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4人目

「ケッホ、ケッホ」


「大丈夫かルル」


 咳き込むルルをそばで支えるアレス


「おいおい!病弱女、テメェの病気がうつったらどうするんだよ!ささっと連れてけよ、ヘンテコ野郎!!」


 講義室にいた他の生徒がやじを飛ばしてくる


「なんだ貴様、我らに文句があるのなら我が相手になってやろう、しかし貴様は消し炭になるがな、我が本気を出さぬのは我に宿る闇の力を暴走させぬためなのだ」


「偉そうに訳のわからねーこと言ってるんじゃねーよ!最下位がよ!!自信がないから挑まないんだろどうせ口だけの雑魚のくせによ、それにその病弱女だって塔に行ったらすぐに死ぬだろうよ!!」


 クスクスとアレスたちに暴言を浴びせた生徒の周りから笑い声が聞こえる


「お前、本気で殺すぞ」


 …ぞく、と暴言を飛ばした生徒たちは、寒気を感じる


「や、やれるもんならやってみろよ口先だけの、ヘンテコ野郎がよ!!」


 アレスに対して殴りかかろうとしたその時


「やめよ、見苦しい、他人を嘲笑して何が面白い?」


 イスカイア王国の王子であるランディが止めに入った


「お、王子…」


「ランディ」


 ランディが止めたことが相まって、生徒はアレスに殴りかかろうとした手を下ろした


「しかしですね、王子、こんなヘンテコやろうと病弱女がテストを受けたって意味がないじゃないですか、どうせゴーレム0体で終わりですよ、一回現実を見した方がいいじゃないですか」


 必死に弁解しようとする生徒


「現実とはなんだ、学園の実技テストをどこまで本気を出すかは自由だ、気に食わないのなら無視をすれば良い、俺にはそれが理由で此奴らをバカにする理由がわからないがな」


「いや〜それに、私たち記録班からすると実技試験を適当に過ごしてくれた方が助かるっすよね〜」


 するとランディに続いてメガネをかけたおさげの少女が割って入ってきた


「いやいや、皆様ご存知記録班のキリカでーす、私たち記録班はみんなの実技記録をとらないといけないのでむしろアレスさんみたいな人がいると楽でいいんすよね、私たちそれ以外も狙撃科の実技試験とかそう言うの全部やってるんで楽は多い方がなおよし!」


「キリカよ、今はそう言うことでは、まあ良い、気に食わないのなら無視をするが良い、余計な時間を取るくらいなら、自らの力を上げるために精進せよ、俺ならそうする」


 ランディにそう言われバツが悪そうになる生徒


「っち、クソ」


 アレスに暴言を吐いた生徒はそのまま講義室から出て行った


「すまぬな、礼を言うぞランディ」


「別に礼なんていらねーよ、俺が思ったことを言ったまでだ、にしても変わらぬなアレス、さて俺らも出るとするか行くぞクズハ」


 ランディがそう言うとクズハは無言でランディの後をついていき2人は講義室を出て行った


「ごめんね、アレス私のせいで絡まれちゃって」


「気にするなルル、お前を守るのはオレの役目だからな」


「ありがとうアレス」


「だが今日は、体調がすぐれなそうだ、帰るとしよう」


 そして、アレスとルルも講義室から出て行った


 学校から出るために校門に向かってる最中アレスは門から入ってくる男に声をかけられた


「おっ、アレスじゃないか、なんだ?帰るのか?」


「貴殿は、ハルトとよくつるんでいる、確か、クルツと言ったか」


「そうか、そういやアレスとはちゃんと話したことがなかったな、お互いに総合順位ワースト1.2だ仲良くしようぜ!」


 門から入ってきたのはクルツだった、お互いに共通の友人がいるが、ちゃんと話すのはここが初めてだった


「会話は、1()()()しておかないとな」


「その通りだな、互いを知るには会話は大事だ」


「あー、シーンとなるのもアレだが、何もないかの様にされるのも、なんかー、アレだな」


 自分のダジャレを流されて少し心にダメージを受けるクルツ


「すまぬ、何か貴殿にやってしまったのか我は」


「あー、いや何でもない俺が悪い、うん、俺が悪い」


「?」


「多分、会話と、1かいわでダジャレになってる事にアレスが気付いてないことにショックを受けてるんだと思うよ、ケホッ」


「やめてルルちゃん、説明されると余計にダメージが入る」


「なるほど、そういう事だったのか」


 ルルに説明されて赤面して手で顔を隠すクルツ


「ま、まーそれは置いといて、ルルちゃんの体の調子が良くないのか?」


「その通りだ、ルルの体調が、良くなくてな」


「そっか、なら、しっかりと休んで体調をよくしないとな、なぜなら体は健康の方がいい()()()


