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5人目

 一般人がどれだけ稼いでも到底住むことのできない豪華な部屋、その部屋にある大きなベッドに1人の少年が眠っていた

 イスカイア王国の王子ランディである


「ふぅあ〜」


 目を覚ましたランディは大きなあくびをしながらベッドから出る


 そしてランディの部屋の扉の横にメイドが立っている


「おはようございます、ランディ王子朝食のご用意ができていますので、食堂へとお越しください、それではお先に失礼致します」


「うむ、分かった」


 ランディが返事をするとメイドはランディの部屋から出て行った


 ランディは寝衣から着替え、食堂に向かう


 食堂にいるのは冒険者育成学校でランディの護衛をしているクズハが1人だけおり、そしてテーブルには普通では目にすることができなそうな肉や野菜が用意され、どれも見ただけで食欲がそそられるまさに王家の朝食といったものが並んでいた


「クズハ、今日の予定はどうなっておる?」


「はい、午前は塔についての講義を受け午後は前衛手のアタッカーの訓練になります」


「分かった」


 クズハから話を聞きながら、朝食を食べ始めるランディ


「クズハ、お前も座って食べたらどうだ?」


「いや、しかしこれはランディ様にご用意されたものなので」


 席に着いたらどうだとランディに言われたがそれをクズハは、断りその場に立ったままだ


「頭が硬いなクズハよもう少し、楽にして良いのだぞ」


「いえ、私などがそんな無礼を働くわけにはなりません」


「はぁ〜」


 ダメだなこれはとランディはため息をついた


 そして朝食を食べ終えたランディは身支度を終え、学校へ、クズハと共に向かい始めた


            ◯


 ランディが学校へと向かう最中様々な人に声をかけられる、ランディは学校への移動を徒歩で行っている

 ランディの父つまりイスカイア王国の国王は、最初は送迎の者を用意していたがランディが他の学生と同じ様にするために徒歩で通学するといったので、それを許し徒歩で通学することになったのだ

 だが流石に1人では行かせることができないのでランディと同年代の護衛、クズハと一緒に登校することが条件となっている


 当然王家のものを護衛するにはそれなりの実力が必要でありクズハは若干16歳の若さでありながらすでにs級並みの実力者である、実際の実力は護衛が主の仕事であり塔にはランディの同伴でしか登ってないので不明である


