異世界創成起伝 真プロローグ 第一話 あの人と出会う
ワイルドランナーがあの人と出会いを書きました。
長く生きてきた魔物は虚無に苛まれて最後を探していた。
人間の魂さえも喰らい糧に長寿に生きた魔物は本能のままに生きてきたが、飽きがきてしまったのだ。
その魔物は種族の限界を迎え繁殖能力も失っている上、生きる事に対する興味すら無くなって来てしまった。
実はこの魔物の種で最後まで生き残った者の最後は無気力になってそのまま息をする事さえ面倒になり終わりを迎える。
「はぁ~ 全てが詰まらないな 人間は自分の子を守る事に執着していたな 前に産んでいた子でも見に行くか」
その魔物は以前に産んでそのままにしていた自分の子供の様子を見に以前訪れた強者の森へ足を運んだ。
長寿で生き残った魔物なので、それなりに強い魔物だったりする。
ただ、絶対強者ではないので地域ボスに敵わないのから慎ましく生きてきた。
その為、その魔物は人間に変化して人間生活圏で暮らしていく術を身に着けていたり、上げられるレベルもMAXにしていたり、できる事をやっていた。
その魔物種はワイルドランナーと言って女性の人間に変化して人間の男性を誘惑して隙をついて肉体と魂を喰らい吸収分解して、そのエネルギーで200個くらいの卵を産卵し数を増やしていく生物なのだ。
変化していな時は馬くらいの大きさで二足歩行のオオトカゲが元の姿している。
ただ、一定の年齢が来るとなぜだが繫殖能力が失われて人間を喰らっても吸収分解しかできなくなってしまう。
驚異の繫殖力を持っている為、発生した地域では人間の生存率が低くなり繁殖能力をもつワイルドランナーは人間界で討伐成功した者は認められ多くの名誉と称号を貰えるようだ。
ただ、ワイルドランナーの潜伏能力が高いので討伐には困難を極めていた。
しかも幼体のワイルドランナーはランナーと言われて集団生活し200くらいの数で人間の村や他生物に襲い掛かる。
幼体と言っても強さは人間の成人男性に匹敵する力をもっている。
産まれた幼体がそのまま集団になっているため、繫殖能力を持ったワイルドランナーは絶対に仕留めないと危険なのだ。
ワイルドランナーは人間の姿のままでいる事がいいので、一度人間に変化したら基本は変えずに過ごしている。
しかも、ワイルドランナー自体もそれなりに強くて鉛のライフル弾を受けた患部は高い自己再生のもっていて腕がちぎれても直ぐに生えてくるだけでなく、相手の特殊なスキルをコピーすることができる。
ただし、一度みたり接触するのが条件だが自分のレベル以下の相手なら何度でもスキルをコピーしつかえる。
ワイルドランナーの個体ではコピーしたスキルを複数もつ個体もいた。
そんな強いワイルドランナーは稀で基本は一体につき一つしかコピーを維持できない事がほとんどだ。
この我が子を見に行ってるワイルドランナーもそのほとんどの方である。
「襲われいる我が子を見て私は心が動くだろうか… 確認出来たら上々だな」
そんなこんなでこのワイルドランナーは我が子を産んだ強者の森へ到着し面白い光景を目にした。
我が子を達は健在で数人の冒険者が我が子たちを討伐しようとしている。
しかし、どう見ても冒険者たちが劣勢でなぜこんな討伐に挑んだのか謎である。
通常はランナー討伐でも国が動いて騎士こと戦闘狂集団が動くハズなのだ、森の入り口にも注意喚起の看板や国がココにワイルドランナーやランナーの生息は確認させていたので、腕に自信が無い限り挑まないが、この数人の冒険者たちは挑んでいったということになる。
「姫様!援護魔法を下さい!私の聖剣で一帯を焼き払います!」
一人の冒険者が女性の冒険者に援護を求める会話を始めた。
