序
死霊術師。
これを聞くと、大体の人はこんなイメージが浮かぶ――
勝手に死者の死体を弄んで、いじって自分の助力にするとか、無理やり契約を交わせられて、自分の身を死体に守らせるとか、他に色々変なことをやらせるとか……「アンデッド」を作って、世界を荒らす人達だと。
とにかく、あまり良い印象がないヤツらだ。
しかし――
「バルードさん。あなたは……『未練』が残っている。その『未練』は、私に聞かせてもらえませんか?」黒いマントに黒い髪の――まさに死霊術師のイメージである外見――綺麗な女性が空虚な声でそう呟いた。
普通なら、色んな質問をしたいところだった……が、俺――バルードが女性の質問に正直に答えた。
「……俺は、冒険したかった。」本当は、冒険がしたかったんだ……この強い思いが胸に浮かび上がって、俺は思わずそう返答する。
俺はこの女性と出会って、死霊術師に対しての「常識」が全く違ったということは、後々やっとわかってきた。
今の俺は、スケルトンだ。
スケルトンバルード。
俺は死霊術師によって、「アンデッド」として蘇った。
10話で終わらせるつもりです。
毎話こんな長さです。
――
2024.10.29
少しストーリーを修正しました。
若干のテコ入れです。