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神刀と幼女とひよこ 1

 神刀視点


 ユエナとジンダはあるき出し、村を出た。

「ジンダさん、よろしくお願いします!」

「お、ああ」

「私、村の外のこともよくわからないから」

「我からも、よろしく頼む」

「ああ。いいぜ。何から聞きたい?」

「全部!」

「はあー」

 いきなりため息を吐かれた。ユエナはまだ子供だぞ。こやつが先生で大丈夫だろうか?

「そうだな。じゃあ、まずは警戒だ。俺達は今、ルギラメの素材を運んでる。これを狙って、モンスターや盗賊なんかが現れるかもしれない。それを警戒するんだ」

「警戒。わかった!」

「それなら我がやっておく。だから今の内に役立つ知識を教えてほしい」

 我なら周囲の気配程度簡単に察知できる。よってそのようなこと、ユエナがせずとも良いのだ。

「本当か?」

「神刀を甘く見るなよ」

「じゃあ、次!」

「次は、いざとなった時の戦闘だな。お前、戦えるのか?」

「うん!」

「ジンダよ、忘れるな。ユエナはその今運んでいるモンスターを倒したのだ。戦えることは明白である」

「あ、ああ。そうだったな」

「ジンダさん、次!」

「ああ、わかったわかった。じゃあな。えっと、あれだ。町に行ったら、宿屋で泊まる必要がある。宿屋は決まって、ベッドマークの看板が下がってる」

「へー」

 ジンダはあるきながら、必要そうな知識をうんちくのように喋っていった。


「ところでお前、文字は読めるのか?」

「ううん、読めない!」

「だよなあ。冒険者ギルドでなら、文字が読めなくても受付嬢に依頼書を見せれば読んでくれる。その際に料金はかかるが。だから、読み書きができるようになるまでは冒険者ギルドを利用することだな」

「うん、わかった!」

 む。気配が1つ。

「主、ジンダ。右から気配が1つ来るぞ」

「え!」

 チリンチリーン。

 その時、ジンダの腰にある鈴が鳴った。

「どうやらそのようだな」

「ジンダ、その鈴は?」

「これはモンスターの襲撃を察知してくれる鈴だ」

「じゃあ周囲の警戒はいらぬではないか!」

「これは俺のだ、お前らはどのみちこの先必要だろうが!」

 むう、確かに。

「神刀様、来たよ!」

 どうやらユエナも敵を目にしたようだ。

 現れたのは、一羽の大きな、ひよこ?

 それがテテテテとこちらに近づいてくる。

「あれはいっぱしひよこだな。雑魚だ」

 やはりあれもモンスター扱いなのか。

「ちょうどいい。ユエナ。あいつを倒してみろ」

「うん!」

 ユエナは我をかかげた。

「いくよ、神刀様!」

「ああ、いつでもよいぞ!」

「ピー!」

 ユエナは全力で走ってモンスターを斬った。

 いっぱしひよこはそれで倒れる。

「ジンダ、倒したよ!」

「み、見えなかった」

 まあ、我を装備してパワーアップした主殿は速い。

 ジンダがその動きを目で追えなかったのは当然だろう。



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