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その少女は異世界で中華の兵法を使ってなんとかする。  作者:
第25話 将徳=すぐれた将軍のとるべき行動
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その3(全3回) フミト皇太子は、公平無私に賞罰を即断即決する。そして、皇太子の地位を捨てた

 その日、帝都・ヒラニプルは、お祭り騒ぎだった。市内の目抜き通りは、沿道に多くの人たちがつめかけ、大混雑だ。


 警官や憲兵たちは、群衆が道路にあふれ出てこないように必死に警備している。


 道路に目をやると、群衆の歓呼のなか、皇帝を乗せた「お召しバス」を中心にして、凱旋した帝国軍がパレードしていた。南部での戦いを終えた部隊だ。


 もちろん、遠征軍の大半が南部の治安維持のため現地に駐留しているので、一部が帰還したにすぎない。だから部隊の規模は、それほど大きくない。


 しかし、ただの部隊ではない。「超」がつくほど久しぶりの親征軍だ。格が違う。帝都の住民にとって、規模は小さくても、その存在感は大きかった。


 もちろん、帝国軍の側としても、帝国の威信を示し、臣民の忠誠心をあおるための演出はしていた。


 先頭を行く歩兵隊は、いずれも新品の軍服を身につけている。びしっと足並みをそろえ、軍靴の音もリズミカルに行進する。「向かうところ敵なし!」と言わんばかりの勢いを感じさせる。


「「「さすがは帝国軍人だ!」」」


 沿道の人びとは思わずうなる。


 騎兵隊はと言うと、その軍服はきらびやかで、りっぱな騎馬にまたがっている。パッカ、パッカと(ひづめ)の音も軽快で、耳に心地よく響く。


「「「千里の先まで駆けぬけられるのではないか?」」」


 そんな錯覚に人びとはとらわれる。


 軍用トラックは洗車されて、ピカピカだ。その牽引している大砲も、手入れがゆきとどいているのだろう。黒光りしていて頼もしい。


 とりわけ新兵器――熱気球(こんみんでん)を乗せた専用トラックが人びとの目を引く。帝国が空を制したことを物語る新兵器。ある意味、これが今回の目玉でもあり、これを見たいがために集まった人も多かった。


「「「これが噂の空飛ぶ兵器か」」」


 人びとは思わず興奮する。


「あの空中戦艦をやっつけてくれたんだよな?」


「新聞をみるかぎりじゃ、そうらしいぜ」


「おれの弟も出征しているが、実際に見て驚いたと手紙にも書いてあった」


「やってくれるぜ」


 そう言いあって、人びとは溜飲(りゅういん)を下げた。


 あの空襲は忌々(いまいま)しかった。帝都には空中戦艦の奇襲によって、家族や友人を失った人たちも多くいる。


 そのせいで住民のなかに不満が芽ばえていた。


「皇帝の不在が皇族の兄弟ゲンカをまねいた。その兄弟ゲンカが連邦につけるスキを与えた。だから帝都は空襲され、自分たちは被害を受けたのだ。まったく皇族なんだから、もっとしっかりとしてほしいものだ」


 不敬罪にあたるので大っぴらには言えないが、人びとの言葉の端々(はしばし)をひろっていけば、そう言いたいことくらいすぐ分かる。


 それだけではない。


「いつまた空襲されるか分からない」


「帝国軍は空中戦艦に対して手も足も出せない」


 そんな恐怖から、精神的に病む人も出てきた。不眠症、ヒステリー、精神錯乱など、その症状は様々だ。


 この点では、連邦による「空中戦艦を使った心理作戦」は成功したように見える。


 しかし、今回の戦いで不満も、恐怖も消え去った。


『どんな奇想天外な新兵器があらわれても、帝国は必ず対処できる。どれだけ敵が強くても、帝国は必ず勝利する。帝国は必ず臣民を外敵から守ってくれる。まことに帝国は偉大である!』


