7 裏100層 その7
イスカイア王国王城の訓練場にて兵士たちと一緒に剣術訓練をしているランディは嘆いていた
「クソー誰か助けてくれー!ルリ婆を止めてくれー!!」
理由は単純であったイスカイア王国王城での剣術指南役のルリエにしごかれていたからである
ランディはルリ婆と呼んでいるが見た目は30代半ばといったまだ若いと言ってもいいラインの見た目であるがその実態は冒険者育成学校の校長のイクタスやダブリュリン冒険者育成機関の所長であるアレクらと過去に500層まで登り詰めたメンバーの1人であり実年齢だけで言うのなら70近くの老人である
しかし育成学校の校長であるイクタスと少年の姿であるので彼らの姿はこの国の者達の謎である
「まだまだじゃよ王子カレンにもみっちりと王子をしごくように言われておりますからのう」
ルリエはカレンの師匠でもあり、カレンの今の実力は半分は彼女の教育の賜物と言ってもいい
そしてカレンはと言うと彼女はこの日護衛の仕事の休みをもらっていた、と言っても王子が城で訓練する時は、基本的その日に城から出ることがないので護衛の必要がないので半ば自動的に休みになるのである
「そ、そのカレンは今どこに行ってんだよー」
「はい、自分の腕が鈍っていないか確認をこめて100層に行ってくると仰っていました」
そう答えたのは学校での表向きの護衛として王子と行動しているクズハだった
「100層じゃあ腕が鈍っていないかの確認はできないんじゃないか、カレンの実力は別格だからな」
「無駄口叩いていないで、腕を動かすのじゃ」
剣を振る腕が止まっていたランディに木の剣で叩きつけるルリエ
「いってー!!くっそー!誰でもいいからたすけてくれー!!」
ランディは叶うはずのない心からの願いを叫ぶのであった
◯
無限の塔100層、火の間、そこにカレンとゲートガーディアンが対峙していた
火の間のゲートガーディアンは全身に炎を纏った全長3メートル程のオオトカゲである
カレンは今回の戦いでは、魔法を一切使わないと決めていた
しばらくの間カレンと炎のトカゲの牽制の睨み合いが続いたが先に炎のトカゲが動き出した
カレンに向かって地を這いながら高速で突撃してくる、そして攻撃圏内に入ったと見たのかカレンに対して飛びかかり、その巨大な尾をカレンに叩きつけるように仕掛ける
カレンは後方へと飛び攻撃を避ける、尾が叩きつけられたところでは床が抉られ粉塵が待っていた、炎のトカゲはそのまま間髪入れず口から炎の弾を吐き出した
カレンはそばにあった柱を斬り落とし、火球の道を塞ぐ、火球が柱へと衝突し爆煙が舞い、その爆煙からカレンが出てきて、攻守が交代するようにカレンが攻撃を仕掛けに出る
炎のトカゲはそれに対処しようとまた炎の弾を吐き出す、火球はカレンに向かって勢いよく向かうが、カレンも勢いを止めず前進し、火球が当たる直前スライディングをして火球と床の間を通り抜けそのまま炎のトカゲに向かっていく
炎のトカゲまでたどり着いたカレンは武器のナイフで斬りかかるが炎のトカゲは瞬時に尾でガードをする
攻撃を防がれたカレンはその場を離れ相手と距離を取る、そして炎のトカゲはナイフによって尾は斬り裂かれたが、炎のトカゲの尾はすぐに再生し元に戻っていた
「全身を切り刻まないとダメですか」
炎のトカゲは胸を大きく膨らませて広範囲に及ぶ炎のブレスを吐き出した
(魔法を使えばどうということはないですが、今回は魔法を使わないと決めていますのでこの場合は)
向かってくる広範囲の炎のブレス上にも横にも逃げ道はない
カレンは避けると言う手段を捨てて床を大きく斬りつける、そして斬りつけた床を踏み上げ床を掘り上げ壁を造り出し、炎のブレスを防いだ
炎のブレスが弱まってきたその瞬間カレンは床で造った壁を炎のトカゲへと蹴り飛ばす
炎のトカゲは向かってきた壁を尾で粉砕するそしてそのまま次の攻撃を仕掛けようとまたブレスを吐くモーションをするがそこで自分の目の前に相手がいないことに気づく
「これでおしまいです」
炎のトカゲに気づかれぬ間に後ろへと回り込んでいたカレン、そして炎のトカゲが振り向く、防ぐ間もなくカレンは武器のナイフで炎のトカゲを斬り刻む
バラバラに斬り刻まれた炎のトカゲは再生することなくその代わりに魔石となってその場から消えた
「やはりこの程度では腕試しにもならないですね、さて城へと戻りますか」
ゲートガーディアンを倒したことにより次の層へと続く扉が開きカレンは向かおうとしたが途中で足を止めた
「短い時間ですが時間いっぱいまでこのフロアを使い休むとしますか」
戦いを終えたカレンはこのフロアに滞在できる時間まで休むことにしたのだった