身なりをよく見ると町にいる冒険者とはちがって小奇麗で装備も豪華さを見るに王族以上の身分が挑んでいるみたいだ。
冒険者たちに向かって複数の大人女性の姿をした魔物が一斉に聖剣をもってる男性に襲い掛かる。
そこに豪華な弓を持った女性が弓を弾き襲い掛かる大人女性を一掃した。
そう冒険者を襲っている大人女性がランナー達である。
「こいつら強いぞ!一旦引くぞ!」
一匹のランナーが仲間に呼びかけて退却を促す。
「させるか!これで一掃する!」
一人の男性冒険者が剣を振りかざし大きな斬撃が発生しランナーたちに襲い掛かる。
多くの女性の響き声が広がる一帯は正に地獄とかした。
それでも横たわるランナーは数体で多くを取り逃がした。
「くっ 詰めが甘かった次こそ仕留める」
今にも追撃を掛けようとして剣士の腕を握って矢を放った女性冒険者が止めた。
「ロレンス!一旦体制を整えましょう 無理して追撃したら危険よ」
「姫様… かしこまりました」
冒険者集団は一旦足を止めて休憩を兼ねて装備を整え始めた。
ちょっと面白そうと思ったワイルドランナーはこの冒険者の後をつける。
「おい!マリオ 疲れたぞ ポーションよこせ」
「はい!オースティン伯爵様 ただいま」
先ほどの聖剣持ちの男性が弓持ち女性冒険者の付き人に話をかけた。
この付き人は中々に良い動きをしていた。
先ほどの戦闘でも女性冒険者2名を守るため、持っていたライフル銃で守っていて撃退数も実は多く剣士の援護に集中させる中核だった。
このパーティは4名で男性2名女性2名の組み合わせだ。
「伯爵様 わたしの援護と強化魔法はいかがでしたか」
「良いわけがないだろうが 取り逃がしたんだからな しっかり仕事してくれ」
「かしこまりました」
そして、剣士の付き人兼魔法使いがいる。
「直ぐにランナーを追います 姫様追撃のご命令を」
「そうでな では皆の者 行くぞ」
「「「は!」」」
早々に追撃を開始した冒険者たち、姫様の付き人がすべての荷物を手に取りマジックボックスへ納め追いかける。
ワイルドランナーは姫様の付き人をみて献身的な姿をみて興味が湧いてきた。
ワイルドランナーみたいな強敵にはライフル銃は有効ではない、仕留めきれないだけでなく見切られるからだ。
実際に強敵に出会ったら魔法が付与されてる弾丸を使うか魔剣や魔矢が有効だが、使う者のレベルが低いと弾丸も矢も反動や発動条件が揃わず発揮されない欠点がある。
しかし、ゴブリンなどの普通魔物ならライフル銃で退ける程度はできる。
そう退けるだけなら問題が無いが、魔物特有の回復力で復活されてしまうのだ。
だからあの付き人の仕事は、剣士の攻撃を援護や強化する姫様と魔法使いの時間稼ぎとしての役割しかないのだ。
ちなみに国の飼ってる騎士こと戦闘狂集団も猛者過ぎてライフル弾丸を剣で容易に弾きかえす猛者なので全員漏れなく聖剣使いが相場である。
このパーティは姫様と剣士が焦るの表情を見せてる。
「姫様 明日の学校卒業までに冒険者として称号を得れば王位継承権と私との縁談の話を進める突破口になるのはホントですか?」
「ロレンス お父様がランナー集団撲滅とワイルドランナーさえ仕留めた称号さえ手に入れれば功績を認めて私たちの味方すると約束して下さいました 大丈夫 国を支える騎士の上に立つ者として必要な試練ともお父様は言ってました」
「しかし 今回の討伐は騎士が対処するレベルです 学生冒険者が難しいのでは?」
「伯爵のロレンスと私が結婚するにはどうしても功績が必要です 金策ではなく力を見せないと皆を納得させれないともお父様は言ってました 伯爵の家督を継いでも公爵家や侯爵家の皆が納得させる圧倒的な才能があると思わせるのが必要なのですよロレンス」