 どの新聞も、そのように書きたて、今回の「偉業」を称賛する。


 今回の戦いは、かえって帝国に対する臣民の信頼を高める結果となった。


 連邦としては、あてがはずれた形だ。空中戦艦で帝国を威嚇(いかく)して、帝国の社会を混乱におとしいれたかったのに、あっけなく失敗した。


 とりわけ連邦のヤオ党首など、切歯扼腕(せっしやくわん)した。(くや)しさのあまり、見境なく周囲にあたりちらすありさまだったらしい。


 ただし「快挙」を喜んでばかりはいられない。


(いくら取り(つくろ)って見せても、しょせんは張りぼて……。実情からすれば、いつボロが出てもおかしくないんだけどな)


 思わずニヒルな笑みをこぼすフミト皇太子。もう笑うしかない。帝国の苦しい財政や困難な政局を思うと、そんな心境になる。


「「「殿下、笑っている場合ではございません!」」」


 北部辺境守備軍の幹部たちは、口をそろえて言う。だれもがふてくされたような顔をしている。


 幹部たちは今、宮殿にいる。これまで政権を(にな)ってきた皇子派がいなくなったあと、臨時政府の首脳として「政治の空白」を埋めてきた。


「最初は、どうなることかと思いましたよ」


 幹部たちのすなおな感想だ。


「殿下が決意していたのは、殿下に言われて知っていました」


 ――北部辺境守備軍が大々的に演習して見せて、その強さをアピールして中央を威嚇する。


 ――中央を怖がらせて、皇子派から譲歩を引き出す。


「そうなされるおつもりかと思いきや、まさかの実力行使。びっくり仰天(ぎょうてん)いたしましたよ。本気(マジ)で心がパニックでした」


 幹部たちは不満たらたらだ。しかし、こうして臣下たちに平然とうらみごとを言わせるとは、これもまたフミト皇太子の人柄だろう。


「すまなかった。本当に悪いことをしたと思っている。許してほしい――」


 フミト皇太子の顔つきが笑顔から真顔に変わっていく。


「――そして、感謝している。よくぞ臨時政府を組織して、帝国を支えてくれた。ありがとう」


 フミト皇太子は頭を下げた。


 皇族から、それも皇太子から、こんなことをされると臣下としては恐縮してしまうものだ。いつのまにやら幹部たちのイライラ、モヤモヤも雲散霧消(うんさんむしょう)していた。


 そして、フミト皇太子が帰還したことで、これまでの緊張から解放されてホッとしたのか、だれもが感涙にむせぶ。


「も、もったいのうございます、殿下」


 はたで見ていたヤマキ中将も、思わず男泣きする。


(主君と臣下が互いに感謝しあう。なんと美しい主従関係であるか!)


 そんな(おとこ)たちの感動に水をさすように――。


「コホン!」


 乾いた咳払(せきばら)いが響く。


 ハナ皇姫だ。冷めた目つきで、大人の男たちを見ている。


「まあ、せっかくの感動の再会かもしれないけど、いいかしら?」


「あ……」


 フミト皇太子たちは、突如として現実世界に引き戻された、といった感じだ。


「なによりも先ず解決すべき問題があるでしょ?」


 ハナ皇姫の口調はいつになく厳しい。


 問題は山積みだ。そのなかで優先すべきものは?


 フミト皇太子が考えこむ。


(目先の問題は、なにはともあれ先立つものがないということか……?)


 ここのところ帝国は戦争ばかりしている。連邦との戦いもあれば、3賊との戦いもあった。テロリストの襲撃もあれば、今回のような「内乱」もあった。ばく大な戦費が使われている。これで財政が苦しくならないほうがおかしい。


(成るも成らぬも(かね)次第(しだい)と言うしな。とにかく金欠になれば、人員も雇えないし、兵器も買えない。これでは帝国を守ることも保つこともできなくなる。まさに存亡の瀬戸際に立たされるだろう)


 帝国の財政を潤わせるためには、とにかく(かせ)ぐしかない。


 ならば増税するか?


