと思いますよ、目立ちたがり屋で変な人って事で有名ですけど、悪い人じゃないって言うのもみんな知ってますからね」


「そうだね、ハルト君はすごく優しい人だからね」


「でも、変にライバル視されて大変じゃないですか?」


「そんな事ないよ、ライバル視されるってことは僕の実力を認めてくれてるてことだからね」


「さすがネスさんです!器がでかい!」


「ありがとね、それじゃあ僕は行くね」


 ネスはその場を後にして2人の女子生徒と別れていった


            ◯


 ゴミを漁るカラスやネコのいる暗い路地裏、そこにワルカはいた


(クソが全てはあの野郎の、ハルトのせいだ!アイツさえ余計なことをしなければアクラは死なずに済んだんだ、そもそもなんでアイツは生き残ってアクラが死なないといけなかったんだよ!!)


 彼のいる場所は闇の仕事を請け負う者のたちの集まる暗下街、殺しの依頼や通常のルートでは手に入らないものを取り扱う者たちが集まる通りだ


 ここの存在は国自体も認知しているが必要悪として見逃されている


 そしてそんな暗下街にいるワルカの向かう先は殺しの依頼を請負う所だ


 ワルカは聞いた情報を頼りに少しボロい木でできた年季の入った建物のドアを手にし扉を開いた


 ギッシーと音を立てながら扉を開くと、目の前にはカウンターがありその奥に1人の老人が椅子に座っていた


「依頼かい?いや、そもそも依頼じゃなきゃこんな辺鄙なところに来るわけがないかい」


「殺して欲しい奴がいるんだ、あんた殺し屋なんだろなら、殺してくれるよな」


 ワルカがそう言うと老人は紙とペンを前に出す


「まずは、そこにターゲットの名前と何故依頼をするのか理由を書いてもらおう、殺し屋といっても無闇に殺しはしない、その相手が罰せられることをしているのかどうか調べてから受けるかどうかを決める」


「なら大丈夫だ、そいつは俺の相棒を殺して今は悠々自適に生きてやがる!」


 ハルトへの憎しみを募らせて、ワルカは紙にハルトの情報を書いていく

 ハルトがやったことを大きく飛躍してかき、紙だけをみたらまるでハルトが悪意を持ってアクラを囮に使い殺したかのように


「では、確認が済み相手を処すと決めたら仕事に取り掛からせてもらう」


「殺すときは、痛ぶって後悔の念を抱かせるぐらい苦痛を与えて殺してくれよ、俺の相棒を殺した最低最悪のやつなんだからな」


 髪を描き終えるとペンを乱暴に置き、ワルカは殺し屋の建物を出ていった


 老人はワルカの書いた紙を、カウンターに二つ置いてある書類カゴの右側に入れた


 ワルカが出ていってしばらくするとまた建物のドアが開いた


「たっだいまじっちゃーん!」


「これ、アミ入ってくるときは裏口からと言っておるじゃろ」


 そう言って元気よく扉を開けて建物に入ってきたのはワルカが依頼なのターゲットにしたハルトの友人でもあるアミだった


「大丈夫〜大丈夫〜ちゃんと気配遮断してるから〜」


「もしもと言うこともあるのじゃから気をつけるのじゃよ」


「それはそうと、じっちゃん確定した依頼ってある?あるならいくよ〜」


 話をすり替えるようにアミは老人に聞く


「本当にこやつは、まあ良い、先ほど調査確認が取れた依頼がある、裏もちゃんと取れておる悪党だ、アミが苦戦するような相手ではないからすぐに終わるじゃろう、そこの確定済みの依頼書類のカゴに入っておる」


「りょうかーい、ってあれ?どっのカゴだったけ、じっちゃん?」


 カウンターに置いてある書類の入っているカゴのどちらが確定済みの方か忘れてしまったアミ


「ん?左の方が確定済みの依頼じゃよ」


 そう言った老人はカウンター周りの掃除、整頓をし出している


「左だったか〜」


 そうしてアミはアミから見て左側の書類カゴから書類を取り出す


「あっ」


 アミはその書類に眼を通すと、少し考え込んだ


「どうかしたのかアミよ?」


 動きが止まっていたアミを見て老人がアミにどうしたのかと聞く


「いやいや、なんでもないよ〜じゃあ今日の深夜あたりにでも行ってくるよ〜」


「?」


 老人は疑問に思うもまあ良いかと思い、そのままカウター周りの整頓を再開した


 そしてアミは書類を持って2階の自室へと向かい仕事を決行する深夜を待った

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