「かしこまりました このロレンス・オースティンが必ずやランナー集団討伐またはワイルドランナー討伐をしてみせます」
この冒険者たちは今回の討伐に大分思い重いがあるようだ。
ワイルドランナーはこの冒険者がランナーたちの術中にハマっている事に気づいた。
冒険者たちは知らぬ間に強者の森奥に行ってしまってる。
そして、ランナー達も高い隠密性をもっていて囲まれていた。
最早いつ襲われてもおかしくない状況で彼ら冒険者はランナーを見つけられてないのだ。
「くそ! 見失った! 魔法使いラリウ! 索敵魔法を使え」
「はい! もうやってます! 見つかりません」
それもそのはずランナーたちは土中や木の上に待機してる。
しかも魔法使いのレベルが低くて索敵範囲も小さく面でした確認が取れない、彼らはライナーたちの計画的な撤退行動で誘いこまれてしまったのだ。
本来討伐に行く騎士こと戦闘狂集団はレベルも高い魔法使いも所属してる。
彼ら冒険者は功績に焦って自分たちの力量を超えた討伐に挑んでしまったのだ。
ワイルドランナーはこの状況を見て彼らの敗北を確信した。
最後どうなるか見届ける事にした。
そして、一匹のライナーがライフルで狙撃を開始した。
突然の銃声が響き気付いたら魔法使いに命中し絶命した。
「ラリウ!? なんで魔物がライフルを持ってるんだ!? 敵はどこだ!?」
直ぐに冒険者たちは物陰に隠れてた。
「人間たちから奪った武器でしょ! もっててもおかしくない さっきの銃声で位置を特定したから今から狙撃する」
姫様は物陰に隠れながら弓を弾き魔力を込め始めた。
構えた矢は神々しくも光って物陰ごと撃ちぬき一直線上に光の柱が発生し物陰に隠れていたライフル持ちのランナーを撃破した。
それに驚いた他ライナーも姿を現し次々と姫様は撃ち抜いていった。
剣士は近くに現れたランナーたちに応戦していた。
姫様の付き人は近接から襲ってくるランナーをライフルで応戦していった。
「姫様! もう応戦すると弾薬と銃のバレルが持ちません! 限界です!」
「なんとか持ちこたえなさい! 私の魔力もあと数発分しかない ロレンス!あなたは?」
「ランナーたちの装備が思いのほか良すぎて切り切れない! 聖剣がもう持たない!」
冒険者たちの物資や魔力が底をつき始める。
ランナーは生きた状態で冒険者たちを捕える事により状態の良い肉体にありつけるだけでなく魂もおいしく頂こうとしているのだ。
ライナーたちは一斉に距離をとり冒険者中心に円を組みじりじりと距離を詰めてきた。
姫様は突破口を開こうと弓を弾くするとランナーたちは一斉に盾を構えた。
姫様の付き人があることに気づき姫様に伝える。
「姫様! 雷属性の魔法を防ぐ属性盾です! まずいです!」
「なに! わたしの属性を見破っただけでなく属性盾まであるのか!?」
「わたしのライフルではあの盾を破壊することは無理です! 打つ手無しです」
「ロレンス! 貴方の聖剣であれを………」
姫様はロレンスの聖剣を見て絶句した。
「申し訳ございません 聖剣は折れて力を失いました」
絶体絶命の冒険者たちの様子をみて一匹のランナーが冒険者たち声をかけてきた。
「どうも君たちはこの国のお姫様ご一行とみられる 条件次第ではこの場を逃してやる 死にたくないだろ?」
姫様が首を縦に振るのを確認したランナーは条件を言ってきた。
「一人の生贄とそこに転がっている死体をそのまま貰えればこの場を収めよう どうする?」
姫様は有無も言わずに付き人を突き出した。
「姫様の為ならこの命… 」
「ふふ なんと安い条件なのかしら これで十分かな?」
「ああ十分だ 今道を開けたそこを真っすぐ進めば町だ行け」