 それはできない。国の収入を増やそうとして安易に増税したせいで、国民の信頼を失って滅んだ国は多い。歴史が教えてくれる。


 もっとも、そこまで深刻に考えるまでもなく、すでに手は打ってある。


(西部の開拓も順調だ。数年のうちに成果も出るだろう。そうなれば、無理して増税するまでもない。おのずと税収も増えるだろう)


 ふと見ると、ハナ皇姫はじれったそうにしていた。


「とにかく(かね)の心配はするな。男は理想に走り、女は現実を見ると言うが、わたしもきちんと現実的に考えている」


 フミト皇太子は、ハナ皇姫を安心させようとしてか、おだやかに言う。


 ところが、ハナ皇姫は――。


「は?」


 いきなり険悪な表情になる。


「金……? なにを言ってるわけ? もっと大切なことがあるでしょ?」


「?」


 フミト皇太子がキョトンとして考えこむと、ハナ皇姫が「もう、まちきれない」といった感じでピシャリと言った。


「タケトお兄様のことよ!」


 ハナ皇姫はもはやイライラを隠さない。

 

 捕虜として拘束されているタケト皇子をどうするのか? 殺すのか? 生かすのか?


(タケトお兄様は、いけすかない兄で、“賊軍”だけど、それでも大事な家族であることには変わりない。それなのに処刑されるなんて……)


 ハナ皇姫は、幼いころに2人の兄といっしょに仲良く、楽しく遊んでいたことを今でも鮮明に覚えている。


(いつかまた、あのときみたいに3人で仲良くできる日がくる。だってあたしたちは家族だもの。だから、タケトお兄様には生きていてほしい……)


 だけど分かっている。皇太子は公人であり、皇姫も公人だ。もちろん皇子も同じ。公人である以上、公私混同はできない。公式のルールにのっとり、公式に処分される。


「わが一族の教えでは、賞罰は即断即決でないといけないし、公正無私でないといけないと言われている」


 そんなことをクリーが前に言っていたけど、そのとおりだと思う。


(公人して考えるなら、タケトお兄様は、これまでの行いからして、処刑されて当然だと思う。当然だと思うけど……。だけど……)


 思わず涙ぐんでしまうハナ皇姫。


(兄が弟を殺すなんて……。家族どうしで憎みあい、殺しあうなんて……。つらい……、つらすぎるよ……)


 ハナ皇姫は、考えれば考えるほど、考えがまとまらなくなる。もはや、どうしたらよいのか、分からない。


 顔つきは真顔で、しゃんとしている。が、知らず涙がボロボロと流れる。


「おまえは家族思いだからな……」


 フミト皇太子は、いつの間にか神妙な顔つきになっていた。


 ハナ皇姫は、父の病気を治したいと思い、がんばっていた。兄と弟の仲をよくしようと本人なりに気配りをしていた。家族のため、これまで健気(けなげ)に努力してきた。


 そんなハナ皇姫のことを考えると、フミト皇太子も性格がやさしいので心が痛くなる。だから、情にほだされて、タケト皇子を助けるかもしれない?


