神刀と幼女、ルギーナと出会う
幼女視点
冒険者ギルドに入ると、ちょっと、ううん、かなりお酒臭かった。
なんか、変な臭い。眼の前の受付の隣には、椅子やテーブルがおいてあって、そこで何か食べたり飲んだりしている人達がいた。
えっと、たぶん。眼の前の受付に行けばいいんだよね。
私はまっすぐ歩いて、お姉さんに近づく。
すると、お姉さんは私を見て、笑顔で言った。
「ようこそ、冒険者ギルドへ。本日はどのようなご要件でしょうか?」
「えっと、冒険者になりに来ました」
「そうですか。では、申請用紙に記入事項をお書きください。字は書けますか?」
「ううん、書けないです。お姉さんに教えてもらえって」
「よろしく頼む」
神刀様がそう言うと、お姉さんは一瞬固まった。
「えっと、今の声は」
「あ、神刀様の声です」
「神、刀?」
「はい。神刀様です」
「いかにも。我は神刀ダイセツザンである」
「しょ、少々お待ち下さい!」
お姉さんはどこかへ行ってしまった。
どうしたんだろう?
少し待ってると、年上のお姉さんがやって来た。
「この子が、例の神刀の所有者?」
「そうなんですよ、どうしましょう?」
「ふうん。あなた、名前は?」
「ユエナです」
「その神刀、どうしたの?」
「我がこの地に来た時、偶然出会ったのだ。それからずっと一緒にいる」
「本当。レイハ、この子を応対室までつれてきて」
「は、はい!」
お姉さん達はそう言うと、受付のお姉さんがカウンターを越えてこちらに来た。
「あなた、ううんユエナちゃん。こっちに来て」
「はい」
どうしたんだろう?
ちょっと不安になりつつも、ついていく。
けど、きっと大丈夫だよね?
案内された小部屋のソファに座る。
対面には年上のお姉さんが座った。
「私はルギーナ。ここのギルドマスターよ」
「ギルドマスター?」
「一番偉い人っていうこと。オーケー?」
「は、はい」
「あなたにはいくつか質問に答えてもらうわ。いいかしら?」
「は、はい」
「じゃあ、まずは。あなた、この町にとどまるつもり?」
「え?」
「もしこのツーギの冒険者として長い間、いいえ、生涯活躍するつもりなら、いろいろ手を貸してあげるわ。家も、食事も、身の回りのことも、条件次第でサポートしてあげる。何か大きな活躍をしたら、貴族に推薦してもいいわ。どう?」
「どうって」
貴族って、貴族様のこと?
どうしよう。なった方が良いのかな?
「神刀様」
「ふっ、ユエナよ。困ることはない。お前は常に自分に素直でいればいいのだ。この町にいたいのなら相手の意見をのんでもいい。だが、我らはまだ旅に出たばかりだ。故に用件を後回しにしてもよい。ユエナよ、大事なのは、ユエナが何がしたいかだ」
「私が、何をしたいか」
そうだ。私は、やるべきことをやるだけだ。
私はルギーナさんをしっかり見つめた。
「ルギーナさん、私は、英雄になりたい」
「ふうん、なるほどね」
「そのための、手助けならしてほしいです。でも、私はきっと、この町だけじゃない。いろんな町や村に行って、英雄になる。それは、神刀様がいてくれればできると思うから!」
「そう、わかったわ。ひとまず、この町でいろいろ力をつけてくれる、という解釈でいいわね?」
「はい!」
「それじゃあ、次の質問。先に待遇面を軽く説明したけど、そもそもあなた、どれくらいできるのかしら?」
「えっと。ルギラメを、倒しました」
「一刀両断だったな」
私と神刀様がそう言うと、ルギーナさんの目がすうっと細くなった。
「そう。その実力、ますます見てみたいわ」
ルギーナさんがそう言って立ち上がる。
「じゃあ、今度は外に行きましょうか。あなたの実力を確かめさせてちょうだい。今から私が用意する相手と戦ってもらうわ」
「は、はい!」
戦うのか。頑張らなきゃ!




