転生女王の真っ黒覇権3~現地聖女が国外追放されたそうです。助けてあげましょう~
転生女王の真っ黒シリーズpart4です。
今回も人を追い込みます。
どうも皆様。
私はとある国で最近女王になったシスティーナというものです。
いわゆる転生者でいろいろと見通す目を持っていまして。
最近頑張って女王になることが出来ました。
これも私の日ごろの行いが良いおかげですね。
おかげで、たまたま、勇者が召喚されて。
たまたま、魅了の能力を使ってハーレムを作って。
たまたま、寝取ったりしていろいろと恨みを買って。
たまたま、復讐されて。
たまたま、復讐した方々が私の味方になってくださいました。
おかげで、簡単に公国を手に入れることが出来ました。
この時はヤンホモさんが大活躍してくれました。
まあ、帝国同様にまだ実質的に支配しているだけですけどね。
そして最近思うのです。
もう、私が全部支配してやればいいのでは? と。
下手に敵対するよりも全部取れ入れる方がいいと思うのです。
管理もしやすいですし。
帝国と公国も手に入ったので戦力的にも行けますしね。
という事で大陸征服といきましょうか。
といきたいところなのですが、やはり問題はあります。
その問題の源はセラフィエル聖都という宗教国家です。
まあ、正確には国ではないのですが国と言っても差し支えはないでしょう。
この聖都なんですが、この大陸全土に広がっている宗教の総本山なのです。
そう、宗教を通して大陸全土に影響力を広めているのです。
しかもその影響力は絶大。
下手な貴族よりも司祭の方が影響力をもっているなんてざらですし。
それに神聖さゆえに民からの信頼もある。
それゆえに神の代理人である教皇は絶大な権力を持っています。
ある意味民にとってはどこかの女王なんかよりもよっぽど偉い存在と認識されているかもしれませんね。
さらに厄介なのが聖女の存在です。
聖女とは、神に愛された存在です。
聖女がいるだけでその土地は豊かになり、天候は安定し、災害は起きなくなります。
さらに極めつけは圧倒的な防御結界の構築です。
過去に聖女を手に入れんとして聖都に侵攻した国があったのですが、広大かつ強靭な結界に阻まれ、さらに聖都からの攻撃はすり抜けるという理不尽極まりないことがあったそうです。
そんなことが可能な聖女はまさに神に愛された存在です。
まあ、どういうカラクリなのかは一応は把握していますけど。
そんなこんなで聖女は実に厄介なのです。
勇者が個を倒すことに特化した存在なら、聖女は全を守ることに特化した存在ですかね。
ところで最近、数年前に代替わりした聖女が見つかりまして。
その聖女が聖女としての力も弱く平民の娘でして
危機を感じた教皇さんが初代聖女の時ように聖女召喚の儀を行いまして。
その聖女が異世界から召喚されたようでして。
しかも日本から召喚されたようでして。
そして現地の聖女が用済みになろうとしているそうです。
なんてかわいそうな聖女ちゃん。
たまたま聖女に生まれただけで家族と離れ離れになり、小さいころからあらゆることを強制され、力が弱いという理由で代わりがいれば捨てられるなんて。
まだ成人もしていない少女なのになんてかわいそうなんでしょう。
これは頂点に立つ者としてなんとかしないといけませんね。
ふふふ。
ー▽ー
「セラフィーヌ!! この場をもって貴様との婚約を破棄する!! そして新たにマリアと婚約をここに宣言する!!」
はい、なんだか少し前に聞いたようなセリフですね。
ああ、セラフィーヌと言うのが現地聖女ちゃんでマリアと言うのが召喚聖女です。
ちなみにマリアは漢字で真利愛と書くそうです。
真実の愛でも利用するのですかね。
私と気が合いそうです。
まあ、冗談はさておきましょう。
婚約破棄宣言をしているこのおバカさんは教皇さんの息子さんです。
聖女が見つかれば教皇と血縁関係にある人と婚約するのが常ですからね。
で、婚約破棄される理由ですが、本物の聖女であるマリアさんを虐めたからと聖女を騙ったからだそうです。
聖女ちゃんは偽物の聖女であり、聖女の地位に就くために一部司教を買収したりたぶらかした。
さらに本物の聖女が異世界から現れたために危機を悟ってマリアさんを虐めた。
こんな感じのシナリオらしいです。
そしてそのような悪女を栄えある聖都には置いておくことはできないという事で国外追放を言い渡されました。
聖女ちゃんは周囲の人々からの非難を一身に浴びてどうすればいいのか分からずにポロポロと涙をこぼしています。
しかし、それでも人々からの非難は止みません。
同情を引くための演技だとか、そうやって男を落としただとかと言ってさらに追い詰めます。
さらには国外追放では生ぬるい、死刑にすべきだなどの声も上がります。
しかし、ここで待ったをかけるのが我らが召喚聖女であるマリアさん。