 だが、さすがのフミト皇太子も公人としてのわきまえがある。とりわけ、臣下たちに囲まれている今、私的な発言はできない。公的な発言が求められる。


「あれのことは、きちんと対処する。即断即決でいくから、すぐに片がつく」


 フミト皇太子は無表情でタケト皇子のことを切り捨てるように「あれ」と言った。


 ◆ ◆ ◆


 宮殿の大広間。正面の壇上には玉座があり、皇帝が悠然と座っている。大広間の左右には文武百官が(いか)めしい顔をして居並んでいる。


 もちろん総司令官もいれば、ヤマキ中将もいる。ただし、クリーとアルキンはいない。軍人は、将官クラスでないと、今回の朝議(ちょうぎ)には参加できないからだ。


 フミト皇太子は、摂政――皇帝代理という身分であるので、皇帝の真横にいた。


 まもなくすると正面の扉が開き、タケト皇子が姿をあらわした。両手を後ろ手にしばられ、両脇を衛兵に抱えられている。


 しばらく南部で軟禁状態にあったからか、やつれて見える。


「これより賊将タケトの裁きを始める」


 フミト皇太子が高らかに宣言した。


 衛兵はタケト皇子を引っ立てるようにして大広間の中央まで連行すると、押さえつけるようにして、そこに(ひざまず)かせた。


 タケト皇子は(くや)しそうに体を左右にふって抵抗のそぶりを見せるが、腕力で勝る衛兵に逆らえるわけがない。あえなく押さえつけられた。


「この者には、慈悲深き皇帝陛下の御名(みな)において、公正に裁きが行われ、即座に裁きが下されるであろう」


 フミト皇太子は「摂政=皇帝代理」として、皇帝の名のもとに公正迅速(じんそく)な裁判を約束した。


 もっとも「勝てば官軍、負ければ賊軍」と言われているように、このような敗者を裁く裁判は勝者の独壇場(どくだんじょう)だ。フミト皇太子の好きにできる。


 いきなり判決が言い渡された。


「賊将タケトは、内乱を誘発したゆえ、死罪が妥当である」


 フミト皇太子は、タケト皇子を壇上から見下ろしながら、感情を押し殺したような顔つきで言った。


 タケト皇子はフミト皇太子をにらみつける。皇族として傍聴していたハナ皇姫は静かに推移を観察していた。


「だが、賊将タケトは、西部の開発によって帝国の殖産興業に大きく貢献した。その功績は、財政難の帝国にとって大である。ゆえに死一等を減じて、庶人となす」


 つまり、タケト皇子は皇族から追放され、庶民になったということだ。もはやタケト皇子は「皇子」ではない。ただの「タケト」だ。そして――。


「これでわたしとおまえは、兄でもなければ弟でもない。つまり、わたしはおまえの兄ではない。人として対等な関係になったわけだ」


 ハッとするタケト皇子――もといタケト。しばしの沈黙。


「……ケッ、とんだ茶番だぜ」


 タケトは顔をそむけながら、つばをはくように毒づく。


 すると、いきなりフミト皇太子が表情を険しくし、さっと壇上をおり、スタスタとタケトに近づいていく。


 タケトの目の前に立ったかと思いきや、いきなりタケトを蹴とばした。


 フミト皇太子も文弱とは言え、いちおう歴戦の軍人だ。おのずと筋力がついている。けっこう力がある。


 だからタケトは、両脇を固めている衛兵の手を離れ、勢いよく後方に吹き飛ばされた。あわてて追いかける衛兵たち。


 その場に居並ぶ文武百官たちは、あっけにとられた。呆然(ぼうぜん)として、その場で固まっている。


 さきほどのタケトの言葉は、フミト皇太子を激怒させるほどの悪態であったか?


 それに第一、いきなり乱暴するなんて、フミト皇太子らしくない行動だ。これまでのフミト皇太子の言動からして考えられない。ありえないことだ。


 文武百官たちは、思考が混乱した。わけが分からない。どうしてよいのかも分からない。とにかく、どうしようもない。そんな感じだ。


 総司令官や、ヤマキ中将は?


 悩ましげな顔つきで目を閉じている。なにも言わないし、なにもしない。ただ黙って直立している。


 いっぽうフミト皇太子は、怒りがおさまらないのか、倒れるタケトに対して思いきり蹴りを入れた。


「乱暴はやめて! フミトお兄様! ほかでもない陛下の御前(おんまえ)なのよ!」


 ハナ皇姫が叫ぶ。ちょっと説明がかっている気もするが、それに気づく者はいない。


 ハナ皇姫はタケト皇子に駆け寄った。倒れているタケト皇子をかばうように、フミト皇太子の前に立ちはだかる。ただ三文芝居(さんもんしばい)のようにも見える。


 このとき文武百官たちには脳裏(のうり)に思い浮かんだことがあった。


 理由はどうあれ、皇帝の面前での乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)は禁止されている。とりわけ公式の場での乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)はご法度(はっと)だ。


