救いと救い
俺は、《浮遊魔法》を使い、音を立てずに着地した。
すると馬車が止まり、何人の男たちが出てきた。
「なんだテメェ!そこどきやがれ!」
「エルフ達を返してくれれば通してやるよ。」
「なるほどな。エルフ達の追ってと言う訳か。だが残念だったな、たかがガキ一人で俺たちを倒せると思うとは。」
めんどくさいな。どうせ抵抗するんだしいいか。
そう思うと俺は
「《火柱》」
そう呟くと、二台の馬車が火の柱に飲み込まれた。アリスの《火柱》の数倍は、強いだろう。
火柱が無くなるとそこには、エルフ達が入ってる檻と一人の男がいた。
「お前がボスだろ?」
「なな、なんだよお前!」
「俺が聞いてるんだが。」
「ああ、そうだよ!なんでもする。エルフどもも解放するから見逃してくれ!」
「お前を殺してもエルフ達は助けられるだろう。それよりお前達の事を全て話せ。」
「ああ、分かったよ!だから命だけは!」
そう言うとエルフ達を連れ去ったボスが、話を始めた。
どうやら、マルプスの町と言う町の領主に雇われエルフを連れ去ったらしい。その領主は、他にも女を連れ去っては、性奴隷にしているらしい。
「なるほどな。そいつに雇われたという事か。」
「そうだ!雇われてしょうがなくやったんだ!」
うるさい奴だ。どうせ雇われてなくてもやるだろうに。
俺は、容赦なく《火柱》で殺した。
俺は、エルフ達が入っている檻の前に立ち、檻を刀で粉々にした。
エルフ達は、驚きながらも外に出てきた。
「あのー、助けて下さりありがとうございました。聞きたいことがいくつかあるんですけど良いですか?」
「ああ、いいぞ。」
「ありがとうございます。あなたは、誰ですか?」
「冒険者だ。エルフの村の奴に頼まれて助けに来た。」
「そうですか。じゃあ、その剣は何ですか。」
「刀と言う奴だ。」
「へー、見たことない剣ですね!」
アリスを助けた時は、聞かれなかったからもうあると思ったんだがな。
「まあいい。早く戻るぞ。」
俺は、そう言うと俺と、エルフ達の足元に魔法陣が浮かび上がった。俺が新しく作った魔法だ。恐らくこの世界には、もうあると思うが、《転移魔法》だ。自分の周りを一気に転移する事が出来る代わり目立つがまあ、良いだろう。
すると、辺りが真っ白になったが直ぐに元に戻った。するとそこは、エルフの村の広場だ。
「帰ってきたぞー!」
エルフ達は、抱きつきながら騒いでいる。
「アリス、マルプスの町の領主が盗賊に依頼したそうだ。他にも捕まっている奴らもいるから、今夜潜入する。」
「ちょっと待って!マルプスの町って東側の町なのに何でそんな事するのよ!」
「俺にそれを聞くな。お前も連れて行くぞ。」
「ええ、分かったわ。でもこの件が終わったら一回クライス王国の王都に戻るわよ。」
「ああ。」
そう言い俺は、エルフの元へ行き
「今日一日ここに、泊めてくれ。」
「ああ、それだけの事でいいなら。俺の名は、エルス、この村の村長だ。」
塀の上に立っていたエルフがそう言って挨拶してきた。
村長と言っても二十歳前後と言ったところだな。
「それで、俺もその町に同行したい。」
「戦力になるのか?」
「動きは、素速い方だ。弓も使える。」
「まあいい、俺がほとんどやる。お前とアリスで捕まっている奴らの救出だ。」
「分かったわ。」
「分かった。」
ーーーーー夜ーーーーー
「マルプスの町は、何処にある?」
俺がアリスに聞くと、収納袋から地図を取り出した
「この村を西に10キロほどで着くわ。」
「そうか。よし行くか。」
そう言うと俺とアリスとエルスは、外に出た。
「出てこい。」
そう呟くと、目の前にホルスが出てきた。
「ここから西に10キロの町に行く。」
「承知しました。」
そう言うとホルスは、体を伏せた。
俺達は、ホルスの背中に乗った。
エルフ達は、見送りをしている。それに、アリスとエルスは、手を振っていた。
ホルスに「行け」と言うとホルスは、空に飛び立ち西に飛んでいく。
「こんなに速いのに風があんまり来ないわね。」
「確かに、普通だったら吹き飛ばされるはずなのに。」
二人は、疑問を浮かべている。
「風魔法で風を抑えている。」
そう言う話をしているとマルプスの町に到着した。
