神刀、魔法を使う
神刀視点
ユエナの父、ガムナは言った。
「実はさっき村の皆と、神刀様をどうするか話し合った」
「神刀様のこと?」
「ああ、そうだ。神刀様の力は強すぎる。もしかしたら、神刀様を狙って悪い人達が現れるかもしれない。そのもしもを回避するために、神刀様は村から出したほうが良いということになったんだ」
「そんなやつが来ても、私が神刀様でやっつける!」
「ありがとう、ユエナ」
ガムナはユエナの頭をなでる。
我にはオヤブンという父親代わりがいたが、これが親子か。感慨深い光景だ。
「けれど、もし本当に神刀様を狙う者が現れたら、その時何が起こるかわからない。最悪、今日みたいに村に大きな被害が出るかもしれない。そうしたらきっと、神刀様もいづらくなる」
「ううっ」
「だからこそ、旅をするんだ。安心しろ。明日からユエナに、旅ができるよう冒険者の心得を教えていく。旅はそれからだ」
「うん!」
「ユエナ、お前はきっとこれから、伝説の英雄と呼ばれる程の旅人になる。いろんなものを見聞きして、たくさんのことを知っていくんだ。いいな?」
「うん!」
「よし。それじゃあ飯にしよう」
「今、ご飯を作るからね」
「うん!」
どうやら、ユエナは旅に出ることになったようだ。
その原因は我というところに思うところは少しあるが、何、我がついているのだ。ガムナの言う通り、ユエナを立派な伝説の英雄にしてやろうぞ。
我の新しい主に、立派な箔をつけてやろうではないか。
その深夜。
「ぐー」
「すやすや」
「抜き足差し足忍び足」
ススーっと、扉が開く。
「よし、寝ているな」
「神刀はどこだ?」
「家の中は狭いんだ。起こさないように見つけるぞ」
「合点承知の助」
夜更けに何者かが侵入してきた。
「お、あれじゃないか?」
「よし、早く盗んでとんずらだ」
何者かが我に近づく。
その時。
「動くな」
ガムナがそう言って飛び起きた。
隣で寝ていたユエナの母、リユムもだ。
二人は即座に侵入者二人に刃をつきつける。
「なっ!」
「お前ら、起きてやがったのか!」
「仕事柄、周囲の気配には敏感なんだ」
「その声、ヤッポにジンターね。まさか本当に、こんなことをする人がいるなんて」
「待て、話せば分かる!」
「俺達は悪くねえって!」
侵入者はそう言って言い訳を始めた。
まったく、見苦しい。
「最初に言っておく」
「だ、誰だ!」
「どこからの声だ!」
「我は神刀ダイセツザン。我はユエナ以外の者に使われる気はない。もし我を狙う不埒者が現れれば、誰であろうがこうなる」
そう言って、我は自身に眠る力を使う。
ぶっちゃけ氷魔法を使い、侵入者二人の足を凍らせた。
「ぎゃあっ、足が!」
「冷たい!」
「我をただの刀とは思わぬことだな。そしてその口で喧伝するのだ。我を狙う愚か者は皆、地獄を見ると」
「神刀様、こんなこともできるのか」
「ひとまず、村長につきだしましょう」
「ま、待ってくれ、こんなはずは!」
「足が冷える、頼む、もうやめてくれ!」
「ヤッポ、ジンター。命があるだけマシだと思え。お前たちは道を踏み外した。反省しろ」
「すうー、すうー」
どうやら我が主はまだ眠っているようだ。ふふ、なかなかの大物だな。
幼女視点
朝起きたら、お父さんとお母さんと、神刀様がいた。
お父さんとお母さんは、たまにいない。だから今日は良い日。それに神刀様も一緒だから、もっと良い日!
「ユエナ。ご飯を食べた後、話がある」
「うん」
私は朝ご飯を食べた後、お父さんに言われた。
「ユエナ、すまない。新たな事情ができて、もう今日すぐに旅に出なければならなくなった」
え?
幼女の台詞が流暢なのは、単純に作者がひらがな面倒くさいからです。
それでもいいという方は高評価、ダメやんという方は低評価、いや中評価お願いします!(っておい)