 ご法度(はっと)を犯せば、たとえ皇太子でも、いくら摂政として帝国の権力を一手に握っていたとしても、決して許されない。皇太子の地位も、摂政の地位も失いかねない。


 それなのに――。


「こいつ……、マジかよ……」


 タケトはうずくまり、腹をおさえて苦しみながらも、フミト皇太子を見上げる。


 それを見下ろすフミト皇太子の表情は、なぜかやさしい。


「こういう手でくるとは……。ふっ……」


 タケトは、ふっきれたような感じでため息をつき、目をとじた。緊張がほぐれ、全身の力もぬけていくのを感じる。


(このバカには、かなわないわけか。格が違いすぎる。こいつを兄にした運命の女神は、正しい決定をしたわけだ。ふふっ)


 タケトは、これまでの自分の考え、行いがすべてバカらしく思えてきた。


 おもむろに目を開いたが、その目つきはおだやかに見える。


「あんたは、やっぱりオレの兄貴だよ」


「分かっている。おまえはわたしの弟だ」


 言いながら、フミト皇太子は、ハナ皇姫を押しのけ、さらにタケトに蹴りを入れようとするが――。


「いい加減にせよ!」


 ずっしりとした声が大広間に広がる。皇帝だ。皇帝が鋭い目つきをして、フミト皇太子をにらんでいる。


「朕が面前での兄弟ゲンカは許さぬ。たとえ面前でなくとも、皇族の兄弟ゲンカは許されぬ。わきまえよ!」


 フミト皇太子は、その場に(ひざまず)き、皇帝に向かって頭を下げた。不自然なくらいスムーズな動きだが、やはりだれも気づかない。


 皇帝は、フミト皇太子がおとなしくなると、おもむろにハナ皇姫に目をやった。


「ハナよ。この兄2人は、どうしようもない。序列的に見れば、残るのはおまえしかおらん。おまえが対処せよ」


「かしこまりました。お父様――いえ、陛下」


 ハナ皇姫は、皇帝に最敬礼した。そして衛兵のほうを向き、命じる。


「フミトと、タケトを引っ立てなさい」


「「「はっ!」」」


 衛兵たちは、さっと敬礼すると、すなおに命令に従った。ためらうことなくフミト皇太子を抱えあげ、タケトを抱きあげて、そのまま連行していく。


 それから数日後、布告が出された。


『フミトを廃嫡(はいちゃく)し、ハナを嫡子(ちゃくし)とする』


 つまりフミト皇太子は皇太子の地位を奪われ、代わりにハナ皇姫が皇太子となったわけだ。


 その理由は?

 

『フミトはタケトと兄弟ゲンカをした。皇族のケンカは、喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)だ。フミトを挑発したタケトも悪いが、タケトに乱暴したフミトも悪い。これがフミトを廃嫡する理由である』


 このニュースのせいで、タケトに下された処分のことは注目されなかった。


 ◆ ◆ ◆


 少し話はさかのぼる。フワ辺境伯の別働隊が、見事にタケト皇子とウーダーイー総督を捕虜とし、司令部まで連行してきたときの話だ。


 フミト皇太子は、単身でタケト皇子のもとを訪れた。タケト皇子は、収容所の独房に監禁されていた。


「笑いに来たのか?」


 タケト皇子は、ニヒルな笑顔で言った。そして、その言葉を皮切りに、思いつく限りの悪態(あくたい)をついていく。


 よく思いつくなあと感心するくらい、悪口のオンパレードだ。


 しかし、フミト皇太子は黙って聞くばかりで、なにも言わない。


 そうこうしているうちにタケト皇子も悪口を言い疲れたのか、おとなしくなった。


 ちなみに、のちに心術担当官が言うには、「文句を言う人間には好きなだけ文句を言わせるといい。そのうち満足して文句を言わなくなる。これがカタルシス効果だ」とのことだった。