「あばよマリオ 俺たちのいくぜ」
ほっとした姫様とロレンスはランナーたちが開けた道を真っ直ぐに進んでいった。
姫様の付き人だったマリオは崩れ落ちて絶望の様を見せた。
命のかけて守ったが安い条件と言われて最後に言葉もかけてくれなかった事にショック受けていた。
するとランナー達がゲラゲラと笑い出し会話をし出した
「あいつら馬鹿だな 向こうは数体のワイルドランナーがいるんだぜ しかもレベル50越えもいるんだ 騎士たちもレベル30くらいなのにさぁ 生きて帰ってこれないぞギャハハハハ!」
「しかもそのレベル50越えのワイルドランナーは魔法特性もあってコピー枠も3つもってる猛者だしな あたしらランナー相手に苦戦した人間が敵うハズも無いからね」
「あいつらいい供物になったかしら これで数も増えて騎士こと戦闘狂集団が来ても太刀打ちできるしね 一石二鳥!」
「国の奴に近づいたら姫様を強者の森へそそのかすから消してくれって頼まれたけど この国ヤバない? どんだけ王位継承権が大事なんだろうね」
「アハハ! 国から言われた仕事も終わってココの安堵してくれるかはわからないケド 弱みを握っているしいくらでもヤリようある 」
森奥から姫様とロレンスの悲鳴が聞こえて瞬く間に消えてった。
「一瞬だったようね 姫様の遺品回収しに行きますか」
「いや別に行かなくてよくない この生贄が持ってるマジックバックあされば何か出てくると思うし そこに姫様の弓がありまっせ ついでに折れた聖剣も」
「そうね あたしらだって生きて帰ってこれるかわからないしね じゃあみんなで戦利品を分けるから集まって」
視線がマリオに集まった。
「あたし脳みそ貰いたい!」
「だめよ脳みそはまだ喋れない子に上げるの 今回あなたは特別に心臓あげるね」
「ちょっと待って 次あたしが心臓のだったはずよ」
「あんたもう脳も心臓も食べたんだから今回は腕で我慢しなさい」
「はーいい」
先ほど姫様に交渉していたランナーが仕切って戦利品の割り振りをしている。
最早マリオにとって地獄そのものだった。
その仕切っていたランナーがマリオに近づきいてきた。
「生贄さん あたしね実はワイルドランナーなの 完全統率のスキルをコピーしてライナーたちを統率して貴方たちを罠に嵌めたの あなたの魂はどんな味がするか楽しみね ふふふ 頂きます」
「そうかそれは良い事聞いた 助かるよ」
マリオの目の前にいたワイルドランナーの頭が吹き飛んで消えた。
ずっと隠れてマリオ一行を追っていたワイルドランナーが出てきた。
「おまえ何者だ! まさかワイルドランナーか!」
「わが子たちよ 一応お前たちの母だ この姫様に献身的な人間に興味があってな貰い受けるぞ」
「させるか!我々の獲物だぞ そいつワイルドランナーでもレベル30程度だ 強くない勝てる」
一斉に襲い掛かるが統率が失われた組織の攻撃は大した事もなく、動きもバラバラで味方撃ちも発生している。
そんな状況では強魔物と言われているワイルドランナーの敵ではなかった。
「そこの頭の吹っ飛んだワイルドランナーが隙を見せなかったら私は負けていた 逃げるなら追わない この子は貰っていく それじゃ バイバイ わが子供たち」
マリオはワイルドランナーに担がれて強者の森を出た。
ワイルドランナーはマリオを地面に放り投げた。
「痛い! 」
ついでに姫様の荷物とマリオのマジックバックもマリオの目の前に投げ出した。
「なんでコレを!? 姫様が常につけていたブレスレット 血がついてる… 」
「ああこれ 食べられている隙をついて取ってきた あの姫様は亡くなった 魂も食べられたから蘇生もできない あなたにお願いごとしたくて交渉材料としもってきたの」