死刑なんてかわいそうだと。
これに対して周囲の人々は何て慈悲深いのだと感動します。
こうして聖女ちゃんの国外追放が決定しました。
どれだけそんなことはやっていないと否定しても聞き入れてもらえず、衛兵に連れていかれ、馬車に閉じ込められ、貧相な服を1枚だけ与えられて魔物のでる森深くに捨てられてしまいました。
もちろん聖女とはいえたかが少女です。
そんなところで生きていけるはずがありません。
国外追放などと名をうっていますが普通に処刑と変わりありません。
森を彷徨い、怪我を負って消耗していきます。
ああ、なんてかわいそうな聖女ちゃん。
「こんにちは」
私が助けてさしあげます。
「あなたは」
「私はシスティーナです。あなたを助けにきました」
そう言うと聖女ちゃんは安心したのか気を失ってしまいました。
なので私は彼女を連れて王城にもどりました。
信用出来て優秀な部下に丁重に扱うように言って看護させます。
そして数日後に目覚めました。
最初はどういう状況かもわからずに困惑していましたが、次第に王城での生活にも慣れていきました。
むしろ前よりも生き生きとしています。
当然ですね。
聖都ではあらゆることを強制されていましたから。
やりたくもない勉強や仕事に祈り。
家族にも会うことが出来ません。
しかし王城に来てからというものの、何も強制されず、むしろ教皇よりも贅沢な環境を与えられ。
長年離れ離れにもなっていた家族とも再開を果たすことができました。
もちろん家族は私が連れてきました。
しかし、こんなによくしてもらって何もしないのはいけないと言うので適度な仕事も与えます。
そして、合間合間に私と交流して信用を勝ち取ります。
妹とも気が合うようで仲が良いみたいですね。
流石は聖女ちゃん。
聖女なだけあって清らかな心の持ち主ですね。
さて、そろそろよろしいですかね。
毎回恒例のヤンホモさんを発動します。
今回は内部を事前にかき回すなんてことはしません。
真正面からいきます。
幸いこちらには聖女ちゃんがいますしね。
彼女を丸め込み、いろいろと理由をでっち上げて聖女ちゃんをトップに添えて突入します。
まあ、聖女ちゃんには後方で優雅に暮らしていただきますが。
さて、ここで少しおさらいと補足をしましょう。
聖女の能力についてです。
今重要なのは理不尽極まりない防御結界です。
これが聖女の代名詞ですからね。
この理不尽極まりない防御結界は敵は通さず味方の攻撃は通るというものです。
本当に理不尽ですね。
さて、この防御結界なのですが、聖女にしか構築することが出来ません。
ではどうして聖女がこのような結界を張ることが出来るのでしょうか。
それは神に愛されているからです。
実はこれ半分は本当なのです。
現人神であった初代教皇が初代聖女を召喚し、彼女に加護を授けました。
それが聖女の力です。
そしてその力は味方から微量魔力を吸い取り、味方を物理的な害から守る力です。
だから、聖女はあんな防御結界を構築することができるし、不毛や災害からも守ることができます。
そして聖女が亡くなったときは一定距離内で清らかな心を持つ少女に加護が受け継がれます。
これが聖女です。
そして、今その加護をもつのがセラフィーヌちゃんです。
ええ、彼女は偽の聖女なんかではありません。
紛れもない本物の聖女なのです。
では、なぜ力が弱いのか。
それは彼女が幸せではなかったからです。
幼少期からの不幸な環境のせいで聖女ちゃんの清らかな心に影を落とします。
聖女の力は心が清らかなであればあるほど強くなります。
つまり、聖女の力が弱かったのは聖都の自業自得です。
で、聖女ちゃんが本物の聖女なら、召喚された聖女であるマリアさんは何なのでしょうか。
答えはただの異世界人です。
まあ、贅沢して周りに男を侍らせて悦に浸り、聖女ちゃんを貶めた人はただのでいいのかどうかですが。
つまりマリアさんは聖女の力など持ち合わせていないのです。
あちらはなぜかしらマリアさんに聖女の力があると思い込んでいるようですが。
そして聖女の力は味方に発動します。
今の聖女ちゃんにとっての味方とは誰でしょうか。
当然私たちです。
断じて聖都の連中ではありません。
そして聖都の連中は聖女の力に頼りっきりだったのでまともに戦えません。
聖女ちゃんの力のおかげで被害も皆無で迅速に聖都を制圧することに成功しました。
そして、教皇さんやマリアさん、その他ですが、逃げました。
勝てないと思ったのでしょうね。
脱兎のごとく無様に逃げました。
これには聖都の民どころかこの宗派の人たちは大激怒です。
当然ですね。
神の代理人などと言って散々偉そうにしていたのにいざとなったら真っ先に逃げたのですから。
そして聖女ちゃんこそが真の神の代理人だということになりました。
ついでに聖女ちゃんを助けた私は救世主です。
