飯川祥子と長谷川鯛の出会い
ここで、昔話をしようか。
むかし、むかし──そう遠くないむかし。
「な、なんだあの化け物は!?」
「か、怪人出現だあー!」
怪人が現れ、世間的にも怪人が有名になっていた頃、長谷川の住む町にも怪人が現れた。
丁度その時は、はさみの形をしたはさみーン!怪人だった。
チョキチョキとはさみを動かす。立ち向かう者はいなく、みんな逃げていく。
ビューティーフラワーズもまだ現れる前だった為、対処する術がない。
(む……ヤバい)
正義のヒーローに憧れていた長谷川は、何かできないかと考え始める。
やがて、家にあった銀玉鉄砲(子供向け)を手に取った。
「これしかないんだ!勘弁!」
怪人に向けてとにかく銀玉を発砲。
だが、銀玉は怪人に届かず、届いた弾も威力が弱く簡単にはさみに弾かれてしまった。
はさみ怪人が長谷川に気付く。
その瞬間、長谷川に向かってきた。
抵抗する武器は何一つ無い。
(……おお、どどどうしようか!)
思わず固まってしまう長谷川。
はさみ怪人が近寄ったその刹那。
「銀玉鉄砲ってまだお子様気分かしら?」
ドスッと鈍い音がした。その瞬間、怪人はもんどりを打って倒れた。
倒れた怪人の後ろで、妖しい笑みを浮かべている美女、それが飯川祥子だった。
飯川は素手で怪人を倒したらしい。
それだけ、驚異的な強さがあるらしいが、その時以来その拳を振るったことはない。
長谷川と会ってから美少女戦隊を作る計画を一緒に練ったらしい。
とまあ発言主は長谷川だが。
自分がヒーローになれない代わりに他人に押し付けようとしたというか。
「っていうのが俺が祥子と会った奇跡だ!」
「……」
長谷川から、そんな話を聞かされたビューティーフラワーズは皆沈黙。
というのも、この長谷川が飯川の登場の話をする時に鼻の下を伸ばすからだ。
「長谷川さんって飯川さんのこと好きですわよね……?」
長谷川に聞こえないようにグリーンこと美登利が呟いて、みんながうんうんとうなずいたのは言うまでもない。





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