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これは、とある会話記録である。
「ねぇー父さん!」
「なーに?」まるで子どもを宥めているように、一人の男は優しい声で返事した。
「どうしてかあさんはいなくなったの?」
「……どうしたの?急に。」
「き、きになったんだから……」
「……もしかして、誰かさんに言われた?まさか、あのオーデロという小僧か?!」
「ち、ちがうよ!あの子とかんけいないの!ただほかの……!いや……なんでもない!」
「本当か……?」
「もーう!もういい!父さんがおしえてくれないなら、村ちょうにきくもん!」
「あ、ちょっ!」
これは、とある親子の会話記録である。
2024.10.29 ほんの少し修正しました。