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その他・雑学など(その4)

私のエッセイ~第百三十六弾:芥川龍之介考

 皆さん、おはようございます。 ご機嫌いかがですか・・・?


 私こと、サファイアの涙はですね・・・こうして朝早くから「新作」を書いておるわけですが・・・実は、今週は「有休消化」で金曜まで休みなんですヨ。


 持病の「糖尿病」「高血圧」のこともあり、いままで、その貴重な「有休」を取っておきましたのでね・・・。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 さて・・・今朝は、この話題。


 そう。


 皆様もよくご存じの大文豪・・・『芥川龍之介』先生について。


 ご案内のように、芥川は、歴史を題材とした短編を数多く書いておりまして・・・私の大好きな『鼻』『羅生門らしょうもん』『芋粥いもがゆ』『蜘蛛くもの糸』『杜子春とししゅん』といった作品の他に、『ひょっとこ』『仙人』『トロッコ』といった、非常に独特で魅力あふれる短編も残してくれました。


 特に、作品『杜子春とししゅん』でのラストシーン前の場面で、息子『杜子春とししゅん』の幸せだけを願いながら、ムチで打たれ続ける両親の「馬」の、彼を想う「愛の大きさ」に気づいた『杜子春とししゅん』が、「老人の戒め」も忘れて転ぶように走り寄り、両手に馬の半死のくびを抱いて、はらはらと涙を落としながら、「お母さん・・・」と叫ぶシーンは・・・涙なしでは読むことが出来ませんよね・・・。


 ちなみにですね・・・「青空文庫 芥川龍之介 杜子春」で検索すれば、スマホでも無料ですぐに読むことが出来ますので、ぜひ・・・。 m(_ _)m


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 さて・・・このエッセイの「本題」に移ります。


 「芥川龍之介」の作品は、それこそ星の数ほどの出版物で読むことが出来ますが・・・私が「イチオシ」したいのが・・・『角川文庫クラシックス 羅生門・鼻・芋粥』であります。初版は・・・平成元年四月十日です。


 この文庫の中には、先に挙げました『羅生門』『鼻』『芋粥』の有名作品以外にも・・・『老年』『仙人』『ひょっとこ』『孤独地獄』といった優れた短編も、けっこう収録されていますね。


 しかし、私がこの文庫をオススメしたい最大の理由・・・それは、巻末の「解説」が非常に優れているからです。


 では・・・「抜粋」という形ではありますが、それらを以下に紹介していきますネ。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 【芥川龍之介---人と作品より抜粋】:著者:吉田精一


 ・・・龍之介は、明治25年(1892年)、東京都京橋区(現在の中央区)『入船町いりふねちょう』に、新原敏三の長男として生まれた。


 出生してまもなく母が発狂したため、母の実家である本所区ほんじょく(現在の墨田区すみだく))小泉町の芥川家に養われ、のち正式に養子となって芥川姓を名のることになった。


 母の発狂は、晩年の龍之介に、その遺伝についてふかいおそれを感じさせ、ついに自殺へ導いた理由の一つであった・・・(中略)


 彼を文壇におし出した出世作は、大正五年(1916年)に第四次『新思潮しんしちょう』の創刊号にのせた「鼻」だった。


 師夏目漱石から激賞された短篇たんぺんで、「今昔物語こんじゃくものがたり」に題材をとった歴史小説である。(中略)


 「羅生門」においては、生きるために各人各様かくじんかくようにもたざるを得ぬエゴイズムと、善にも悪にも徹し得ぬ不安定な人間の姿をあばき、「鼻」では、他人の不幸を喜ぶ傍観者ぼうかんしゃ利己主義りこしゅぎと、他人の眼に映る自分の姿に始終しじゅう注意をひかれて、自分を生かし得ない人間の弱さをするどくついている。


 いずれにせよ人間の孤独と、人生のわびしさが、彼の全作品を通じて追求したものであった。


 しかし、その手法、形式、表現、文体、材料は、前人未到ぜんじんみとうのものがあって、くふうをこらし、人の意表いひょうに出ることにつとめた。(中略)


 「彼はついに彼固有の傑作けっさくをもたなかった。 ---彼のいかなる傑作の中にも、前世紀の傑作の影が落ちている。」と堀辰雄ほりたつお(芥川龍之介論)はいう。


 彼の作品は、ことに歴史小説は、半ばは彼の学才がくさいの産物であった。


 しかしふつうの学者には不可能な、詩人のみのもつ発見の才能が、その中に多くの生活と人間を模索もさくし、自家の創造物となし得たのである。


 材料を実生活に得ずして、書物や歴史に得たのは、必ずしもその作家の弱点とはいえない。


 むしろ発見の才能をたたえるべきだろう。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ではここで・・・上記で述べられている『堀辰雄』氏について、以下、私も触れてみます。


 下記は、ネットから頂いてきました、堀と芥川の関係を示す・・・短いですが、良い資料です。


 『堀辰雄は1923年(大正12年)の10月に、 室生犀星むろうさいせい から 芥川龍之介 を紹介されて以来、芥川を師として慕い、芥川の滞在していた 軽井沢 にも行っていたが、そこで芥川の恋人であった 片山広子 (筆名: 松村みね子 )の家族とも交流を持つこととなり、芥川と片山広子の恋愛も知っていた 。 その芥川が突然、1927年(昭和2年)7月24日に自殺したことは、堀にとって大きな衝撃であった。』


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ・・・では最後に、その堀さんが、自身の敬愛する、亡き芥川氏を詳細に分析した「論説」を紹介します。


 この中で堀さんは、自らが愛する芥川氏の各作品についての細かい・・・本当に精緻な分析でもって、「志賀直哉しがなおや」氏や、「谷崎潤一郎たにざきじゅんいちろう」氏との、芥川氏との関係、生前の芥川氏本人の、両氏に対する思い・葛藤といった事柄まで、「これでもか!」というくらい、それこそ「なめるように」書かれていますね。


 では、紹介しますが・・・非常に難解な部分も正直ありますので、そういった部分に差しかかりましたら・・・どうか無理はなさらず、ある程度の「飛ばし読み」をしながら、興味をひかれた箇所を「拾い読み」されてもよろしいのではないかと思います。(AMAZONの真下あたりに、『堀辰雄 芥川龍之介論 ――藝術家としての彼を論ず――』という見出しの、無料で読める資料が出てきますので、よかったら・・・。)


 ここまで目を通してくださいまして、ありがとうございました。


 m(_ _)m


 『芥川龍之介論

――藝術家としての彼を論ず――

堀辰雄』 

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