「なんで姫様を助けてくれなかったんだ!? 」
「え? 興味ないから それに私の求めてるモノは彼女になかったからよ それにあなたも伯爵の心配をしていない事と一緒よ」
「あ… 」
「まずは国に今回の事を報告しないとね 行くよ」
またマリオを担ぎ始めるワイルドランナーは国の城に向けて全力疾走し始めた。
「あんたらの足だと一か月はかかるから私の足で一気に行くよ」
「どのくらいでいけます?」
「走り続けて3日」
「飲まず食わずですか?」
「まぁ食べる必要がないからね」
「私が死んでしまうので食事休憩ください」
「貴方が死ぬのは困る 一日3回くらいは止まるね」
「どうして止まるんですか?」
「なに?急に止まって欲しい言っといて変な事言うね」
「そりゃそうです なんで私は生かされてるんですか?」
「興味が湧いたの」
「興味?なににですか?」
「なんで他人にあそこまで献身的?いやちがうな姫様を愛していたのかが知りたくなった」
「な!… なんでそれを知りたいんですか?」
「私の虚無感を埋めてくれるのをかも知れないと思っただけ あなたと暮らせばもしかしたら理解できるかも知れないと思ってね あなたと交渉(強制)しようよ考えていた」
「それを拒んだら」
「食べます」
「拒否権がありませんね それ交渉じゃないです」
「え…そうかな…」
他愛もない話を交えながら王国の都市へと5日かけてついた。
王国浄化に着いて直ぐに王様へ… とは行けず身分の差もあり文官へ報告した。
ちなみにマリオは宦官でわりと王族に近づく事ができた。
そこで対応してくれたのは王女様にに会うことになった。
「王女様 姫様を守り切れませんでした こちら遺品になります」
「マリオ 骨は見つかったの?」
「いえ 全てを食らおうワイルドランナーには骨も残りません 信じて貰えませんが私を救ってくた友人が命からがら拾ってきた遺品です」
「そう じゃあオースティン伯爵は」
「こちらが遺品です」
「コレは国宝級の聖剣じゃない 彼がもってたの? 」
「はい ロレンス・オースティン伯爵は商売が上手だったので その財で買った聖剣です」
「そう… オースティン伯爵の爵位と財は家督を譲った父にもどるのかしら?」
「わかりません」
「そうわかった 国王様にはあなたから伝えなさい 執務室にいるから行きなさい」
「かしこまりました 失礼します」
マリオは王女様の執務室を後にした。
「マリオよ 王女も割と薄情だな こんなもんか?」
「静かにワイルドランナー いくら何でも変化できるからと言って喋ったらおかしいでしょ」
「安心しろ 私がしゃべりかけている時は気配がない時だけだ」
「ホントかよ この前も門番突破も大変だったじゃないか 今は城の中だから静かにしてね」
ワイルドランナーがマリオが殺されるかも知れないと思い衣服に変化している。
大変なのはコレからだ、王様に謁見するにはランクや人によって対応が違う。
先ず、一般市民は謁見の広場でしか王様の顔を拝むことができないくて陳情や意見申し立ては村長から市長から領土を統治している貴族様から王室実務書記官から王様へ行く流れとなる。
コレが文官や宦官は執務質書記官に申し立て内容を言って緊急性のある時のみ身体検査をして申し立てができる。
だが、騎士団長や執行長官や宰相だったり一部特殊な人たちはいきなり王様の執務室へ入っていってる。
ちなみにいきなり入っていってる人たちは王様に怒られながら「悪い悪い」といって事を済ましている。
王女様も使いを出して報告をさせてる、ベットの上で報告するそうだと姫様から聞いている。
だが今回の件は王妃から報告を上がっても良い件ではと思いつつ王の執務室の前に着いた。
