教えてアリアちゃん! 第1回『魔力と霊子力』
え? ここ、どこ?
私、高等部の校舎にいたはずなのに……。
あ、文字が……これを読めばいいの?
えーと――
『ここは、本編で語りきれなかった設定について、私、アリアや他の登場人物が説明するコーナーです』
『ここで起こったことは、本編にはまったく影響はありませし、登場人物達も覚えていません』
――と。
なるほど、それでこんな所に連れてこられたのね。
まぁ、説明をするのはいいのだけれど……本編の状態を、そのまま持ってこなくても、いいと思うの。
私、体育着のままだし、それに……その……んっ……な、何でもないわ。
べ、別に、もじもじなんて、してないからっ!
ほら、何か説明するんでしょ!?
早くっ……ああぁぁ……早く、終わらせるわよ……!
すぅぅっ……はぁぁっ…………よしっ……!
今回は初めてってことで、基本的なところの、『魔力』と『霊子力』についてね。
……よかった、早めに終わりそうね。これなら、我慢できそう……え!? う、ううん、何でもないわ。
『霊子力』は、この世界全体に満ちている力。
『全ての始まりにして、還る存在』なんて言われているけれど……どんなものにでも姿を変える、便利なエネルギーだと思っていて。
私達の世界には、この霊子力を使う技術が色々あるの。
全部ひっくるめて『魔法』って呼ばれているけど、長くなるから、これはまた別の機会ね。
え? 今説明してもいい?
や、その、長くなるから……い、意地の悪いことを言わないでっ……!
あぁぁっ……せっかく落ち着いていたのに……っ。
えと、あっ、そう、次は『魔力』について……あぁぁっ……ね、ねえ、これも次じゃだめ?
だめ、よね……んっ!
『魔力』は、霊子力と似ているけれど、少し性質が違うの。
私達人類、それと魔獣は大気中の霊子力を取り込んで、自分達に使いやすい形に変換、蓄積することができるの。
この、『使いやすい形』にした霊子力を、魔力と呼んでいるわ。
魔力は自分の意志に反応して動くようになっているから、私達が生身で『魔法』を使う時は、この魔力を使うことになるわね。
対して霊子力は、生身で使うのはちょっと無理だけど、沢山あるのが強み。
大きな力が必要な時は、霊子力の方が使われるわ。
え、溜めきれなくなった魔力はどうなるのかって?
んんっ! た、『溜めきれない』とか、今言わないで……意識したら、我慢が……!
えと、魔力は循環するからっ、くっ、古い魔力から、体外に、排出を……排出……あぁぁっ、だ、だめっ……!
体が、反応ちゃう……くはぁぁっ……!
わ、わざとね……? 趣味が悪いわよ……!
今回はこれでおしまい! おしまいだから!
だから、早く本編に戻って……あ、だめ、やっぱりちょっと待って!
――その……トイレは、どこ……?