「――で、なんの用だ?」


 タケト皇子は、フミト皇太子から視線をそらし、ぶっきらぼうに言った。


「おまえに協力してほしい」


「は?」


「おまえの政治手腕は見事だ。とりわけ西部の開発には感心している。開発が終われば、帝国の財政が潤う。戦争が続いて財政難の帝国にとって大きな貢献だ」


「あんたが賊を討伐したからな。だから成功したって言いたいんだろう?」


 シニカルな笑みを浮かべるタケト皇子。


「――それくらいハナに言われて知っている。バカにするな」


 タケト皇子は忌々(いまいま)しそうにフミト皇太子をにらむ。しかし、フミト皇太子に気にするようすは見られない。


「おまえには才能がある。だから協力してほしいと言っている。他意はない――」


 フミト皇太子は、真剣なまなざしでタケト皇子を見つめる。


「――西部の開発を企画し、実行に移したのは、おまえだ。あんな砂漠を開発しようなんて、並みの人間には思いもつかない。だから、おまえには人並みはずれた才能があると思っている」


 タケト皇子は思わず(ほほ)がゆるみそうになる。しかし、ぐっとこらえて険しい顔つきを保つ。


「おだててオレを懐柔しようってか? ケッ。そんな見え()いた猿芝居(さるしばい)をしてもムダだ。オレはだまされないからな!」


 フミト皇太子は、やれやれといった感じで苦笑いする。


「別に丸めこもうなんていう気はないんだけどな。おまえの才能は、帝国の富国強兵をはかるうえで、どうしても欠かせない。だから死なせたくない。それだけだ」


「死なせたくない、か。ふん。言うことを聞かなければ殺すとでも言いたげだな。懐柔できないと分かれば、今度は(おど)しというわけか。そんな子どもじみた手に乗ると思うか?」


「別にアメとムチでおまえをコントロールしようとは思っていない」


「だったら、なんだよ?」


「とにかく帝国を繁栄させるため、おまえに協力してほしい。それだけだ」


 そう言って、フミト皇太子が、こんなビジョンを示した。


 帝国は、内憂外患のために困った状態にある。戦争が多発したせいで財政が苦しくなってきているし、連邦の脅威は日増しに高まっている。帝国には、富国強兵政策が求められる。


 しかし、フミト皇太子は軍事の才能はあるが、政事のほうはさっぱりだ。それに引きかえタケト皇子は政事がうまい。政争では優位に立ってきたし、西部の開発だって見事なアイデアだった。


 だからフミト皇太子とタケト皇子が手を組み、帝国の政治を(にな)っていけば、帝国の富国強兵も必ず実現できる。帝国も繁栄し、臣民も安心して満足して暮らせるようなるはずだ。


「だから、おまえには協力してほしい」


「やだね」


 タケト皇子はそっけなく言い、そっぽを向いた。


 フミト皇太子は「ふぅ」と、ため息をつく。そして、おもむろに口を開いた。


「だいたいおまえは、なにが不満なんだ? なにが不満で反抗するんだ?」


「なにが、って?」


 タケト皇子は、(ひたい)にしわをよせながらフミト皇太子をにらむ。


「――マジで、そんなことも分からないのか? それでも“兄弟”かよ?」


「すまない……」


 フミト皇太子は困ったような顔つきだ。


「だいたいよ、オレとあんたは双子(ふたご)だ。同じ日に生まれた。なのに、どうしてあんたが兄で、オレが弟なんだよ。どうしてあんたが皇太子で、オレが皇子なんだよ!」


 そう言うタケト皇子は、まるで駄々(だだ)っ子のようだ。


「そう言われても困るが、まあ、そうなっているな」


「くそっ!」


 タケト皇子は(くや)しそうに(こぶし)を握り、床を殴った。


「まあ、しかし、そう言うことなら、わたしが兄でなくなり、皇太子でなくなれば、おまえは納得して、帝国のために働いてくれるのか?」


「は?」


(なに言ってんだ、こいつ? オレをバカにしてんのか?)