執務室の前に立っている者に王女様から許可を得ている旨を伝え王様のいる執務室に入った。
「此度の件は文官から聞いているぞ お前からの報告も聞かせてくれ」
「かしこまりました。此度のワイルドランナーまたランナー集団討伐は仕組まれたものにより姫様は亡くなられてしまいました」
「そうか 魔物に娘を討つように依頼してたのか」
「はいそうです」
「で なぜお前だけが生き残ったのだ」
「私も友人に助けられ… 」
王は私の首元に剣を刺し向けた。
「それで娘の無念を少しでも晴らしたく生きてココに裏切者がいると伝えてきたのか 自らの無実も証明するためのでっち上げ虚偽か わたしに嘘が通じると思っているのか?真実を見極めるスキルをもつ私の前でか?」
「なんですかそのスキル!?」
「嘘をついているかどうかを見極める事ができる 今お前は私に隠している事があるな」
「はぁいいい!ワイルドランナーに助けられました」
「お前は魔物と結託して娘を死地に追い込んだのか」
「ちがいます!」
「… 」
王は剣を収めた。
「で お前を助けたワイルドランナーを私のところへ連れてこられるか」
「あ はいでは直ぐに ワイルドランナー出てきてくれ」
衣服に変化していたワイルドランナーがいつもの女性姿になった。
「おおお!今すぐとは言ってないぞ」
「あ すみません もどしますか?」
「もうよい ワイルドランナーごときに遅れをとる私ではない はぁお前を殺からスキルを教えて
しまったから纏めて殺すつもりで言ったが お前の言ってる事が真実である時点で罷免で済ませるのが通例だ どうしようかな」
マリオは黙ってそこに立っていた王様は語りかける。
「少なくとも今は私の国家秘密をしっている以上、死ぬまで牢獄かな?どうしようかな」
マリオが口を開いた。
「結局私は姫様をお守りできなかった事実はかわりません いかような処分も謹んでお請けいたします」
王様は困った顔をして返答をする。
「… これも嘘じゃないから困るんだよね ホントどうしようかな めんどくせー」
マリオは険しい顔をして王様に注意をする。
「王様 だんだん崩れ落ちて来てます」
なぜだか王様は少し笑って返答する。
「お前だけだよそんな注意してくるのは 娘に悪いからって… 」
急にお姫様に関するやり取りをして思い出し亡くなった娘の事を思いだし王様は大粒の涙を流し泣き崩れた。
きっと後悔しているのだろう。
娘に無理難題を突き付けて気に入らない成金男から諦めさせる為の嘘が娘を死地に追い込む隙を与えてしまった事に際限のない後悔の波が王様を襲っているのだろう。
その悲しみの空気をぶち壊すかのようにワイルドランナーが突然しゃべり出す。
「その泣き顔 思い出しだ 強者の森に来た鼻たれ小僧か」
突然ことで王様はポカーンとするのをお構いなくワイルドランナーが話を続けた。
「そのあとはメキメキと強くなって私とは違うワイルドランナーを討ち取っていたのを思い出したよ」
王様も思い出したかのようで答えた。
「私の初戦ワイルドランナーかああああああ!」
「そういえば スキルがショボすぎてコピーすらしなかったな 思い出した 絶対に戦闘職に向いてないと思ったね」
「ここにも私の秘密をしる者がいるとは切り捨ててやる!」
王様は抜刀しワイルドランナーに襲い掛かるが同時に王は急に動かなくなり顔面蒼白だ。
「マリオ ポーションないか?多分コレギックリ腰だぞ あの鼻たれ小僧も年ですな」
王様は次に顔を赤面し何もできないままマリオの持っていたポーションを飲んだ。
少し楽になった王はある提案をしてきた。
「お前たちに提案がある それは… 」
内容を聞いたマリオとワイルドランナーは大人しく地下牢獄へと入っていた。