反対に教皇さんやその他は神の名を利用した大罪人でマリアさんは聖女の名を騙った偽物です。
逃げたはいいものの、この宗派の人たちにとって彼らは大罪人です。
すぐに見つかって捕まってしまいます。
で、聖都で処刑されました。
聖女ちゃんは真の神の代理人。
私は救世主となってめでたしです。
ふふふ。
全て計画通りです。
聖女の力は知っていました。
そして聖女ちゃんの状況も知っていました。
教皇さんが聖女の力が弱まっていることに危機を感じていることも知っていました。
全て知っていました。
だから私は内通者を通して教皇さんに聖女召喚の儀を教えたのです。
聖女の力が弱くなっているなら新しくすればいいと。
もちろん聖女召喚の儀なんてありません。
あれはただの異世界人召喚の儀です。
それなりの容姿の女性が出てくるようなオプションもつけていますが。
まあ、それにしても貴重な儀式なのですがね。
私としても現れる異世界人は誰でもよかったのです。
多少策は修正していたでしょうが、異世界人が召喚された時点で聖女ちゃんが国外追放されるのは確定なのです。
聖女ちゃんの婚約者は聖女ちゃんの事を疎ましく思っていました。
司教などの高位司祭なんて貴族と変わりありません。
むしろより選民意識が強いです。
神に選ばれた者として。
特に聖女ちゃんの婚約者はその意識が強いです。
なので平民出身である聖女ちゃんのことを疎ましく思っていました。
何故神に選ばれた自分が平民などの下賤な者と結婚しないといけないのかと。
そこで異世界人です。
異世界から聖女として召喚された存在なんて特別感がとてつもないです。
聖女ちゃんと召喚聖女。
どちらを取るかは眼に見えています。
しかし、婚約している手前破棄をするのは難しいです。
なので聖女ちゃんを偽の聖女とでっち上げて婚約破棄をしました。
まあ、全然筋が通っていないような頭の痛い内容でしたが。
なんですかね、聖女ちゃんが一部の司教を買収したりたぶらかしたりとか。
平民だった聖女ちゃんのどこにそんなことができるお金があったのでしょうかね。
当時まだ1桁だった聖女ちゃんがどうやってたぶらかしたのですかね。
司教はロリコンばかりなのでしょうか。
まあ、この辺りは教皇さんが邪魔な司教を処分するために言わせたんですがもう少し何とかならなかったのでしょうか。
閑話休題。
そして今回召喚されたのがクズだったのでよりスムーズに事が動きました。
そして慈悲深い人としてイメージアップのために国外追放となったのです。
まあ、どうせ死刑と変わりませんしそうした方が受けがいいと内通者を通して囁いたのですが。
そして聖女ちゃんが追い詰められてギリギリのところで救助に向かいます。
聖女ちゃんの救世主となり時間をかけて依存させます。
これによって聖女ちゃんの味方は私たちと認識させます。
こうなると聖都の結界は消滅。
後は楽な仕事です。
聖都を制圧し、一度この宗教の信用を落とすためにわざと教皇さんを逃がします。
そして、その間に私と聖女ちゃんの立場を盤石なものとしてから教皇さんやマリアさんたちを捕まえて処刑します。
これによってトップが大量に失ったので私の息がかかった人たちをあてがいます。
これで聖都および宗徒は手に入ったも同然です。
マリアさんには感謝です。
あなたがクズだったおかげで思った以上に早く事を成すことが出来ましたから。
あなたがまともならもう少し時間がかかっていたでしょう。
まあ、その時は助けてあげましたが。
さてと、これからも聖女ちゃんにはたくさん幸せになっていただきましょう。
そして清らかな心を維持してもらいましょう。
だから何かあったときは私に力を貸してくださいね。
無垢で無知な聖女ちゃん。
ふふふ。
いちいち短編投稿するのが面倒なので連載にするか悩んでます。
でも、絶対に続かないんだよな。
常にネタ切れ起こしてるし。
どうすればいいですかね?
登場人物紹介
システィーナ:主人公。いろいろと人を追い込みすぎだと思います。結果的に幸せになってる人もいますけど。
セラフィーヌ:聖女ちゃん。主人公の被害者その1。平民出身の現地聖女。あらゆることを強制され、さらに虐げられていたので心に影を落とす。結果聖女の力は弱まったが主人公のおかげで過去最高に強まる。主人公の事を強く慕ってしまっている。
マリア:主人公の被害者その2。主人公の策略で異世界に召喚されてしまった。けど、私が主人公ヒャッホーとしちゃって聖女ちゃんを貶めたクズ。まともならある程度の生活は保障していた模様。クズなので遠慮せずに使い捨てられた。
教皇:主人公の被害者その3。聖女の力が弱まってきている事を危惧して聖女召喚の儀に手を出した。聖女の力を弱まらせた張本人。
ヤンホモさん:教皇の息子さんの顔がちょっと好みだったので処刑されて残念だったそうです。