「おはようございます、王子」


「今日もお元気そうで何よりです」


 校門に入ってもやはりランディは様々な生徒に声をかけられる


「おっは〜、王子っちにクズハっち〜」


「おはよー、ランディ〜クズハ〜」


「おはようございます、王子、クズハさん」


 そうランディとクズハに挨拶をしたのはカレン、アミ、エリーの3人組だった


「うむ、おはよう、今日も3人で登校か、仲が良くて良いな」


「なになに〜ランディも私たちと一緒に登校したいの〜」


「いーじゃんそれ〜、あーしも、王子っちとクズハっちと一緒に登校したいな〜ねっクズハっち」


 クズハの方にカレンが唐突に抱きつき、クズハは反射的にそれを退けるがそのクズハの顔は赤く染まっていた


「じょ、冗談はやめてくださいカレン殿」


「え〜、冗談じゃないよー、ねぇ〜アミッち、エリっち」


 カレンはアミとエリーに投げかけると「そうだよ〜」「そうですね」と2人はクズハを見て微笑みながらそういった


「み、みなさん私をからかっておられるのですね」


「え〜、そんな事ないよ〜ホレホレ」


 そう言いながらカレンはクズハの脇腹を膝でツンツンすると、クズハの顔がより赤みがかっていく


「カレンよ、クズハをいじめるのもその辺にしといてやれ、クズハの顔が真っ赤になっておるぞ」


「ありゃ本当だ、真っ赤赤だ、やっぱりクズハって、カレンちゃんのこと好きなんだね〜」


「あーしはいつでもウェルカムだよクズハっち〜」


「な、何をいってるんですか、お、王子早く講義室に行きますよ!」


 真っ赤な顔のままクズハは早足で講義室へと向かう


「っておい、クズハ護衛対象を置いてく護衛があるか!」


 そんな、クズハをランディは追いかけて行った


「また後でねー、王子っち、クズハっち」


 先に行く2人にカレンは手を振る


「で、どうなんですかカレンさん〜、クズハさんのことを狙っているんですか〜」


 手を振るカレンにアミがニヤニヤしながら聞いてくる


「え〜、クズハっちはどっちかっていうと恋愛対象より可愛いワンコみたいな愛玩動物みたいな感じ〜」


「にやっはは、それはわかるかもしれないな、普段はキリッとしてるけどカレンちゃんにからかわれてる時のクズハって可愛いよねー」


「そーなのよアミっち話がわかるね〜」


「確かに、私もそう思うけど、カレン、からかうのは程々にしてあげなさい」


「にっひひ、は〜い」


 カレン、アミ、エリーの3人はそのまま雑談をして講義室に向かった


            ◯


「ゲートガーディアンや隠しフロアのフロアボスなどは倒されても特定の時間を経過することでまた復活をして再度挑戦が可能だ、ゲートガーディアンは倒した者が次の層に行ってから10分と決まっているが、フロアボスはまちまちで、倒してから1時間だったり1日だったりとばらつきがある」


 講師が講義内容を黒板に書き連ねていき、それをノートにまとめる生徒たち


「さて、これで本日の講義を終了とする」


 講師がそういうなり、生徒たちはノートをたたみ各々の次の予定のために動き始める


 ランディとクズハも次の実習の準備をして講義室を出て実習場へと向かった


 ランディたちが実習場につくとそこには大勢の人がいた、元々ランディとクズハが選択している前衛手、アタッカーは最も選択されているのもあるが、ランディを一目見ようと見物客も多いのが原因だ


「今日も人が多いねー」


「俺という華があるから当然だろう」


「なーにいってんだみんなランディ王子を見に来てんだろうよ」


 そんな話をしていたのはキョウヤ、ハルト、クルツの3人だった


「でもよ、ランディ王子が女だったらよかったのになー」


「え?なんで?」


「だってよ、王女をみんなでみ()()()()って言えるだろ」


 3人の間に静寂が訪れ、見物客の声がよく聞こえる


「でもよ、王子だからって最初は甘く見てたけどよく 、実際見るとよく頑張ってんのがわかるよな、なかなかいい動きだしな、まあ俺の輝きにはおとるがな」


「総合順位も20位でハルト君よりも上しね、それにクズハ君はさすが護衛者って感じだよね、総合順位は3位、実技試験においては2位だからね」


「ていうかあんだけ強いのにまだ上がいるのも驚きだな、ネスには敵わ()()()()てか」


「本当にネスさんみたいのを天才って言うんだろうね、それを追い抜こうとしてるミカエラさんも相当すごいけど」


「え〜本当にそのとおりですよね〜あの方達は実技の時にたくさんゴーレムを倒すので集計がめんどくさいんですよねー」


「!?、キリカさんいつのまに」


 会話をしていた3人の間にいつのまにかおさげのメガネの少女キリカが割って入っていた


「はいはい、みんなのアイドルキリカさんでぇーす」


 キリカがメガネに合わせてピースをする


「なんだ誰かと思ったらキリカ、君か(きりか)


「相変わらずの、クルツさんですねぇー、体が凍えそうですよー、まあまあそれは置いといて、ネスさんにミカエラさん、クズハさんですが彼らの実習の記録はなかなかの僅差なんですよね、全員レベルは100層のゴーレム、ネスさんから順に73、69、67ですね全員一撃で倒してるのであとはどれだけ早く次を倒すかの差が勝敗の結果になってますねー」


「なーに、その程度俺もいけるが、実習はどれだけ華がある倒し方をするかが大事だからな、ネスたちはそれが俺より劣っているな」


「いやいや、大事なのはレベルとそれをどれだけ倒したかですよ、それが結果になるわけなんですから〜、でもハルトさんみたいな人は実に記録が取りやすくて大助かりですよ!」