「恐らく下の屋敷が領主の屋敷だろうな。」
「そうね。でもどうやって入るの。」
「簡単だ。俺の中に入っていいぞホルス。」
「承知しました。」
そう言うとホルスが俺の体の中に入って行く。
俺は、二人にも《浮遊魔法》を使いゆらりと地面に降りて行く。
「ほんと、規格外だわ。」
「作戦は、さっき言った通りだ。二人で捕まってる奴らを救ってくれ。」
アリスを無視して俺は、言った。
「ええ。」
「分かった。」
俺たちは、屋敷の前に静かに降りた。
「よし、作戦結構だ。」
そう言うと、俺は扉を一発殴った。
すると、扉が吹っ飛んだ。
中にいた奴らが
「侵入者だ!捕らえろ!」
俺は、アリス達と別れ上の階へ上がって行く、刀は、室内では使いにくいから、短剣を使って次々と斬っていく。そして部屋を開け中を調べていく。すると、兵が部屋の前で大声でや喋っている。
俺は、そいつを斬り、扉に耳を傾けた。
「侵入者だと今は、取り込み中だ。生け捕りにしておけ。」
俺は、扉を開け
「それは、無理だぜ。」
中には、二人の女がベッドで寝ていて、その上にデブのおっさんがいる。
「誰だ貴様!今すぐひっ捕らえ……。」
デブのおっさんは、途中で喋るのをやめた。視界がおかしくなったからだ。
目の前には、首から上が無い自分の体があるからだ。
「ななな、どうなってるんだあぁ!」
痛みはないだろう。《生命保持》を顔面に使っているから、かろうじて生きているし、痛みもない。だが、体には、力が入らないだろう。
それにしてもうるさいな。さっきからずっと喋っている。
俺は、《封印魔法》を創った。そして声を封印した。そして《幻術魔法》を使い、おっさんに悪魔を見せた。おっさんの顔が段々青ざめている。
俺は、気にせず二人の女性に歩き出した。そして、魔法で服を着せた。
「もう大丈夫だ。」
そう言うと、女性達は、泣きながらお礼をしている。
俺は、アリス達に《テレパシー》を使った。
『アリス、エルス、今の、状況は?』
『女性達がいる所まで来たわ。』
『今から外に避難させる。』
『分かった。』
「今から外に出るぞ。」
そう言うと俺は、《転移魔法》で女性達を外に転移させた。
数分でアリス達も出てきた。
十数人の女性達がいる。
何人かは、妊娠している。あいつがやったのだろう。
全員集まると俺は、魔法を使った。《時魔法》だ。
女性達の体を捕まる前にしておいた。
「お前達の体は、魔法で元に戻した。だが精神は直らない。」
一応服も作ってやろう。魔法で全員に服を着せた。
「家に帰っていいぞ。」
女性達は、呆然としているが俺たちに礼をして段々と減ってきている。
だが数人は、座り込んだままだ。
「お前らは、家に帰らないのか。」
「……帰る場所ない。」
なるほどな。元々一人で暮らしていたのか。
俺は、振り返り
「エルス、こいつらをエルスの村に住まわしてくれ。」
「俺は、構わない。けど、村の奴らがなんて言うか分からない。けど今晩は、泊めよう。」
人間に襲われたんだ無理もないだろう。
「そうか、ありがとう。」
そう言って《転移魔法》を使った。
光に包まれエルフの村に転移した。
「帰ってきたぞ!」
声が聞こえるエルフ達が待っていたのだろう。
すると、エルスが前に出て
「お前達に頼みがある。この方達は、マルプスの町の領主に捕まっていた人達だ。そして帰る場所が無いんだ。住む場所ができるまででいいから住まわしてやってほしい。」
そう言ってエルスが頭を下げた。
すると、一人の女性が前に出て言った。
「あの方達は、私たち以上に辛い思いをしてます。人間は、信用出来ませんが同じ境遇の人達を見捨てたりなんかしません。だからあなた、顔を上げて。」
エルスの妻だろう。
エルフ達も賛成している。
エルスは、顔を上げて言った
「ありがとうみんな。ニーナもありがとう。」
そう言うと二人は、抱き合っている。アリスは、微笑んでいる。
「今日は、もう遅い寝た方がいいだろう。」
俺が、そう言うとエルスがこちらを向き
「そうだな。女性達は、俺が寝所に案内しよう。」
「ああ、よろしく頼む。」
そう言うとみんな散って行き、俺たちも家の中に入り寝た。
魔法を創ると言うのは、これからは書きません。ご了承下さい。
一章終わりです!