 タケト皇子は、険しい目つきで、黙ってフミト皇太子を見ている。


「どうだ?」


「どうだって言われてもな――」


 タケト皇子は、イライラしながらも、とまどってもいる。


「――だいたい皇太子の地位だって、長子相続の祖法がある以上、変更できっこないだろうが! 気休めも休み休みに言え……」


 かりにフミト皇太子に非行があったとする。それを皇帝が見咎(みとがめ)め、群臣の前で皇太子として不適任だと宣言する。そういうことにでもなれば、フミト皇太子も皇太子ではなくなるだろう。


 しかし、フミト皇太子は「救国の英雄」だ。功績がありこそすれ、非行はない。それに第一、皇帝は精神を病んでいる。まともに判断できる状態にない。


 それなら――。


「まあ、あんたが死ねば、あんたは皇太子ではなくなるな」


 タケト皇子はシニカルに笑う。


「まあ、そうだな。わたしもそれを考えたことはある。だが今は違う。帝国の富国強兵を実現するためにも、わたしは死ねない」


「ふんっ」


 やっぱりなと言わんばかりに冷笑するタケト。


「しかし、手は考えている。だから、確認したい。おまえは、わたしが皇太子であることが気に食わなくて、反発しているのだな?」


「ったりめぇだ。何度も言わせんな」


「ならば、わたしが皇太子でなくなれば、おまえには反抗する気はなくなると考えていいな?」


「ああ、もちろんだ。大喜びで仲良くしてやるぜ」


「そうか。ならば、おまえは帝国のために協力してくれるわけだな?」


「くどい野郎だな。あんたの下につかなくていいってんなら、いくらでも帝国のために協力してやるよ。帝国はオレの祖国だ。大事にしたくないわけがないだろ」


「そうか。おまえにも愛国心があったか。ふふ。安心した。――では、約束したぞ」


 満足そうにほほ笑むフミト皇太子。


 もちろん、このときのタケトはフミト皇太子の本心に思いが及ぶわけもなく、それどころかフミト皇太子に対して半信半疑だった。


(いくらオレの協力が欲しいからって、みすみす皇帝の地位を捨てたりなんてするわけがない。皇帝の地位は魅力的だからな)


 タケトは冷ややかだった。


(あいつもオレを丸めこもうとしているだけだろう。何度も説得していれば、オレも折れるとでも思っているのだろう)


 こんなふうに考えていた。


 まさかフミト皇太子が本気で、あんなことをするなんて、思いもよらなかった。


 思いもよらないことを、フミト皇太子はあっさりとやってのけて見せた。だから、さすがのタケト皇子も格の違いを思い知らされ、もはや観念(かんねん)するしかなくなった。


 ちなみに「あんなこと」と言うのは、こんなことだ。


 フミト皇太子は、皇太子の地位を捨てるため、一計を案じていた。


 すなわち、あえて皇帝の面前で、群臣の見ている目の前で、非行をやって見せる。それがタケト皇子への乱暴であった。


 皇帝の面前での乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)は、皇帝の安全を守るためにも、決して許されない。そして、皇族どうしが大っぴらにケンカをすれば、喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)の祖法によって罪を得る。


 このとき催眠術を使い、群臣の見ているなかで、皇帝にフミト皇太子を叱責(しっせき)させる。そうすれば、「フミト皇太子には非行があり、皇帝が皇太子として不適格と見なした」という条件がそろう。


 いくばくか無理やりな点もあるが、しかし、細かいことを気にしていては、大事を成し遂げられない。


 あとはタケト皇子を庶民にすれば――皇族から追放すれば、形の上では兄弟ではなくなる。フミト皇太子は兄ではないし、タケト皇子は弟ではない。


「こうすれば、わたしはタケトの兄ではなくなる。わたしに非行があれば、たとえ長子相続の祖法があっても、わたしは皇太子の地位を失う。タケトの不満の原因も解消されるわけだ」


 フミト皇太子は嬉々(きき)として語った。


 ここは宮殿内にあるフミト皇太子の執務室だ。室内には、ハナ皇姫だけがいる。


 フミト皇太子は、タケト皇子に会ったあと、ハナ皇姫を部屋に呼んでいた。タケト皇子と話したことを伝えるためだ。


「――こうすれば、さすがのタケトも協力してくれるだろう?」


「まあ、こんな重大な決断をフミトお兄様にさせるのだから、さすがにタケトお兄様だって約束を守るしかないと思う。これで約束を破ったら、人として最低よ。あたしが許さない! ……だけど、でも本当に、いいの?」