地下牢獄生活は長くて入ってから3週間以上は経過した。
「なげー私はどんな処分を受けるんですかね監獄官さん」
「しらん 姫様を救えなかった罪は重いだろう」
ありがたい事に様子見に来る監獄官が栄養のある食事と衛生に気を使ってくれて病気も無く健康に過ごせていた。
「姫様を見殺しにしておめおめと生き残った愚か者をなぜ生かしておく理由がわからん しかも環境が随分と良い 王様の心中わからんな」
「あ! 今王様の事を侮辱したな!」
「なわけがないだろ きっと私なんかが想像つかない死よりも重い罪が待ったいるだろう 戦々恐々としてな」
こんな他愛もない会話をして過ごしていた。
ちなみにワイルドランナーは囚人服に変身していて姿を隠してる。
「しかし マリオよ怪しまれないものかね ずっと同じ服を着続けているのに汚れも擦れもしない事を変だとわからんかね」
「ワイルドランナーさん あなたに24時間着続けてられている上に服から喋り語られる私の身にもなってください トイレすらまともに行ってないんですよ 体も洗ってないんですよ」
「気にするな 私が全て消化吸収してあげてるから問題ないでしょ 何か不都合でも不健康になってますか?」
「私のプライバシーは無いんですか メンタル状態が不安定になります」
「マリオさん ずっとそれ言ってますが私には変化がわかりません もうちょっと続けてみて観察させてください」
地下牢獄に入ってからはこんな感じに過ごしていて徹底した健康管理のもとマリオたちは過ごしていた。
ワイルドランナーは元々雑食性が強いだけでなく何でも消化吸収分解できる最強ごみ処理な一面もある。
劣悪環境に強くて変幻自在なワイルドランナーを仕留めるは容易でないことは簡単に想像がつくが、ここまで変形ができるのは弱い分類に入るワイルドランナーだった為に鍛えてきたと語ってくれた。
「まぁワイルドランナーがいてくれたおかげで命助かった訳だし しばらく私のカラダを預けますよ」
「それが今は一番だ わたしもなぜだがマリオくっついてると落ち着くんだ この感情は初めてだ ありがとう」
「それはどうも それで喜んで貰えるなら今はいいか ちょっと気持ち悪いケド」
そんな他愛もない会話していたがマリオに緊張が走る。
「マリオさん そろそろでは無いか」
「ああ 例の件だな そろそろだな」
「噂をすれば…来たな 」
地下牢獄へと降りてくる足音が聞こえてきた。
いつもくる監獄官の足音ではない別の人の足音が地下牢獄へ向けて近づいてきたことも分かった。
「おいマリオ なんでお前生き残ったんだ 話が違うぞ」
そこに現れたのは死んだはずのロレンス・オースティン伯爵だった。
「なぜ伯爵様が生きてるんですか 私はてっきり姫様と一緒に亡くなったかと思ってました いや違うか元伯爵様でしたか ロレンス」
「質問に質問を返してくるとはマリオは失敬だな死刑だな」
ロレンスは懐に持っていた拳銃を手に取りマリオに3発腹部に向けて発砲した。
「コレでてめぇは終わりだ レベルが低いお前は拳銃で十分殺せるだろ よし!コレで国内戦争を起こして稼ぐぜ! 儲けを考えるだけで笑いが止まらねぇぜ!」
ロレンスは地下牢獄を後した。
「うっ ワイルドランナーが受け止めたと言っても普通に衝撃きてたんですが 激痛だ」
「安心しろ 多少の内蔵破壊が有ってもそこにある優秀なハイポーション飲めば治るだろ」
マリオは予め用意されていたポーションを飲んで回復し一命を取り留めた。
しかし、マリオは苦しんでいたそんな苦しんでるマリオをよそにワイルドランナーが話かける。
「しっかし王様の予想はすごいな ロレンスは黒だってマリオは気付いていてか?」
