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教えてアリアちゃん! 第2回『魔法あれそれ』

※前回を忘れた人のために。


 アリアちゃんは変身の真っ最中でした。


 あ……あ……あ……。



「お、ここが噂の『教えてアリアちゃ』うおわああぁぁぁっっ!!?」



 ここここここっち見ないでえええええぇぇぇっっ!!


「裸!? なんで!? まだ着替え中だった!?」


 着替え中は、着替え中はなんだけど……変身中に呼び出さないでよ……!!

 グランツマン君、絶対こっち見ちゃだめだからね!? 絶対よ!?


「精一杯――」


 絶っっ!! 対っっ!!


「はい」



 ふぅぅぅ……このタイミング、絶対狙ったわね……?

 さっさと進めて、終わりにするわよ……!


「お、おう……今回の『教えてアリアちゃん!』は、魔法についてだな」


 ええ、魔法が霊子力を利用した――こっち映さないでっっっ!!!


 声だけっ! 私は声だけ拾って! いいわね!?

 あぁ……もう……!



 今回は、大陸で使われる魔法について、説明していくわ……本当に映してないでしょうね?


「最初は『魔術』かな」


 え、ええ、そうね。

 魔術は、魔法と聞いて一番イメージがしやすい、手から火や水を出したり、傷を直したりするアレよ。


「ホント、『The.魔法』だな。俺は使えないけど」


 そっちについても、後で説明しましょ。

 そうゆう感じで、魔術は一般的なものではあるのだけれど、謎も多い技術なの。


「人間の脳で、魔力を火や水、土とかに変えるのは、かなり無理があるんだっけ?」


 そう、制御が複雑すぎて、本当は無理なはずなの。

 だから、人類全体の集合意識……だったかしら。そこと自分の意識を繋げて、処理をさせている、って学者さん達は言っているわね。


「で、その集合意識との接続ができないのが、俺みたいに『持たざる者(ノービス)』だな」


 完全に蔑称よね。


 『持たざる』なんて言い方をしているせいで、魔力が無いって誤解する人も多いけれど、実際に使えないのは魔術だけ。

 他の魔法に類する技術は使えるわ。


「まぁ、昔は『魔法=魔術』だったからな。迫害も凄かったらしいぞ。今は魔導が発展して、先進国ならかなり暮らしやすくなってる」


 そうね、とてもいいことだと思うわ。

 じゃあ、次はその『魔導』で。


「なんか、裸にも慣れてきた感じか?」


 いいいいい言わないでよっっっ!!! 必死に考えないようにしてるんだからっ!

 こらっ、こっち見ようとしない!


「残念。魔導は、所謂『マジックアイテム』的な技術だな。霊子力や魔力を、特定の形に流すと、それだけで効果が出ることに注目して、道具にその形『術式』を刻んで、誰でも魔力を込めるだけで、一定の結果が得られるようにしたんだ」


 もう……しれっと説明続けてるし……!

 送り込む魔力量とかも、ある程度調節してくれるのよね。


「ああ。おかげで俺達ノービスでも、簡単に魔術の真似事ができるようになった」


 魔導は霊子力でも使えるから、ちゃんと準備をすれば、ずっと動かし続けたり、人間の魔力では不可能な、大きな力を使うこともできるの。

 例えば、街の街灯や下水の浄化施設には、霊子力が使われているわ。


「そっちはもう、読者のみんなは電気みたいなもんだと、思ってくれ」


 言っちゃった……そうゆう発言はここだけよ?

 確かに、発電所や電線みたいな設備もあるけれど……。


「電線は地下に埋まってるタイプな。さて、そんな便利な魔導だけど……魔力を一定のルールに沿って動かすだけだから、こう考える奴が出てくる」



『ノービスでも、生身で使えるんじゃね?』



 ……それで、できちゃったのよね。


「できちゃった。それが『錬金術』だ」


 グランツマン君がさっき、私……の……ブ……ブルマ……を……ひっぐ……。


「はい休憩! 一旦休憩入れます!」




※アリアちゃんが泣き止むまで、しばらくお待ちください。




 ぐすっ……ごめんなさい、もう大丈夫よ。


「アリアはなるべく、頭空っぽにしていこうな? アリアが言いかけた通り、さっき俺が水出してたのが、その錬金術なんだが……」


 大した水量や勢いじゃなかったのに、凄く消耗していたわね。


「ああ。錬金術は魔導。魔導は化学であり、科学だ。水を生み出すにも、色々な知識が必要で、それを術式一つ一つに当てはめていくから、とにかく必要な集中力がヤバい。魔術みたいな使い方は、常人にはできないと思ってくれ」


(ちなみに俺がさっき出した水の量は、アリアが『出しちゃった』量の7割くらいだ)


 自分の専門分野に関わる術なら、結構ちゃんと使えるみた……何を考えているのかしら?


「なにも。最後はまだ名前が出てないけど、実は俺がもう使ってる『生体魔法』だ」


 話を逸らしたわね……?


 まったく……生体魔法は、基本的に体内に作用する魔法ね。

 体調を整えたり、毒物を駆除したり、治癒力を高めたり。身体強化も使えるけれど……。


「そっちは、大体の奴が魔術でやるな。生体魔法の方が質はいいんだが、魔術と生体魔法、両方鍛えないといけなくなるから」


 私も身体強化は魔術の方ね。生体魔法は、ノービスや近接戦闘に特化した人用って印象よ。

 そう言えば、さっきグランツマン君の体が光ってたのも、生体魔法?


「まあ、それで合ってる。因みに、体全体光ってるのが生体魔法で、アシュレイの鎖をバキバキやったのは、生体魔法と錬金術の合わせ技の、攻撃魔法擬きだ」


 なんかあっさり凄いことやってる!?


「ふっ、どうよ……と、魔法の説明はこんなところか。アリアも早く、服着たいだろうし」


 うっ……そうなんだけど、だから……意識させないでっ! こっちを映すのもだめっ!



 え? 隠しカメラで、ずっと、映して――




 嫌ああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!?!?



「次回もお楽しみにー」


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