準備その1
手裏剣は、打つではなく投げるにしておきます。
俺たちは、屋敷に向かう。
「お披露目会どうするの?」
アリスが聞いてきた。
「どうするってどういう事だ?」
「招待する人とか料理とか色々あるでしょ」
「知り合いを呼ぶ予定だ。料理は俺が教えてきた料理でも良いが、まだ色々料理を教える。食材は暇な時にでも取りに行く。」
「お披露目会ってなんですか?」
ノアが聞いてきた。
「簡単に言えば村の紹介だ」
「そうなんですね」
そんな話をしていると屋敷に着いた。
扉を開き中に入ると、何人かのメイドがいた。
「お帰りなさいませ」
メイド達が一斉に挨拶した。
「ああ、ただいま」
メイドはエルスが言った通りマルプスの町にいた女性たちだ。あとは執事が必要か。
俺は、手を前に出すとそこから光の玉が現れた。
「何これ?」
「魂だ?」
アリスの問いに当たり前のように答える。
アリスは、もう驚く様子はない。メイド達は目を見開いていた。俺は気にせず作業を始めた。
すると、その魂が黒い霧で覆われる。そして、人の形になった。
執事服を着た男が誕生した。俺の中の城に居る執事と瓜二つだ。
「お前には俺の執事をしてもらう」
「仰せのままに。」
執事は跪いて言った。
「よし、お披露目会の準備に取り掛かるか」
俺は、広場に村のみんなを集めた。
「いつか決まってないが、お披露目会という物があってな。他の国の奴らが来るんだが、それの手伝いをして欲しくてな」
「何をすれば良いのですか?」
鍛治職人のジクトが聞いてきた。
「料理をしている者は後で俺が新しい料理を教える。鍛治をしている者は俺が作って欲しい物を作ってくれ。狩人は、肉の調達を頼む。それじゃあ取り掛かってかれ」
俺がそう言うとみんなが返事をして作業を開始し始める。
「ライヤ様こちらに来て下さい」
エルスの嫁のニーナが俺を案内してくれる。
建物の中に入り、部屋の中に入る。
そこは、調理場だ。ただの調理場ではなく、とてつもなく広い。
「ジクトさん達に頼んで作ってもらいました」
相変わらずあいつはセンスがある。
「それじゃあ、教えるとしよう。まずは………」
◇◇◇
「よし、このくらいで良いだろう。俺は、ジクトの所に行く」
「ありがとうございました」
ニーナ達が声を揃えてお辞儀した。
俺は、外に出てそのままジクト達がいる鍛冶場に移動する。
その時に、ヨーカも連れて来た。
「何ですか?」
「渡したいものがあってな」
俺たちは、ジクトの元に着いた。
「ジクトいるか?」
「ライヤ様、やっと来たか」
「ヨーカに例の物を渡してくれ」
「分かりました」
ジクトはそう言うと何かを取り出して来て、ヨーカに渡した。
「これは何ですか?」
「手裏剣と苦無だ。手裏剣は相手に投げる武器、苦無は相手を斬ったり投げたり色々な使い方がある。忍者はこれを使っていたから直ぐに使えるようになるだろう」
「分かりました」
そう言うとヨーカは外に行った。
「よし、じゃあ作って欲しい物なんだが、食器だ」
「でも食器はもうありますよ。何に使うんですか?」
「この世界の食器は陶器や木、金属の皿を主に使っている。それをガラスや磁器に変えるのだ」
「磁器って何ですか?」
「磁器とは陶器と違って、長石を多く使っていて与える熱の温度も陶器よりも高いのだ」
「そうなんですか。知りませんでした」
「多分な……」
俺は、小さな声で呟いた。
「まあ、やりながら教えるとしよう」