「うむ、全くもってその通りだな我もそう思うぞ」


「あー、ちきしょう、アレか、アレスお前は天然ちゃんなんだな!」


 またもアレスにスルーされて少し悲しくなるクルツ


「アレス、体といいカラダでダジャレになってるんだよ、ケホッ、ケホッ」


「本当に、ルルちゃん説明しないで!」


 またしてもルルに説明されてクルツは恥ずかしくなり顔を手で覆う


「まー、何にしてもお大事にな、ルルちゃん、アレスもまたな」


「うむ、また時間のあるときに会話をしようぞ、次は我もダジャレに気付ける様に善処しよう」


「なんか、それは違う気がするが…まっいいか、おいじゃーな!」


 そのままクルツは学校へと向かって去って行った


「クルツか、何か不思議な男だったな」


「ふふ、アレスがそれ言うんだ、ケホッ」


「ルルだってそう思っただろ」


「うん、そうだね」


 そして、アレスとルルは校門を抜けて、家へと帰って行った


            ◯


 ルルを寝かしつけた後アレスは自分の所持金額を確認していた


(これでは後一回分の薬しか買えないな、さてとどうするか)


(塔にでも潜るか?)


(手っ取り早く稼ぐにはそれしかないよな)


 アレスは何かと心の中で会話をしていると、何処かから話し声が聞こえる


「なー、知ってるか、今レンキス酒場の前でS+の冒険者ローガンが決闘者を募集してるらしいぜ、何でもローガンに勝ったら金貨50枚だそうだぜ」


「まじか!太っ腹だな、と言いたいがローガンって言ったら対人戦最強って言われてる冒険者だろ、無理無理そんじょそこらの力自慢じゃ、相手にもならないだろうよ」


「それもそうだな、時期ssランク候補とも言われてるしな、それこそ倒せる奴がいるならそいつこそss級だな」


 そんな話を聞いてアレスは、今からの目的が決定した


「金貨50枚もあれば半年分は薬が買えるな」


            ◯


 ドォン!男が勢いよく吹き飛び壁に衝突する、そのまま意識はとび、その場に倒れる


『ショーーブアリーーー!!S+冒険者ローガン、怒涛の20連勝達成だーー!ローガンを倒して金貨50枚を手に入れるものは現れるのかー!』


 ローガンの試合を解説する男がそう言うと、長い髪を後ろで纏め、右手に包帯を巻いている、黒仮面の男が現れた


「次は我が挑戦しよう」


 黒仮面の男アレスはそう言って前に出た


『おーーーっと!次の挑戦者が現れたーー!今度の相手は何と不思議な見た目か、右手に包帯顔には吊り目の黒仮面!黒仮面さんあなたのお名前は!』


「何でも良い、好きに呼ぶが良い」


『それではそのまま黒仮面と呼びましょう!さーてローガンさん!意気込みを!』


「どんな相手だろうが俺は全力で殴り飛ばす!」


 ウォー!とローガンの意気込みを聞き観客たちは声を荒げる


『黒仮面さんあなたも、意気込みをどうぞ』


「さっさと終わらせて賞金をいただくとしよう」


 ウォー!さらに観客は声を荒げる


『それでは、21戦目ローガン対黒仮面、始めーーーー!!』


 解説の男が試合開始の合図をする


「初っ端から行くぜ!!」


 開始と同時にローガンは勢いよくアレスに殴りかかる、それをアレスは腕を十字にしてその攻撃を防ぐ


「なかなか良い攻撃をするな」


「挑戦者とは思えない態度だな、だがそう言う奴は嫌いじゃないぜ!!」


 連続で殴りかかるローガン、アレスはその攻撃を的確に躱わし続ける


「今までの奴らとはちげーな、ならギアを上げるぜ」


 そう言ってローガンは拳と拳を叩き合わせると、腕が岩で覆われ始めた


『おっとローガンがここで初めて魔法を使った、この黒仮面は今までとは違う相手の様だぞ!!』


「吹っ飛べや!!岩核殴打!!」


 先ほどまでよりも素早い動きでローガンは、アレスにへと飛びかかり岩で覆われた腕でアレスを殴り飛ばした


(浅いか!)


