神刀と幼女、騎士達を翻弄する
幼女視点
「ふむ、どうやら少々ややこしくなってしまったな」
「そうよ、神刀様、やりすぎよ!」
「ど、どうしよう。神刀様」
「なに、ユエナ。臆することはない。これはむしろチャンスだ。これからこの者達に、我らの力を見せてやろう」
「ど、どうやって?」
「簡単なゲームだと思えばいい。これから寄ってくる者達の武器や兜を奪っていけばいいのだ。それなら相手も傷つけない。ユエナにも良い訓練になるだろう。そうやって相手を翻弄するのだ」
「な、なるほど、わかった!」
流石神刀様!
「そんなに上手くいくのかしら」
「この曲者が! えーい!」
覚悟を決めた直後に、騎士が槍を突いてきた!
「えい!」
このくらい、かわせる!
そして、えーい!」
「うわあ、槍が!」
私は神刀様の柄で槍の腹を思い切り叩いた!
そうすると、騎士さんは槍を持っていられず、手放した!
「そして、えーい!」
おまけに兜も取る!
まず一人!
「こ、こいつ、速い!」
「チッサーナ族だ、甘く見るな、全員でかかれ!」
「おー!」
それからすぐに、槍がいっぱい迫る!
でもそれくらいの速さだったら、回避できるもん!
「えい、えい、えーい!」
私はその後も攻撃を回避しつつ、兜を奪っては投げ、槍を叩き落とし続けた!
「そっちだ、やれー!」
「うわ、俺の兜が!」
ふっふーん。最初はちょっと驚いたけど、私と神刀様の敵じゃなかった!
騎士さん達は槍や兜を拾い直すけど、まだまだ全然余裕だもん!
私、負けないよ!
「お前ら、一旦離れろ!」
「おー!」
すると突然、騎士さん達が私から離れていった。
「?」
私はちょっと戸惑いながらも、ここは相手の出方を伺う。
すると私の前に一人だけ、強そうな鎧を着た人が歩いてきた!
「私はツーギ第3騎士団団長、モールトだ」
「私、ユエナ!」
「知っている。ズラズルーリ様から話は聞いていた。が」
モールトさんは立ち止まる。私は油断せず注目する!
「言いたいことは山程ある。が、まずは」
「まずは?」
「ズラズルーリ様を助けてほしい。あの氷は溶かすことができるのか?」
神刀様がズラさんの氷を消した。
「へ、へっくしゅん!」
あ、生きてた!
「ズラズルーリ様、こちらで暖を取ってください」
「あ、ああ。へ、へーっくしゅん!」
あの人、いったいなんだったんだろう?
「さて、それではユエナ、そして神刀殿」
「はい!」
「うむ」
「とんだ騒ぎを起こしたようだが、今は緊急事態だ。この件は今は置いておく」
「はい!」
モールトさん、良い人だ!
「だが、これ以上騒ぎを起こすな。もし次があれば、即座にここから出ていってもらう」
「であるならばだ。そちらから余計なちょっかいを起こしてくれるなよ。こちらはからまれた側、被害者だ。待遇は良くしてもらおうか」
「い、いきなり騎士さん達が来て、怖かったです!」
「ふう。ひとまず、そちらのリーダーとはもう話がついている。お前たち冒険者は我が騎士団の予備戦力として手配された者達だ。故にこちらの指示に従ってもらう。が、お前たちに直接指示を出すのはそちらのギルドからの派遣員、ゼンダーだ。よってお前達はゼンダー部隊として、モンスターと戦ってもらう」
「わかりました!」
ゼンダーさんがリーダーなのか、わかった!
「これより我らはモンスターの元へと前進する。大人しく後ろをついてこい」
「はい!」
いよいよ、緊急依頼が始まる!
「神刀様、私、頑張る!」
「うむ。その意気だ、ユエナよ!」




