神刀と幼女、町に入る
幼女視点
今日は、ジンダさんに現れるモンスターを倒してもらった。
昨日は私が倒してたから、交代ということみたい。
ジンダさんの強さは、たぶん普通。動きはお父さんより遅いくらい。
でも、いっぱしひよこはちゃんと倒せていた。全部容赦なく倒せている。
私はまだ、倒すのにいっぱい気持ちが必要なのに。
ジンダさんはもう長い間冒険者をやっているからベテランなんだろうけど、早く私もああなりたい。
英雄になるんだもん。戦いなんて、簡単にできるようになりたい。
嫌な気持ちなんかになりたくない。
「もうすぐ着くぞ。あれが町だ」
そう思っていると、ジンダさんが歩きながらそう言った。
「あれが、町?」
「ああ。ツーギの町だな。あそこでこのルギラメを換金する」
私の前に、大きな囲いが見えた。
石でできた、丸い壁。ここから見てもかなり広い。どうやら、あれが町らしい。
「大きいね」
「あまり驚かないな」
「驚いてる」
「そうか?」
「あれが人の町か。村とはまた違う様子だな」
「あの中に人がいっぱいいるの?」
「まあ、そうだな。まっすぐ行けば門がある。そこを通るぞ」
「うん」
町に近づくと、本当に人が通る用の大きな扉があった。そこに鉄の鎧を着込んだ人がいる。
「おい、お前ら、止まれ!」
その人は私達にそう言った。
「俺達は何も悪さなんかしてないぞ!」
ジンダさんがそう言う。けど眼の前の人は警戒を解かなかった。
「その女の持っている抜き身の武器はなんだ!」
「え、私?」
「む、我か」
「神刀様、お前のせいか」
「我のせいとは失礼だな。ジンダよ。だが確かに鞘がないな。これでは警戒されるのも仕方ないか」
「どうしよう、神刀様」
「安心せよ。我に任せよ」
神刀様はそう言うと、刃の部分を氷で包んだ。
「これで問題なかろう」
「おー!」
「これで納得してもらえっかな」
ジンダさんがそう言うと、鉄鎧の人は驚いた。
「ま、魔法?」
「あー、門番さん、見ての通り俺達は敵意がない。通してくれないか?」
「む、むうー。魔法使いの剣士か。まあ、もう抜き身ではないし、仕方ない。一人10タカルだ」
「こっちの少女はまだ子供だ」
「嘘だろ、チッサーナ族だろ!」
「チッサーナ族って?」
「お前は黙ってろ。だから、15タカルで通らせてもらう」
「嘘をつくな。チッサーナ族はみんなそう言うんだ!」
「嘘じゃないもん!」
「嘘見破りの石があるだろ。それで確認したらいい」
「ちっ」
鉄鎧の人は私に白い石を触らせてから、私に、私は子供です。って言わせた。
そして、15タカル払って門を通る。
「ねえ、ジンダさん。チッサーナ族って?」
「子供の姿のまま大人になる人族だ。このあたりでは珍しいが、とにかく、見た目子供が相手でも注意しろってことだ」
「ふーん」
世の中には、私くらいの見た目の人達でも大人やってる人がいるらしい。
だったら私も、しっかりしなきゃ。神刀様がいれば、大丈夫だよねっ。