 ローガンに殴られ吹き飛ばされるアレス、しかしアレスはさほどダメージを受けた様には見えない


「俺の攻撃に合わせて後ろへと飛んで最小限に威力を抑えたか」


「流石に今の攻撃は我もただ防ぐだけではすまなそうだったからな」


「そりゃどうも挑戦者に褒められるとは思ってもなかったぜ」


『黒仮面!!何とローガン岩核殴打をくらってピンピンしています!』


 ウォーー!!観客の熱気がヒートアップしていく


「それじゃあこれはどうだ!まさか人にこれを使うとは思わなかったぜ!!岩龍!!」


 ローガンは、手を地面に合わせると2体の岩で出来た龍が現れて、アレスに向かって迫り来る


「黒のブラックイートダークホール!」


 岩の龍がアレスにたどり着く前にアレスが作り出した黒いモヤが岩の龍を包み込む、そして次の瞬間、その場から岩の龍の姿が跡形もなく消え去っていた


「おいおい、嘘だろ!?俺の隠し球の一つだぜ?」


『な、な、な、何と言う事でしょうか!!ローガンの岩龍が何もなかったかの様に消え去ったこれも黒仮面の仕業なんでしょうか!!』


「ふー、考えを改めようこれはお前の挑戦じゃなく俺がお前に挑戦しているてことにしよう、俺は自分が相当強いと自負している、その俺がお前を格上として認めてるんだ、てことはお前はss級並みの強さってことだ、そんなお前を倒せたら、俺は更なる高みへと昇れる」


 自分とアレスとの力の差を、ローガンは素直に認め、自分がアレスへの挑戦者として挑む気持ちに切り替えた


「相手と自分の差を感じ取ることができるとは、なかなか見る目があるな貴殿は、では今度はこちらが攻める番としよう」


 するとアレスの右腕、すなわち包帯の周りが黒い闇に覆われる


「行くぞ、防げるのなら防いでみよ」


 攻守が交代してアレスがローガンへと攻め入る


「防いでやるよ!超岩壁!!」


 ローガンの周囲に岩の壁が現れ、するとその岩の壁がローガンの目の前に集約して、超高密度の岩壁が完成する


「黒の一撃ブラックオブダークネスインパクト


 アレスの拳が岩の壁に触れる、その瞬間アレスの右腕を覆っていた黒い闇が消え去った、そして一瞬の静寂、次の瞬間岩の壁が闇へと変わり強力な衝撃波が起こる、その衝撃波は、ローガンのみへと集中し、途轍もない勢いで襲いかかる


 ローガンは今もてる全力で防ぐ、がしかし黒き衝撃は、ローガンが防ぎきることができない、ローガンは後方へと吹き飛ばされ壁と激突する、それは先ほどローガンがアレスの前の挑戦者を倒した様に


「くっそ、底がしれねぇーな…」


 そうしてローガンの意識が飛んでいく


『ショーーーーブアリーーーーー!!誰がこの結果を予想したかまさかまさかの勝者は挑戦者!!黒仮面!!!賞金は黒仮面のものだーー!!』


 アレスは賞金の金貨50枚を受け取る


「これで薬代は当分は大丈夫だな」


『黒仮面さんこれからはローガンさんの様に挑戦者を迎えうつ立場になりませんか黒仮面さんなら相当稼げますよ』


 解説の男がアレスに提案をする


「我はこの賞金さえ手に入ればそれで良い」


 アレスは誘いを断り賞金の金貨を持ってルルの待つ家へと向かって行った


            ◯


 彼は、おかしな言動により他人から嘲笑される、しかし彼は、本当に力を抑えているのだ、有り余る力を抑えている

 本来の力は優にS級を超える力を持っている、だが彼は、それを力の暴走と本来とは違うことを言って隠している、抑えきれぬ闇の力が宿っているとそう言って、しかしそれを信じるものは誰もいない

 だが彼には本当に何かが宿っている


 彼は厨二病である

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