貴族の憧れ
「おいそこの平民。」
後ろから声がした。
「どちら様ですか。」
俺は、振り向きながら言った。
「僕は伯爵家の次男、バルベリン・サルフィードだ。それより平民、この学園は貴族が力をつけ、知恵をつけるための場だ、平民如きがでしゃばるなよ。それと、授業を真面目に受けないなら今すぐにでもこの学園から出て行け。」
適当に受けていたことがバレていたようだな。ここは素直に謝っておくか。
「それは申し訳ございません。初めての授業で混乱して授業を真面目に受けられませんでした。それより僕には、ケインと言う名前があるので名前で呼んでくれるとありがたいんですけど。」
「平民がこの貴族である僕に指図するな!平民に名前など必要無い。まあ、ライヤ殿は違うがな。」
俺と同じ名前か。
「どういう意味ですか。」
「そうか、平民は分からないよな。僕が特別に教えてやろう。ライヤ殿は、僅か2日でSランク冒険者の称号を受け、戦争で1番活躍したのだ。」
お〜〜っと。
「そして、ライヤ殿の弟子になったこの国の王女アリス様は、最早最強の強さにまでなっているのだ。」
それ俺だな。
それとアリスは、最強でも何でもない。
「ライヤ殿はいずれ爵位も貰い受けるだろう。」
「ライヤ様はとてもすごいお方なんですね。」
俺は、苦笑いしながら言った。
周りからは
「また始まったよ。」
「バルはライヤ殿の事となると我を忘れるからな。」
「ほんとほんと。」
と言った声が聞こえてくる。
いつもこんな感じなのだろうな。
「ライヤ殿は貴様の様な平民とは違うのだ。分かったな!」
「はい。」
ガラガラガラ
「席に付け、授業始めるぞ。」
教師が中に入ってきた。
ふーー。助かった。このままだといつまで続くか分からなかったからな。
俺は、一見真面目にやっている様な姿勢をする。だが、何もしていないがな。
何やかんや全ての授業が終わった。
みんながどんどん帰って行く。
「ケイン君、このあと暇だったら僕たちと一緒に遊ばない?」
男達が話しかけてきた。
恐らく平民だろうな。
「ごめんなさい。この後用事があって、また誘って下さい。」
「そう、分かった。じゃあまた明日。」
俺は軽く手を振り教室の外に出た。
そして、学園長室に誰にもバレずに入って行く。
「おお、ライヤ君ではないか。」
奥の椅子に学園長のベルタが座っている。
「どうだい、学園生活の方は。」
「簡単すぎて暇すぎる。」
「だと思ったよ。まあ、明日からは実技もあるし少しは良いだろう。それで、貴族の子達はどうだったんだい?」
「そうだな。確かに貴族に誇りを持っているのは確かだな。それよりバルベリンって奴俺のこと尊敬しすぎじゃね。」
「バルベリン君だけじゃなくてこの学園で君の事を知っている者はみんな尊敬しているよ。」
「ほう、何故だ?俺は、一応平民だろ。」
「確かに平民だ。だが、Sランク冒険者という者は、貴族ととらえる者も多いのだ。貴族並に権力があるからね。それと、戦争でとても活躍したんだ、爵位を貰う可能性だってあるだろうしね。」
なるほどな。まあこれなら、俺から言えば態度が変わりそうだな。
「それじゃあまた。」
「ええ。」
俺は、ベルタと少し話すと部屋を後にした。
もう一つ用がある。ヨーカと会った時位からフェルドがいない様な気がする。
俺は《空間移動》でフェルドの気配がある所まで移動する。
目の前にフェルドが居る。
「フェルド久しぶりだな。」
「おっ!おお、ライヤか。」
フェルドは、森の中で寝ていた。
「すまんな。構ってやれなくて。」
「我がそんなこと望んでいると思うか!」
「そうかそうか。」
俺はそう言いながらもフェルドの頭を撫でる。
フェルドは尻尾を振って喜んでいる。
「それじゃあもう行くとしよう。」
「そ、そうか。」
「安心しろ気が向いたらまた来るから。」
俺はそういうと《空間移動》で移動した。




