目が覚めたらお憑き合いを申し込まれました。(6)
落ち着いた所で話したい、という男の言葉で場所を移動することになった。部屋を出て階段を降りるとダイニングと思われる部屋に出た。そこには窓はなく、有るのはシンプルな机と椅子3つだけだった。
男は椅子1つを指して私に座るよう促すと自身は台所へ向かった。すこし経つと香ばしい匂いと共に戻ってきた。
「家にコーヒーしかなかったんだが…飲めるか?」
「はい…大丈夫です。」
「話は長い。内容は大事なことばかりだが…一編に覚えようとはしなくていい。分からないことが有れば質問しろ。いいな?」
私がうなずいたのを見て男は話始める。
「まずは俺達の存在についてからだが…
そう言って始まった彼の話は本当に長かった。長すぎるのでまとめると、
・死神とは契約主--黄泉にいる閻魔大王の元で働いているものの事である。
・私--セッカと、リークと彼は死神である。
・3人は契約主にある重要な任務を任されていた。だが、任務の途中で私が大怪我を負いそのショックで記憶が無くなったと考えられている。
・ちなみに死神にとっての怪我とは肉体のダメージではなく魂へのダメージになるらしい。…だから今の私は現世に存在するのが精一杯で死神としての力を失ってしまっているらしい。
…というのが今までの流れだが……今までで何か質問はあるか?」
私が必死に頭の中で整理していると、男は言葉を区切って私に訪ねてくる。私は思いきって今までずっと気にかかっていることを聞いてみた。
「ずっと気になってたんですが…貴方の名前を聞いても良いですか?」