ビューティーフラワーズ!
人々の悲鳴と共に、地面に墨が打ち付けられる。
中には、墨を頭から被ってうずくまってしまう者も。
「スミスミ〜」
動けなくなった者に近寄る黒い影。
「こ、来ないで!きゃああああ!」
だが構わずまた墨をぶちまけた。
墨だらけになってしまう。
そして気づけば顔前に気持ちの悪い顔があった。
「スミスミ〜!」
称号、スミ怪人。
黒い墨を吹きかけて足止めをし、最後はその触手によって掴んでしまう。
姿形はイカ。ただ、黒いイカでいかにも禍々しい姿な怪人だ。
「た、たすけ……」
うずくまる弱き者にその触手が触れる刹那──。
「そこまでよ!怪人!」
「悪は滅びるべきですわ!」
「この罪悪人は消えるべきですぅ」
「ここで消してやる」
「行くよー!」
5人の可愛らしい女の子たちの声。
『ビューティーフラワーズ!』
一瞬のズレもない、息のあったセリフ、その後にはもう怪人は吹き飛ばされていた。
「さすがよ、グリーン。吹き飛ばしてくれて!」
赤色の髪の子が微笑む。
「このぐらいなんともありませんの」
緑色の髪の子が微笑み返した。
「おお……ついに助けに来てくれた!」
「怪人を追い払ってくれ!」
「やったー、ビューティーフラワーズが来てくれた!」
5人の姿を見て周りの人が嬉しそうに声を上げる。
「じゃあ、倒しちゃおう!」
桃色の髪の子が叫んだ。
「スミ怪人め、ここで排除してやる」
憎々しげに黄色の髪の子が呟く。
「ここは合わせ技を使うのですぅ。一気に決めちゃいましょう!ですよ!」
水色の髪の子の言葉にみんなはうなずいた。
「行くわよ!」
5人は全員片手を前に突き出す。
『咲き誇れ!正義の花!』
5人の声がピタリと重なり、それぞれの手から光が出て一点に集まっていく。
『ビューティーフラワーズっ!』
その集まった光は、丁度起き上がろうとしていたスミ怪人に直撃。
「スミスミ〜!?」
意味がわからないままスミ怪人は光に呑まれ、消えた。
『美しいは正義!正義が勝つッ!』
最後の決めゼリフも息が合ってていた。