戦いが終わった後は女子学生
「お疲れさまです」
スタジオに4人が入ると、茶色のセミロングヘアの女性が出迎えてくれた。
「あら、4人しかいないわね」
「ピンクはファン相手にしてくれているのだわ」
「相変わらずね」
フッと女性が妖麗に微笑む。
彼女は飯川祥子。
以下、飯川とする。
「おお〜今日も楽勝か!凄かったぞ!」
そう言って飛び出してきた男が一人。
「ありがとうございます」
彼は長谷川鯛。
イケメン顔に眼鏡をかけている、好青年だ。
以下、長谷川。
「すみません!遅れました!」
そんなとき、ファンを相手にしていたピンクが帰ってきた。
「何とかファンを押しのけましたけど……相手するの楽しかったー」
「お疲れさまね」
飯川がピンクにも微笑む。
「よし、全員揃ったな。これで解散していいぞ」
長谷川がゴーサインを出すとみんな喜んだ。
「イカ怪人は厄介だったからしばらく怪人は出てこないんじゃないのか?出たら連絡してやる」
「分かったわ」
真面目に返すのはレッドのみ。
他のみんなはミスドへ行く気満々だ。
「じゃあ行きましょう、ですぅ」
ブルーの声と共に、みんなはミスドへ向かった。
テーブルに5人の姿。
みんな幸せそうにドーナツを頬張っている。
「にしてもやっぱこれはモチモチしてますねぇ。このポンポンリングとやらは。ワタシはこれがお気に入りですぅ」
「ポンポンリングではないわ、ポンデリングよ」
ブルーの言葉にすかさずレッドが突っ込む。
「どっちだっていいのですぅ。ワタシはこれしか食べないのですぅ」
「あら、チョコファッションも外せないのですわ。ポンデリングなんかよりこちらの方がオススメでしてよ」
フッとグリーンが勝ち気に笑う。
「へぇ、美登利も言うのですかぁ。ワタシがこの前、友達と来た時もチョコファッション勧められましたですぅ。でもやっぱりポンポンリングがいいのですぅ!」
「ポンデリングでしてよ。何回目かしら、間違えるのは」
「うるさいですぅ」
そう言ってふくれ面になるブルーこと蒼井水樹。
それを見てグリーンこと萌葱美登利はほほほっと更に笑った。
5人は、怪人を倒す=仕事の時以外は、友達と同じように本名で呼び合う。
「大丈夫よ。私もポンデリング推しだから」
そこへ、レッドこと垢田久玲奈が優雅に紅茶を飲みながら言った。
「久玲奈はワタシの味方でいてくれるですかぁ。でも、食べてるのポンポンリングとあと、違うのですぅ?」
「私は何個も食べるだけ。ただ、一番好きなのはポンデリングよ」
「ならそこにチョコファッションも入れてほしかったですわ。ポンデリングの次でもいいですから食べてほしいのですよ」
「ええ、チョコファッションも美味しいわ。全部のドーナツが好き。けど、やっぱり一番はポンデリング以外に譲りたくないわね」
美登利の茶化しをさらりと躱す久玲奈。
「うん?ボクはファッション系好きだけどな」
今度はイエローこと黃野宮橙花が口を挟んできた。
「貴女なら分かってくれると思っていましたわ、橙花」
「でも美登利はチョコファッションだけなんだろ?ボクはファッションの中で言ったらゴールドファッションが好きだな」
「む、そうですか。わたくしはチョコファッション一筋ですわ。でも、同じファッションというのなら許しましょうこと」
ここでポンデリングとファッションで2対2に別れた。
「これで同率ですぅ。では桃奈の答えが勝ちに決まるのですよ!桃奈はどっち派ですかぁ?」
「……え、わたし?」
急に話を振られたピンクこと華条桃奈が目を見開く。
「桃奈、選びなさい。どっちかによって私達の勝敗が決まるのよ」
桃奈の選択でポンデリング派かチョコファッション派の勝利が決まるのだ。