長谷川鯛のネーミングセンス
「ねえ今更思うけど、ビューティーフラワーズってどこぞのアイドル名かよ?って感じだよな」
今日、怪人退治はないがスタジオで筋トレをしているイエローこと黄野宮橙花がボソッと呟いた。
だが、彼女の言葉に返事をする者はいない。
ビューティーフラワーズのメンバーは来ていないからだ。
「美しい花って桃奈しか当てはまらねーじゃん。ボクたちは属性が違うから当てはまってないし」
橙花の独り言は続く。
花の力を持つ、ピンクこと華条桃奈にはぴったしな名前だと思うが、他のみんなは違う力なので「フラワーズ」は当てはまらない気がする。
「あら、やっぱそう思う?」
そこへ、色っぽい声がかけられた。
まさか返事が来ると思わなかった橙花は軽く驚く。
「でも名前を付けたのは鯛よ。私は関与してないの」
飯川はそう言いながら近くのソファーに腰を下ろす。
「長谷川さんのネーミングセンスって何なんだ」
長谷川が苗字で鯛が下の名前。
彼も飯川と一緒にビューティーフラワーズを支えている。
「同感ね。鯛に継がれる遺伝子はネーミングセンスがないのよ。だって現に実の息子に鯛っていう魚の名前をつける時点でセンスなさすぎよね」
「そのセンスの無さを長谷川さんが受け継いでしまったと」
「そういうことよ。私もビューティーフラワーズなんて名前を聞いた時呆れ返ったわ」
飯川はいいネーミングを付ける自信がなかったので全て長谷川に任したのだ。
そして、ビューティーフラワーズのメンバーの前での発表の時にはじめてグループ名を知ることになる。
今まで確認もせずに長谷川に任せきりだった自分を嘆いたほど。
「何というか、アイドルグループ名感が凄いのよね。戦隊ものって感じがしない。しかもフラワーってどっから出てきたんだって感じ」
「ボクもそう思った。花属性の桃奈ぐらいしか通用しない」
「長谷川いわく、美少女のことを花に置き換えてるらしいのよ。あの人のネーミングセンスはある意味凄いよね……」
「同感だな」
ふっと息を吐き、橙花はダンベルを持ち上げる。
橙花はビューティーフラワーズの中で一番の力持ちである。
「まあ名前が何であろうと怪人を倒すのは変わらないからな」
そう呟いてまたトレーニングを開始した。





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