獣族の王 フェンリル
アリスとノアが修行をしている。
ノアも少し、コツをつかんできている。
「わっ!ライヤ様いつからそこに。」
「今だ。」
ノアが驚いて聞いたが、俺は単調に答えた。
「森の探索に行ってくる。」
俺はそう言うと、未探索の森に走って行った。
俺は、《探知魔法》でニヒルの森一帯を探知している。そして、この森には今まで倒したことのない魔物や、遺跡などがある。
流石に、ワクワクする。
知性を持つ魔物とかいれば、村の門番とかにしたいんだがな。
襲ってくる魔物をどんどん斬っていく。
見た事のない魔物も出現し始めてきたが、たいして強くない。
『我の縄張りに来るとは何のつもりだ人間。』
頭の中に渋い声が流れてきた。
「誰だ?」
『名乗る必要もないわ。』
頑固だな。
俺は、魔力を放出した。量で言ったら大陸を呑み込むほどの魔力だろう。だが、俺は魔力を圧縮しているため、多くは見えないだろう。だが、殺気を放っているような感覚になっている。
「出てきてくれ。」
『わっ、分かった!』
目の前に犬の様な魔物が現れた。
犬と言っても今までで1番強い魔物だろうがな。
「お前は誰だ?」
『我は、フェンリル。獣族の王だ。お主の名はなんだ?それと魔力をしまってくれ。』
「ライヤだ。すまないな。」
俺は、そう言うと魔力をゼロにした。
「で、お前の縄張りにと言っていたが、この森は俺の領地ということになっている。」
『なんだと!そんなの聞いておらぬぞ。』
「それは知らんが、それよりお前に頼みがある。」
『なんだ?』
「俺の下部になれ。」
『なんだとぉ!我が人間の下部だと。』
「強制ではない。ただエルフの村の守り神になって貰えばいい。しかも、自分より強い奴に従うのが魔物にとっては普通だろう。あと、うまい飯も食わしてやる。」
『確かに、強者の下に付くのは普通だ。しかも飯も食えるなら尚更だ。仕方ない、お主の下部となろうぞ。』
「そうか、じゃあこれからよろしく頼む。喋り方も変えなくていいぞ。」
『ああ。』
「名前をやらないとな、フェルドなんてどうだ?」
「名をくれるのか!流石は我主人。」
気に入ってくれているみたいだな。
俺は、神眼でフェルドのステータスを見た。
フェルド 種族フェンリル 940歳
魔力:140万8000
全属性耐性、自己再生、炎魔法、雷魔法、土魔法
状態異常耐性
中々の実力だな。
「仲間の元まで戻るぞ。」
『仲間がいるのか!どの位強いのか楽しみだな。』
そんな会話をしながら俺たちは、走ってアリス達の元まで行く。
数十秒程で着いた。
アリスとノアは、唖然している。
「こいつは、フェンリルのフェルド。一応俺の下部だ。」
『よろしく頼むぞ人間。」
「神の次は、フェンリルだなんて。」
アリスは、呆れながら言う。
「初めまして、フェンリル様。獣人のノアと申します。」
ノアが膝をつき言った。
獣人族にとってフェンリルは、本物の神と同じだろうな。
「私は、アリス・クライス。私たちは、ライヤの弟子よ。」
『弟子か。ライヤよ、まずアリスとやらは、魔力が十万を超えている。』
「結構増えてきたな。」
『それとそこの獣人は実に面白い。魔力は、元々少ないのだろう。真の獣人だ。』
「やはりか。」
「ライヤ様、どういうことですか?」
「獣人とは本来、獣と人間の混合。だから、獣の筋肉を持っているから魔法より肉体戦の方が強いのだ。それに魔力を増やして、《身体強化》を自由にできる様にしているのだ。」
『その通りだ。』
ノアは、嬉しそうな顔をしている。
今までお荷物でしかなかったが、鍛え方によっては獣人最強になるだろう。
「よし、再開だ。」
そう言うとアリス達は、魔力のコントロールを再開した。
空が暗くなってきた。
「よし、じゃあ飯にするか。」
俺は、キッチンを出現させ、料理していく。と言っても今回は、ステーキだ。だが、調理工程を工夫し、味付けもこの世界では食えないものだ。
「さあ、いっぱい食え。」
机には、ステーキと米とデザートのプリンを用意した。
「ライヤ様、これは何ですか?」
「それは、米というものだ。」
「じゃあこれは何ですか?」
「プリンだ、デザートだから最後に食うといい。」
『お主は、我も知らないものを知っているのだな。』
「まあな。」
みんな食べ始める。
うまそうに食べてもらうと気分がいいな。
それに初めての味だしな。
飯を食い終わると、風呂を出した。
「これは、お風呂ですか!」
「ああ。」
風呂は、貴族しかはいれないから、ノアは、入ったことがないのだろう。
俺たちは、風呂に入る。
『お主の事を少し聞きたいんだが。』
「別に構わない。だが、これを言ったらお前は、俺を裏切る事を許さぬぞ。」
『構わない。我は、一度言ったことはまげぬ。』
「俺は、転生者だ。この世界と違う世界から来た。それと、この宇宙や世界を創ったのも俺だ。」
『どういうことだ!』
「そのままだが。」
『そんなことが出来るのか!』
「まあな、正確にはこの世界を創った神を創ったのが俺なのだがな。」
『信じられんが信じるしかないのだろうな。」
フェルドは、呆れたように言った。
風呂から出て、アリス達を待つ。
アリス達が出てきた。すると、俺に向かって歩いてきた。
「ちょっとライヤ、どういう意味よ!」
「何がだ?」
「宇宙を創ったって言う事よ。聞こえてきたわよ。」
「ああ、そのことか。聞こえるように言った。」
いつかは言う事だしな。
「はあぁ。まあいいわ。これからは、秘密はなしよ。」
「ああ、約束しよう。」
そういう意味で怒っていたのか。可愛いとこあるな。
「ライヤ様は、すごいです!」
ノアは、俺を褒めている。
俺は、ノアの頭を撫でると微笑んだ。
俺は、家を出した。
「フェルドはどうする。」
『我は、外で寝る。』
「そうか、ノアは一人で寝れるか?」
「はい、大丈夫です。」
「そうか、いつでも呼んでいいぞ。じゃあ、寝るか。」
そう言い、俺たちは家に、部屋に入り寝た。……




