動き出す噴水
深夜2時
湧水広場噴水前に俺たちは集合した
今夜は…噴水が動いている…!
誰もいない湧水広場に不気味にライトもつけないで
噴水が動き続けている
「噴水が、動いてますね…」
「あぁ…恐ろしいぜ…」
「あぁそうだ、一応これを持っておけ」
俺はホームセンターで買ってきたロープとテープを取り出した
「このロープとテープは?」
「敵をもし捕まえたら逃げられないようにするためだ無駄かもしれんが無いよりいいだろ」
「そう、ですね!」
そう言ってムギは素直に拘束道具(?)を受け取った
「今夜はケネディさんのケバブ屋を見たら星光ケバブにいくぞ」
「え?ケネディさんは違うんじゃ?」
「昨日少し引っかかってな、調べるだけだ」
俺たちはまず東にあるケバブ家に向かった
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湧水広場 東側
ケネディさんのケバブ家前
昨日と同じく電気はついていない
「タカシさん、異常ありそうですか?」
「いや、大丈夫そうだな、西に移動しよう」
昨日の態度が少し引っかかったから来てみたが…大丈夫そうだな…
俺たちは西に向かった
**********
噴水広場に戻ったあたりだった
西側の店舗の1つにライトがついた
「動く噴水、夜の店、おそらくビンゴだ!ムギ、行くぞ!」
「は、はい!」
俺たちは急いで西に走る
走った先にライトがついていたのは昼間に行った星光ケバブだ
ここだけ不気味にライトがついている
「昼に食べた店ですね…でもなんで…」
「んなもん本人に聞くのが一番だ」
「オラァ!!」
「ヒィィ!!」
俺はドアを蹴り開けて中に侵入した
中には昨日見た店員が何やら手紙を持っている
「この女に見覚えは?あるよな?」
俺はケバブ屋の店員にスマホのを見せつけた
男は素直にスマホを見つめた
ゆっくりと隅々まで見渡していたのか少し遅れて男は答えた
「ふ、フン、知らネェなぁ?」
「とぼけても無駄だぜ? ならこの店を調査してもいいよな?」
「させネエヨ!」
男は抵抗し、一度俺を振り払った後に厨房へ逃げた
「テメェ!どこに行く気だ!俺がやつを抑える!ムギは隠れてろ!」
「は、はい!」
ムギは机を盾にして隠れている
俺は必死に厨房へ逃げた男を追った
「オラ!出てきやがれ!」
「ニゲモカクレモシネェ!だから、ナ?」
そういって男はケバブ包丁を握ろうとする
「させるか!!」
俺は急いで走り、包丁を握ろうとしていた右手を蹴った
「ガァァァアァッ!」
男は一瞬ひるむ、今がチャンスだ!
俺はひるんだ男を押し倒し、取り押さえた
「あっけねえな!ムギ!ロープとテープだ!!」
「今行きます!!」
ムギがケバブ屋の店員をロープで巻きつけ固定した
「お前がウワサの正体だな!?さらった人をどこにやった!」
「シ、しらねェヨ!」
「うるせえ!言わないんなら拘束するまでだ」
「ダカラしら…ムグゥ…」
俺はムギからテープを奪い取り店員の口を塞いだ
この店員は口を割ることがないだろう
叫ばれないうちに拘束するのが適切だろう
「ムギ!ここを徹底的に調べるぞ!何かわかるかもしれん!」
「わかりました!」
俺たちは星光ケバブの調査を始めた
厨房、テーブル、掃除用具、トイレ…ん?
トイレに鍵がかかっている
「ムギ、今トイレか?」
「違うよ、今はカウンターを調べてる」
なら…ここのトイレにいるのは…誰だ…?
「ムギ、ちょっと来てくれ、トイレに誰かいるかもしれん」
「えぇ?それなら近寄らないほうがいいんじゃ?聞こえちゃうとあれだし」
「バカ!こんな時間に客がいるかよ!きっと何か別の、とにかくあけるぞ!」
敵の可能性もふまえ、ムギを後ろに待機させた
幸いなことに溝を回せば開くタイプの鍵のようだ
俺はコインを取出し溝に合わせ、鍵を回した
ガチャッ…
鍵が開き、扉を開けるとそこにいたのは女性だった
目隠しをされ、口もテープでふさがれロープで縛られている。
「なんだ…これ…」
俺たちは生々しい光景に唖然としてしまった
「ムギ、コイツはお前の彼女か?」
「いや、違うね…アイマスクを外さなくてもわかる…」
「とりあえず拘束は解いておくか…それと警察だな」
「そうだね…ここまで来ると僕たちの手におえない」
「じゃぁ俺が拘束を解いている間、電話を頼む」
「わかった」
俺は女性の拘束を解いた
どうやら寝ている
いや、眠らされているのだろうか…?
眠らされているなら起こしても無駄だろう
そっとしておこう…
俺はそのままトイレの外に出た
「ムギ、連絡は終わったか?」
「うん!バッチリ!」
「オイ!店員!もう一度聞くがこいつを知らないか?」
「ダカラ知らないって言ッテ…ムグゥ……」
俺は一度テープをはがしもう一度張りなおした
口を割りそうにないな、暴力ではかせてもいいが、俺が捕まるのは困る
「だめだ、後のことは警察に任せよう。彼女は見つけられなかったが警察はこれで動くだろう
俺のできるところもこれくらいだな」
「タカシさん!ありがとうございました!!」
ムギは嬉しそうに深くお辞儀した
「そう固くなるな、明日の夜また教室に来いよ!自家製ケバブをごちそうしてやるぜ!」
「いいんですか!? ありがとうございます!」
「じゃあ明日、…そうだな、せっかくだし深夜の0時にするか!」
「なんでその時間なんですか!?」
「いいじゃねえか!ウワサは解決したんだし準備があるんだよ」
「まぁ、そうですけどね、そうしましょう!」
俺たちはケバブ屋の店員と女性を警察に受け渡し、帰ることにした。
こうして噴水の黒いウワサはあっけなく解決したのであった
後は警察が何とかしてくれるだろう。
今回は短めになってしまいました
0時に投稿予定の後日談をお楽しみください