教えてアリアちゃん! 第6回『見える! 知覚の話』
第6回!
「『教えてアリアちゃん!』。今回は元気ですね、アリア様」
だって見て、アネット。制服よ!
裸でも、ブルマでも、スクール水着でもなく、ちゃんと制服なのよ!
「苦労なされてきたのですね……ですが、その……」
どうしたの、アネット?
「裾が短いので、そんなにクルクル回られては、下着が丸見えですよ?」
――――っっっ!!!?
「さて、今回は知覚の話です。この後の話で何度か出てくる内容なので、私共と一緒に、予習をしていきましょう。アリア様、大丈夫ですか?」
え、ええ、ありがとうアネット。
知覚……私達人類は、基本的には五感ね。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。
「先ほどアリア様の下着を知覚したのは、視覚ですね」
その話しなきゃだめっ!?
「ファンタジー特有のものとして、魔力に対する知覚もありますね。体外に出た分だけですが、集中すれば、魔力を捉えるとこができます」
魔術の発動前後は、特に見やすいわね。精霊や獣霊は特に、この知覚に優れているわ。
慣れていないと、他の知覚、特に視覚を遮断しないとぼやけちゃうけど。
撃った後の魔術にも魔力は宿っているから、私達は、それこそ『目を瞑っていても避けられる』の。
「そして、精霊、獣霊、そして闇人も若干備えている、霊子知覚ですね」
霊子力……この世界のどこにでもあり、全ての物質が持つ謎の力。
私達はこれを介して、本当に周囲の全てを把握することができるわ。
「壁なども透過して見えるのでしたね」
ええ、そうよ。
でも、これは魔力知覚よりももっと難しくて、ちゃんと訓練していないと、凄く狭い範囲しか見えないの。
私は、目を瞑って集中しても、半径2mが限界よ。
「それでも、強力な知覚です。服を透過して見ることも、出来るのでしょうか?」
……アネットって、そうゆう発想するわよね。
できるわ。基本的に『服』という文化のない精霊にはあまり意味ないけれど、男性の獣霊が近くにいたら、要注意よ。
獣霊の感性は、基本的に獣人と一緒だから。
「リーザ様には、決して近づかせないように致します」
他には『直感』もあるけれど……これは本当に謎の知覚ね。
何となく危ないのがわかる、って言う曖昧なもので、私も何度か覚えはあるけれど、なんでわかるのか、まったくわからないの。
気のせいだったこともあるし。
「これは確か、獣人が特に敏感に感じ取るのでしたね」
ええ、だから私は知覚てんこ盛りよ。
でも、情けないのだけれど、多すぎて使いこなせてはいないわ。
「能力が多くても『それだけで強い』というわけではない、ということですね」
ええ、ちゃんと自分のものにして使いこなさないと、振り回されて、逆に邪魔になってしまうの。
アネットも気をつけてね。
「お気遣い、ありがとうございます」
じゃあ、今回はここまで。
「またお会いしましょう」
……比較的、平和に終わってよかったわ。