「2人ともそろそろランディ君の番になるみたいだよ」


 キリカを加えて話していると、いつのまにかランディの実習の番になっていた


 今回の実習は様々な姿と特性を持つ10体のゴーレムを倒す1対複数を想定した訓練


 ランディが剣を構えるとそのランディの前にゴーレムが現れる


 開始の合図がなると同時にゴーレムが動き出す、四足歩行のオオカミの見た目の様なゴーレムがランディに飛びかかってくるとそれをランディは躱わし剣で斬りつける

 ランディの剣で斬られたゴーレムは2つに分断されそのまま消滅する


 続けて今度は飛行型、二足歩行型、先ほどと同じく四足歩行型のゴーレムが3方向から同時に襲いかかってくると、ランディは体をゴーレムの動きに合わせて捻り着実に一体一体に斬りつけゴーレムを消滅させていく


 ゴーレムからの攻撃が終わると次は、ランディがゴーレムの方へと向かい、1体2体、3.4.5と流れる様に倒していく、そして最後の1体となったゴーレムに飛びかかり縦一直線に斬りつけ、ゴーレムが綺麗に真っ二つになり、そのまま消滅しランディの番が終了する


「うぉーー!」「流石王子!!」「カッコいい!!」などと見物客たちの様々な感性が湧き起こる


「くっ、ランディ目俺の歓声を奪いやがって」


「奪ってないから、最初からランディ君への歓声でハルト君のじゃないから」


「にしても、流石ですね総合20位なのも納得ですねー、ちなみに実技試験だけで言うと100層レベルを30体とこれは実技だけなら5位になります、ランディ王子も単純な強さだけならS級と言うことですね」


「まあいい次は俺の番だ俺が華麗に決めてみんなからの歓声を取り戻してやるぜ」


 そう意気込んだハルトだったがランディが目当てだった見物客は解散しておりハルトを見守るのはこの実習受けている者たちだけだった


「んな!?俺の輝きを見ていかないのか!!」


            ◯


「やはり体を動かすと言うのは良いなクズハ」


「そうですね定期的に動かさないと鈍ってしまいますしね」


 学校の帰りランディとクズハが会話をしている


 するとクズハが何かに気づいた


「どうかしたのかクズハ?」


「ランディ様、警戒を、この周辺から人の気配が感じられません」


 クズハの言葉の意味を理解し、納得するランディ


「出てくるが良い、こっちは気づいておるんだ、不意打ちはもうできぬのだ、どのみち襲ってくるのなら、潔く出てこい」


 ランディがそう言うと四方八方から武器を持った者達がぞろぞろと出てきた


 相手の数は20、クズハが腰に携えている剣を構える


「さて、目的はなんだ誘拐か殺害か、どちらにせよ王家の人間に手を出してるんだただじゃ済まないとわかっておるよな」


「勿論ですよ、王子ですが私も勝算があってやって来てるのです、それと目的ですが誘拐ですよ、王子には私が一生暮らしていけるだけの財を手に入れるための、人質になってもらうのですから、命までは頂きません、あくまで王子の命だけですが」


 現れた者達のリーダーらしき男がランディとクズハを挑発するように喋る


「ほう、命は取らないでくれるのか、それにやけに自信満々だが大丈夫なのか?すでに貴様の手下なのか部下なのかは何人かやられてるぞ」


 先ほどまでランディのそばにいたはずのクズハが、1、2人と斬り捨てその勢いのまま、リーダーらしき男に斬りかかる


 しかし、クズハの剣は男には届かなかった、そのかわりクズハの体には鎖が巻き付けられていた


「すごいね、驚きだよ、びっくりだよ、私の部下が何もできずに2人もやられてしまった、けど私には届かなかったみたいだね君の剣は」


 フフと不敵に笑う男


「すみません私としたことが名乗り忘れていましたね私リムゼと申します、ランディ王子は勿論あなたのこともご存じですよクズハさん」


 リムゼという男は話を続ける


「クズハさんあなた冒険者育成学校では総合3位の実力者だそうですね、素晴らしいです、ですが1位じゃない、それが何を意味するかというと、あなたは最強じゃないんです、あなたより上は存在するんです、だからあなたは今私に捉えられている、だからあなたは今から私に殺されるんです」


 リムゼがそう言うとその部下達がニヤニヤと笑っている、クズハに斬り殺された仲間などどうでも良いかのように


「ちなみにな私も昔通っていたんですよ、その時の私1位だったんですよ、今の1位のネス君でしたっけあの子が実技で倒した100層レベルのゴーレムが73でしたっけ、調べたので知っていますよ情報は大事ですからね、それで私ですが最高記録は80です、分かりますか?あなたより強いネスさんよりさらに強いと言うことです」


