06 成長
今日も私たち『黒猫嵐の魔導急便』は配達業務に大忙し。
配達魔導車システマちゃんも休む間もなし。
三人にちゃんとお食事を取ってもらえるように、
私ミスキがシステマちゃんに乗り込んでお手伝い。
「今のが今日の分の最後の荷物かな、お母さん」
そうですよ、リカさん。
今日もたくさん配達できました。
明日はお休みをいただけましたから、帰ったらみんなで相談しましょうね。
「真っ直ぐお家に向かう、で良いのかな」
そうですね、ルミさん。
お夕食の食材は配達先の市場で購入済みですよ。
新鮮なお魚、楽しみですね。
「なんか忘れてる気、しない?」
そうかしら、マヤさん。
荷台の方は食材以外は空っぽですよ。
あら、もしかしてあの件かしら。
「メイジさんとセルマさんのことでしたら、私たちはおじゃま虫禁止、ですよ」
モノカ様が王城であれこれなさった際に、メイジさんがセルマさんに指輪を贈ったこと。
いつの間にやら知り合いみんなが承知の事実。
だからこそ、私たちは暖かく見守らなきゃね。
「それじゃ『黒猫嵐の魔導急便』システマちゃん、発進!」
「「「はいっ」」」
はい、我が家上空に到着、です。
車庫の空き地でねこちゃんがお昼寝していないか、ちゃんと確認してから着陸ですよ。
ぷしゅぅん
はい、上手に着陸できました。
「ただいまっ」
「お腹すいたっ」
「なんか郵便きてるよ」
あら、何かしら。
『第二回チームミスキ健康診断のお知らせ』
お医者様のクロイ先生からでした。
システマちゃんの過密な稼働状況をアリシエラ様が心配なさって健康診断は頻繁に、とのお言葉。
モノカ様たちよりも、健診の間隔が短いのです。
「どうせ今回もお母さんのひとり勝ちだよね」
大丈夫よリカさん、体力測定は一番でしょ。
「私はそこそこ余裕かな」
そうねルミさん、また新しい下着、買いに行かなくっちゃね。
「……」
知ってるわよマヤさん、最近お風呂で隠しているけど、リカさんより成長しちゃったのよね。
最初の診察の時にあまりにもお痩せさんなので、
クロイ先生は『まるで呪いみたいだ』なんて思ったそうだけど、
今のマヤさんのぷにぷにボディを見たらびっくりすることうけあいね。
お母さんのお料理の『祝福』効果、クロイ先生にも効くのかしら。