神刀と幼女、緊急依頼を受ける
幼女視点
「お前ら、緊急依頼が正式に出たぞ。受けるやつはこっちにこい!」
「うにゅうー」
「ユエナちゃん、ユエナちゃん。起きて、私達も行くわよ」
「ううーん」
まだ眠いけど、頑張って起きる。
きんきゅういらい、やらなきゃ!
「ここで緊急依頼の説明をおこなう!」
皆が集まった場所は、ギルドに入ったところの広いとこ。
目をこすりながらも開けると、眼の前にはいっぱい冒険者の背中があった。
ここじゃなんにも見えないな。
「現在ここより西方面から、ミノタの群れが押し寄せてきている。数はおよそ300。その中にはミノタウも数体確認できた。そこでその群れが町に着く前に、掃討作戦を開始する。なおこの依頼にはツーギ第三騎士団も同行し、彼らの指揮下に入って動いてもらう。この緊急依頼を受ける者は受付で証をもらい、西の門外で待機せよ。いいな!」
「おー!」
冒険者達は大きな返事をしてから、まっすぐに受付に向かっていった。私はその波にさらわれないように必死だ。
「ユエナちゃん、私達も受けましょうか」
「うん」
「敵は多いみたいだけど、騎士団もいるなら危険度は低そうね。むしろ手柄を立てる方が難しいかも。ユエナちゃん、頑張ろうね!」
「うんっ」
「なに、たった300程度、我の敵とはならんものよ。さあ、大船に乗った気でいるがいい。ユエナ」
「うんっ」
「でもアイフが、その前に朝ご飯にしようって。確かに皆いっぱい並んでるものね。今酒場は空いてるし、何か食べておこっか」
「うんっ」
牛乳を飲んだら、目が覚めた!
よし。きんきゅういらい、頑張るぞ!
依頼を受けて西の門に行ったら、そこにはもういっぱい人がいた。
何より目を引くのが、同じ鎧と槍を装備した人たちだ。この人たちだけでもういっぱいいるー。
「あれが第三騎士団ね」
「騎士って、強い?」
「ええ、きっと強いわ。騎士には強い人しかなれないから。ユエナちゃん、危ない時はこの人たちの背中に隠れましょう。きっと助けてくれるわ」
「うん。でも、大丈夫!」
騎士に守られててちゃ、英雄にはなれないから!
そこで時間を待っていたら、ある時、鎧を着た人たちが何人かこっちに来た。
その人達の先頭を、なんかよわっちそうなお兄さんが歩いている。
そのお兄さんが、私の前で立ち止まってじろじろ見てきた。
「ふうん。こいつがユエナか」
「お兄さんも、騎士?」
「ふんっ。俺様はこの騎士団を従えるこの町の領主、ズラカブール子爵の息子、ズラズルーリだ!」
つまり、誰?
「?」
「小娘。お前、神刀を持っているらしいな。ほう、確かに見れば素晴らしい刀を持っている。鞘はあれだが」
「む」
カチーン。ズラズ、えっと、ズラさんの右腕が氷で包まれた。
「お、俺様の腕がああああ!」
「ズラズルーリ様!」
「何事だ!」
「おい、小童。我と主の鞘を愚弄するとは愚かな。その罪、我が氷の魔法で裁いてやろう」
「ええい、誰だ、出てこい!」
「我だ。我は神刀ダイセツザンである」
「!」
騎士の人たちは驚いた後、剣を抜いた!
「ズラズルーリ様の命を狙う賊め!」
「まさかこのような蛮行に出るとは!」
「蛮行はどちらだ。人と刀を貶しておいてタダで済むと思っている愚か者に容赦などいらぬわ!」
「なにー!」
「おのれ。せっかく俺様が、モンスター共から町を守るために、神刀を使って活躍しようと思ったのだ。だからこの氷を早く溶かせ! さもないと」
カチーン。ズラさんはそこで完全に氷の中に閉じ込められた。
「ズラズルーリ様ー!」
「ふん。どうやらお前らは吾輩を盗もうとする盗賊の類らしいな」
「し、神刀様は渡せないよ!」
私は神刀様を抱きしめる!
「うむ。そうだユエナ。もっと強く抱きしめてよいぞ」
「うん!」
ぎゅーっ!
「ああ、そこそこ。たまらん」
「神刀様、話が脱線してるよ」
「うむ。そうだな」
「おのれ、ズラズルーリ様をよくもー!」
「緊急事態、ズラズルーリ様がやられたー!」
騎士達がそう叫ぶと、いっぱい騎士たちがこっちにやって来た。
ど、どうしようっ。