「うぅ… 単に嫌いだったがわからなかった」
今回、マリオたちが地下牢獄へ入っていったのは姫様暗殺を企てた人間の炙り出しの為だった。
マリオの生存を聞いた黒幕たちは企てを知ってるかもしれない人間を抹殺に動くと睨み罠を張ったのだ。
今回の件でマリオの役目は終わり地下牢獄から釈放されるかと思いきや王女様が現れた。
「表をあげろ マリオ」
「は!」
マリオが顔を上げ王女様の顔を見て言葉を失った。
そこにあるのは目を赤く晴らした王女様の姿だった。
「お前が囮になったおかげで事件の全容がわかりました お伝えします」
王女様から聞いた話によると公爵家が国家転覆を図り自分たちの言いなりになる貴族を残して抹殺し国の支配を目論んでいたことがわかった。
王様の一人娘が無くなれば王位継承権が自分たちに回ってくる可能性があり混乱に乗じて実行を計画していたが、実行役の武器屋ロレンスが捕まり王様の特殊スキルで事実か炙り出しされて露呈してしまった。
ちなみにロレンスは分霊箱を用意して蘇生で生き返ってきて姿を武器屋に移し今回の計画で儲けを企んでいたようだ。
「マリオ 話は以上です」
「はい 教えて下さりありがとうございます」
「マリオ 私はお前が憎い… 」
「はい… 」
「娘の付き人でありながら守らなかった憎い 一緒に果てなかった事も憎い」
「はい… 」
「よって私はあなたを許しません 私はあなたを殺したい」
「はい… 」
「でもこの思いはあなたを殺しても無くならない だから殺しません」
「では私は何を… 」
「コレをもって平民として生きていきなさい」
そこに置かれたのは現金と王印ついた短剣だった。
「今回の処分は懲戒免職ではなく王宮から都合で止めて頂く解雇です 最後のあなたの活躍は王も評価してます しかし娘の事を思うと王宮に置いとく訳には行きません 慎ましく暮らして幾分には足る現金はあるはずです それと国の風習に基づき刃物を送りマリオとの縁切りとさせてもらいます 身分も宦官だったことすら無かったことになり あなたはこれより去勢した平民男性です」
言い終わった王女様は足早に牢から離れた。
「そういばロレンスに拳銃で撃たれたのよね なんであなたは生きてるのかしら そこの用意したのは劣化ポーションで撃たれえた傷は癒せないケドどうしてかしら」
去り際に王女様は捨て台詞言って姿を消した。
マリオたちも地下牢獄を出て王城をあとにした。
「しかしあの王女様は狸だな 最初は薄情化と思ったけど娘思いだったんだな」
「もともと王女様は娘思いだよ だから私は姫様の為だったら王様の注意をするようにと王女様から言われてたんだ」
「そうなのか… 最初なんであんなに淡々していたのか」
「王女様はあの時怒りを抑えていたんだ 私や犯人たちに向けた怒りを抑える為に感情を殺していたんだよ」
「なんだか人間の感情は複雑だな まだ理解できんな」
「しかしワイルドランナーもなんで国の為の動きをしてくれたんだ? 」
「ああマリオの為だよ 強者の森から逃げてたらマリオは間違いなく犯人扱いされて国から追われる身になっていた それと一緒に暮らしていくのは辛いからね 一か八かだったけど優秀な王様で助かった」
「そうなんだ… 」
「それじゃあまだ服のままでよいか? 」
「いい加減に開放してくれ このままだと高台から飛び降りそうだ」
「わかった この安心感は良かったんだけどね 仕方がない 人型に戻るよ」
こうしてマリオたちは王都を去った。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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