エルフの村
ーーーー次の日ーーーー
「よしじゃあ行くか。」
「ええ。」
俺たちは、今日から旅をする予定だ。転移でき場所を増やす目的もあるが、この世界を知るためにも旅はした方がいいからな。
アリスは、《身体強化》を使い俺について来る。
走って暗くなったら休み朝になったらまた走るそれをただ繰り返している。魔物が出たら倒しはするが張り合いがない。
何はともあれ5日が経った。
すると小さな村があった。今まで見たところより素朴な村だ。村に入ろうと思うとすると
「すぐに立ち去れ!」
声が聞こえた。塀の上に耳がない人がいる。エルフだ。
すると矢が飛んできた。俺は、それを手で掴むと
「何故攻撃する。此方には、敵意は無い。」
「人間の言う事なんか信用出来るか!」
エルフを説得しようとしたが聞く耳を持たない。
「俺の話を聞かないな。どうする?」
「任せなさい。」
アリスがそう言うと、一歩前に出て
「私は、クライス王国の王女、アリス・クライス貴方は、何故人をそんなに嫌うんですか?」
「人間は、すぐ嘘を付く。最初は、優しいフリをするが直ぐに裏切り、姑息な手段を使い我らエルフの女衆をさらっていったのだ。」
なる程な。盗賊がこの村に攻めてエルフの女衆をさらったのか。めんどくさい事だな。
「それは、残念でした。しかし、私達は、Sランク冒険者でもあります。私達を信用して下さい。」
「いくら王女だってSランクだって人間は、人間だ!」
ほんとにめんどくさい。
「どうするの?話聞くき無いわよ。」
「安心しろ。」
俺は、エルフに顔を向けて言った
「エルフの女達を助けてやる。話しはそれからだ。」
「救えるのか⁉︎」
「ああ、いつ連れ去られた?」
「数時間前だ。今は、怪我人の治療をしている。」
やけに素直に話すな。同族が救える可能性が出て気が緩んだのか。
「怪我人の手当てをする。入るぞ。」
「待て!まだ信用してはいない!」
「実際お前らに失うものは、無いだろう。」
「確かにそうだ。仕方ない何か不審な動きをしたら直ぐに頭を射つぞ。」
「ああ、好きにしろ。」
さっき止められたくせによくそんな事が言える。
俺とアリスは、村の中に入る。すると、エルフが怪我をして倒れている。死人は、いないようだ。遊ぶだけ遊んで去ったと言ったところか。放置したら死ぬとこだったな。
俺は、《超回復》を使いそこにいるエルフ達を全回復させた。
エルフ達は、驚いている。無理も無いだろう。
「さて、これで少しは、俺たちを信用してくれたか?」
「ああ、すまなかった。礼を言う。」
「礼をするのは、まだ早いぞ。エルフの女達を助けに行く。アリスは、村に残り守ってくれ。」
「分かったわ。」
「俺も行く。」
そう塀の上にいたエルフが言う。
「いや来なくて良い。出てこい。」
そう言うと、目の前に黒い霧が現れそれが形になっていく。体長4メートル位の黒と赤の毛の色をした鳥が現れた。
「これはなんだ!」
エルフ達が唖然としている。
「俺の配下だ。名前は、消えたんだよな。」
「左様でございます。正確には、消滅したのですが。」
「消滅した?」
「詳しくは、分かりません。我が主人が転生した反動だと思いますが。」
消滅か。ハンゾウもそんな事言っていたな。気になるが今は、エルフだ。
「そうか、まあいい。お前の名は、ホルスだ。」
「はは。有り難き幸せ。」
「よし今からエルフを連れ去った奴を探す。」
「分かりました。」
そう言うとホルスは体を伏せた。俺は、その背中に乗った。
「直ぐ戻る。待っててくれ。」
「ええ、いってらっしゃい。」
そう言うとホルスが空に飛び立った。
「探せるか?」
「ええ、先ほどのエルフと暮らしたと言うことは、探知すればほとんど同じ気配を感じ取れるでしょう。」
「そうか、流石だな。」
「勿体なきお言葉。」
速さは、秒速1キロは余裕で超えている。
数秒経った時
「ライヤ様、村にいたエルフと同じ気配をした者達がいました。」
そう言うとホルスは、止まった。真下には、馬車が二台走っている。
「ご苦労だった。俺の中で休んでくれ。」
「承知しました。」
そう言うとホルスが俺の中に吸収されるように入っていく。
俺は、馬車の前に落ちていく。……




