飯川祥子の不思議
飯川祥子
これぞ、できる女みたいなキツい瞳、だが美人。
微笑みは妖しく、ゆるふわお姉さんのよう。
しかし、言葉は鋭い時がある。
そんな飯川はビューティーフラワーズを支える役目。
長谷川鯛と一緒に支えている。
が、飯川がどこから来たのかは長谷川もおろか、誰も知らない。
「なあ大丈夫なのか?毎日スタジオであの子達を見守るのはいいけど……」
「大丈夫よ。だって、私にはもう家族はいないから家にいるよりここにいたほうがいいわけよ」
心配する長谷川に微笑む飯川。
その笑顔にドキッとしながらも長谷川は心配する。
「家族がいないって……」
「あ、そんな暗い話ではないわよ。ただ親は高齢出産だったから。それと、当分結婚する人なんていないしだからこの通り暇で、ここにいるわけよ」
「そ、そうか……」
なら俺と……と言いそうになった長谷川の気持ちはともかく。
飯川はいつも、スタジオでビューティーフラワーズたちを見守っている。
ビューティーフラワーズがいなくても毎日スタジオに来る。
そして、日が暮れ始めるといきなりいなくなり、もう家に帰っている。
そんな不思議な女性だ。
「長谷川さん……ううん、鯛って呼んでいいかしら?」
ビューティーフラワーズを支える役目として二人で行動していた時、突如長谷川はそう言われた。
「ああ、いいよ……」
本当は鯛なんていう名前が嫌いだった。
だが、飯川の微笑みが眩しすぎてうなずいてしまった。
「私のことも祥子と呼んでいいわ」
「しょ、しょうこ……」
まさかの名前で呼んでいいとの許可。グッと距離が縮んだ気がした。
そこまでしてくれる飯川に対して、長谷川は
(女神様だ……)
とデレデレで拝んでいたという。
飯川は美人なのだから、一人ぐらい男の知り合いがいるだろうと思われる。
だが、飯川は男はおろか、女の知り合いや友達さえもいなかった。
「え、友達?そうね、最近一人だったからね……」
「一人で寂しくないのか?」
「ううん、平気よ。逆に一人の方が気が楽なほどね」
そう吐き捨てた飯川に違った意味でショックを長谷川は受けた。
だが、ビューティーフラワーズといるときは、
「やっぱり年頃の女の子とたくさん話せるのってリフレッシュになるわね」
と意味深なことを呟いていたという。
そんな飯川も、若く見える。
まだ20代に見えるが、本当の年齢は誰も知らない。
30代とも言われているし、実は物凄くおばさんなのではないか、とビューティーフラワーズがみんなで予測をたてていたこともあった。
だが、年齢のことを聞かれると機嫌が悪くなる。
「貴方達なんか私から見たらまだ小学生の幼い子どもたちよ」
半分キレながらそう飯川は5人の乙女に対して言ったという。
飯川には年の話になるとすぐにキレる、という弱点があったのだ。





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