 クズハは現在自分が置かれている状態からリムゼの言っていることは嘘ではないと察する


「1位の状態でギルドに入ったのは良いですが思ったより稼げなくてね、私の実力に見合ってないのですよ、なので抜けさせてもらって今回の事を思いついたのです、でも安心してください王子先ほども言いましたが王子の命は取らないので」


 不敵な笑みをランディに向けてリムゼは笑う


「そうか、それで話は終わったのかすまぬが半分以上きいておらなかった」


「随分と余裕ですね、あなたの護衛が私になす術もなくやられると言うのに」


「やられる?俺の護衛が?お前ごときじゃ無理だろう」


 リムゼが、小刻みに震え始める


「ななるんじゃねーぞ!クソガキが!気絶程度で済ましてやろうと思ったが半殺しだ!!良いよな、俺をナメくさったやつにはお似合いの姿にしてやるよ!」


 リムゼが鎖を召喚し腕に巻き付けランディを殴りかかろうとする


「あれ〜、こんなところで何してんの〜?」


 すると何処かから女性の声がする


「王子っちにクズハっちじゃん、この人たちはお友達?な訳ないよね〜」


 現れたのはアミとエリーの友人のカレンであった


「あなたは、知っていますよ、知っています、王子のご学友の女性ですね、調べてますから知っていますよ、名前までは覚えてないですが」


「ちっーす、あーしはカレンだよ」


 カレンが自己紹介をする


「そうですかそんな名前でしたか、ですがあなたはどうやってここへ来たのですか?ここには認識阻害の術に万が一あなたのように迷い込む者を排除するように見張るようにしたはず」


 この場に何故カレンがいるのかと疑問を投げかけるリムゼ、その答えはすぐにカレンの口から聞かされる


「あ〜、その部下さんなら()()()が殺しましたから」


「何を言っているんだ、そんなはずがないだろう」


 カレンの言葉に呆気にとられるリムゼ、そのせいでカレンの口調が変わったことに気づいていない、そもそもカレンと付き合いのない彼には気づかないのも無理はない


「まー良いです、あなた達彼女を殺しなさい!」


「誰に言ってるのですか?」


「そんなの私の部下達にきまっ、て…」


 リムゼは気づいた自分の部下は皆すでに事切れていることに


「い、いつの間に…ありえない」


「さて、リムゼとやらよ言ったよな王家の人間を襲ったのだどうなるか分かっておるな」


「舐めるなよ!クソが!!」


 リムゼは先端が鋭利になっている鎖を、カレンに対して放つ、が鎖はカレンに届く前に光の刃にてかき消される


「ありえない!ありえない!!ありえなっっい!!!」


 錯乱して魔法を乱発するリムゼしかしどれも、カレンには届くことなく光の刃によって消滅させられる


「では終わりにしましょうか」


 そして唐突にリムゼの目の前から消えるカレン、次の瞬間リムゼの体は切り刻まれる、リムゼの後ろにいるカレンの持つナイフによって


 そしてリムゼは自分の命が尽きる最後の瞬間に分かったのだランディの護衛はクズハだけでなく本当の護衛者はこの女カレンだったのだと


「お怪我はありませんか、王子」


「うむ、俺は全く持って無傷だぞそれより、クズハの心配をしてやれ」


「クズハの傷は彼が至らないのが原因です心配する必要はありません」


「そ、その通りですカレンさん、すみません自分の失態でお手を煩わせました」


「おっしゃる通りです、あくまで私は裏方、もし私が不在の時に同じ状況になったら目も当てられません」


 そう言い放つ彼女の姿はいつもの姿と大きくかけ離れていた、しかしこれが彼女の素顔なのだろう


            ◯


 彼女は偽っている、本来の性格と大きくかけ離れた女性を演じ、本来の姿を友人に隠して、王子を守ると言う役目をまっとうしている

 誰一人寄せ付けない光の刃を操り迅速に対象を処理する、自分の主人を傷つけるものを許さずに、後悔の間を与えることなく一瞬んでこの世からその命を葬り去る光の刃、高速の斬撃で相手に苦痛を与えて殺すナイフ捌き、その二つの力を駆使して自分の主人を護る

 

 彼女は護衛である

 

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