決闘、そして作戦
開始の合図と共に俺は、ベスタの目の前に移動した。
ベスタは、一瞬驚いたが、すぐに体勢を立て直して大剣を俺に振り下ろした。
俺はそれを、手で受け止め、短剣を取り出してベスタの首に突きつけた。
すると横から、ゼストが細剣で俺を、貫こうとした。しかし俺は、それを躱して腹に短剣を突きつけようとした。
だが、ゼストがそこから消え、2、3メートル後ろにいる。
「確かに君は強い。僕もこの魔法を使ったのは、冒険者では、君が初めてだよ。」
時を止めたのだろう。《時魔法》を他にも使える奴がいるとは、頼もしいな。
すると、右手に痛みが走った。
見てみると、右手が落ちている。
俺は、新しい魔法を創った。《痛覚無効》と《自己再生》二つとも、名前の通りだ。
痛みは、消え怪我も回復して行く。
周りを見ているとみんな驚いている。ゼストの《時魔法》の戦いは、初めて見たのだろう。
まだ《時魔法》かは、分からないが。聞いてみるか。
「《時魔法》か?」
「よく知ってるね。そうだよ、けど、《時魔法》と言ってもまだ、時間停止しか使えないけどね。
《時魔法》とは、能力が大きく分けると三つある。
一つ目は、時を止める能力。
二つ目は、時、物の時間を巻き戻す能力。
三つ目は、時、物の時間を進ませる能力。
俺は、一応全て使えるが対処法の魔法を創っていなかった。創っておくか。
そして俺は、《時間超越》という魔法を創った。
時間の理を超えて、相手が使った《時魔法》を防ぐことができる。
すると、ゼストが時を止めた。だが、俺は、動ける。だから俺は、時間の進みを元に戻した。
ゼストが驚きを隠さないでいる。
「何を驚いている。俺が時間の進みを戻しただけだ。」
「そんなことが出来るのかい?」
「元に戻すのは、俺しか出来ないだろうな。」
「降参だ。ライヤには、勝てる気がしない。」
ゼストはそう言い、剣を鞘に収めた。
「勝者、ライヤ。」
ブラルがそう言うと、ベスタが近づいてきて
「すまなかった!お前がそんなに強いとは、知らなかった。」
「まあ、仲間の力を知りたくなるのは分かる。それじゃあ作戦会議をやり直すか。」
俺たちは、さっき居た部屋に行き、そして座った。
「それでは、作戦会議を始める。だが、作戦は今回、ライヤに任せておいた。それを聞いてお主らが判断するのだ。それでは、ライヤ頼む。」
「ああ、それじゃあまず、相手は、十万に対してこちらは、1万。数で言えば、確実にこちらが負けるだろう。だから、俺が半分先に倒す。」
「ちょっと待ってよ。確かに倒せるかも知れないけど時間もかかるし、効率が悪いわよ。」
そう言ってアリスが言っている。
他のみんなは、「倒せるのかよ。」など言っている。
「それは、心配ない。数秒で終わる。」
「どうやるのよ?」
「お楽しみだ。」
アリスが呆れたような顔を、している。それを無視して俺は、話し始めた。
「だが、Sランク冒険者がいるとしても、相手は、5万、俺らは、1万だ。だから俺は、騎士達に《身体強化》と、《防御結界》を使う。勿論、今回だけだ。」
「君は、最初に5万人の兵を倒すために、魔法を使う。それプラス、騎士団に強化魔法を使うなんて、君の魔力が切れたら、この戦争が一気に負けに傾くかも知れないよ。」
ゼストが心配したように言うと、イシアが
「それは大丈夫、ライヤの魔力は、私の《神眼》でも見通せない。しかも、魔力ボードは、無限だった。」
「無限⁉︎そんな事があるのか。しかもイシアの《神眼》でも見抜けないなんて。」
ゼストが驚いた様に言った。
イシアの《神眼》は、やはり特別なのだろう。
「まあ、そう言う事だ。俺は、これでいこうと思う。戦争までは、騎士団は、多少の訓練は、してもらうがな。」
「この作戦に、反対なものはいるか?」
みんな賛成している。
すると、国王が立ち上がり
「それでは、この作戦で行く。この戦いを我らの勝利にするぞ!」
「「「おぉぉ!」」」
元気で良いものだな。
話が終わり、俺とアリスが部屋の外に出ようとすると
「ライヤ、ちょっと良いか?」
振り向くとそこにブラルがいる。
「なんだ?」
「戦争まで、騎士団の特訓をしてもらいたい。」
「いいぞ。」
「本当か!じゃあ、明日までに全員集まるから頼んだぞ!」
そう言ってブラルが速歩きで廊下を歩いて行く。
「アリスも見ておいた方がいいだろう。」
「どう言う事?」
「お前は多分、昔から一人でやってきた。勿論戦争は、一人でやる時もあるが、味方と戦った方が勝ちやすくなる。」
「分かったわ。任せて頂戴。」
「期待しているぞ。」
今日は、もう何も無く終わった。




