神刀と幼女、ミノタの群れに勝利する
幼女視点
気がつくと、戦いは終わってた。
だんだんモンスターの数が少なくなっていって、最後の一体を倒した時、振り向くと、少し遠くで他の冒険者や騎士達が残りのモンスターと戦っていた。
もう、生き残っているモンスターは皆倒される寸前だ。
私は落ち着くと、ふとモンスターの死体を見た。
皆、目を見開いたまま、2つに分かれてる。それが、たくさんある。
「うっ」
ちょっと気持ち悪くなったけど、耐える。こんなの、平気だ。私は英雄になるんだから、平気にならないと。
「ユエナよ、戦った感想は、どうだ?」
「うん。最高だよ、神刀様」
「そうか、それにしては顔色がすぐれないが」
「大丈夫だもん!」
「そうだな。だが、少しつかれたかもしれない。一度この場から離れて、休もう」
「うん。あ、ラルテアお姉ちゃん」
見ると、ラルテアお姉ちゃんが走ってきた!
「ユエナちゃーん!」
「お姉ちゃん、私、いっぱい倒したよ!」
私は笑顔を作ると、走ってきたラルテアお姉ちゃんにそのままの勢いで抱きしめられた。
「良かった。無事で」
「大げさだよ。このくらい平気なんだから」
「ユエナちゃんにとってはそうかもしれない。でも、私がユエナちゃんを心配したのも、本気だったんだからね!」
「うん。ごめんなさい」
叱られてる気がしたから、なんとなく謝った。
「よろしい。これからは突撃する時は一言言うこと!」
「突撃はしていいんだ」
「うん。だって、ユエナちゃんは強いって、改めてわかったから。私も流石に足を引っ張りたいわけじゃないわ。でも、絶対に無茶はダメよ。もしかなわない敵が現れた時、ちゃんと下がれること。逃げるのも勇気なんだからね?」
「うんっ」
逃げるのも勇気。たぶん、大切な言葉だ。
私は運が良かったから神刀様と出会えたけど、そうじゃなかったら、ううん、神刀様でも勝てない相手だって来るかもしれない。
その時、私はちゃんと逃げれるようにしなきゃ。
生きてないと、英雄になる意味がないから。
ちゃんと英雄になって、お父さんとお母さんのもとに帰る。そこまでが私の、本当の願いなんだから。
「お前ら、俺達の勝利だー!」
「おー!」
その時、ゼンダーおじさんがそう叫んで、宣言した。
すると、他の冒険者達も手を上げて喜ぶ。
「おー!」
ラルテアお姉ちゃんも嬉しそうに握りこぶしを天にかざした。
「おー!」
私も拳を上げる!
「うむ。良い気分だ」
神刀様も嬉しそう!
「さあ、お前ら。今すぐ自分が倒したミノタの右耳を持って来い! それと今回の報酬とは引き換えだ。右耳以外は置いとけ、持ち帰りたいなら拾ってもいいがな。今は早く帰りたいだろう。ああ、右耳は俺じゃなく素材センターで渡してもかまわん。耳を拾ったら俺の前に一列に並べ!」
「はっ、そうか。倒したら終わりじゃないんだ!」
「ええ、そうよ。ユエナちゃん、急いで耳を取っちゃいましょ!」
「うんっ。あ、でも、私が倒したモンスター、どれだろう?」
「ほとんど全部じゃないかしら?」
「安心しろ、ユエナ。我で斬ったモンスターは、皆傷口が凍っている。他の死体とは区別がつくはずだ」
「あ、本当だ! ありがとう、神刀様!」
「うむ」
「本当すごいわね。たしかにあたりが血まみれになってないわ。あ、ユエナちゃん。私は自分の分取り終わったら、そっちの耳取りも手伝うわね」
「うん。ありがとう、ラルテアお姉ちゃん!」
よし、早く耳を取っていこう!