 ハナ皇姫は、納得しつつも、どこか歯切れが悪い。いつになく深刻そうに見える。


「ん?」


「だって、フミトお兄様は、皇太子ではなくなるのよ。将来の皇帝としての地位を失うのよ。人生を棒にふるみたいなものじゃない?」


「棒にふる? ――そんなことはないと思うぞ。なぜって、わたしはもともと皇帝の地位に興味がないのだから。厄介(やっかい)な政争にまきこまれることなく、のんびりと暮らしたいからね」


 そう言うフミト皇太子は、せいせいしたという感じで、にこやかだ。


「フミトお兄様らしいけど、でも……」


 ハナ皇姫は、表情が曇っている。


「そもそも、わたしは皇帝の器ではない。それよりもハナ、おまえのほうが宮廷の政争にもこなれているから、皇帝の器だろう。ふふ」


 イタズラっぽい笑みを浮かべるフミト皇太子。


「なによ、それ……」


 ハナ皇姫は、力なくほほ笑む。


「――でも、あたしには、フミトお兄様のような戦争の才能もないし、タケトお兄様のような政治手腕もない……。自信ないよ……」


「その辺は心配するな。わたしとタケトで補佐する。それよりも、おまえには皇太子の地位を押しつけることになり、迷惑をかける。申し訳ないと思っている」


「それは、いいんだけど……」


「それに第一、わたしが皇太子でなくなれば、タケトが協力を約束しやすくなる。タケトは有能だし、そのタケトが帝国のために働くと約束してくれるのであれば、タケトに対する刑罰を――死一等を減じることもできる」


「まあ、たしかにタケトお兄様を生かす大義名分になるわね……」


 タケト皇子を生かしたいハナ皇姫にとって魅力的な提案だ。


「それにタケトが帝国のために協力してくれたなら、帝国も1つにまとまり、政治の乱れも解消できる。わたしたちの兄弟仲だって、たぶん今ほど険悪ではなくなると思うぞ。だから、承知してくれるな?」


 ハナ皇姫は、これまでずっと家族みんなで和気あいあいと暮らしていきたいと願ってきた。フミト皇太子の提案に従えば、その願いがかなうかもしれない。


(だけど、フミトお兄様だけに負担をかけるなんて、やっぱり気がひける)


 しかし、公私混同と思われない形で、タケト皇子の命を救うためには、フミト皇太子の提案に従ったほうがよい。


(それにフミトお兄様と、タケトお兄様がタッグを組んで政治にあたれば、まちがいなく帝国は栄える。それなら帝国のためにも、フミトお兄様が皇太子の地位と引きかえにタケトお兄様の協力を手に入れるのは理にかなっている)


 頭では理解できる。でも、心が納得しない。


「ちょっと考えさせてほしい」


 ハナ皇姫は、すぐには決断できなかった。だから、フミト皇太子に考える時間をもらう。そして、「唯一の友だち」でもあるクリーに相談した。


 ◆ ◆ ◆


 皇太子の地位を捨てるのは――皇帝になる権利を放棄するのは、本人にして見れば苦渋(くじゅう)の決断ではないだろうか?


 すごくつらいことではないだろうか?


 はたして、そんなことをさせてもよいのだろうか?


 ハナ皇姫は、こっそりとクリーの部屋をたずね、悩みをうちあけた。


「えっと、よしあしは分からないけど、わが一族の故地では、みずから王位を捨てることは珍しいことではなかった」


「え? マジ!?」


 思わず目を丸くするハナ皇姫。


「――だって男の人って、頂点(トップ)に立ちたがるものでしょ? それなのに自分の意思で王位を捨てたの? 強制されたわけでなく?」


 ハナ皇姫は、どうにも信じられないと言わんばかりだ。


「うん。有名な話としては、ボーイーとシューチーの話がある。2人はグージュー国の皇子だった」


 クリーの話によると、こうだ。


 グージュー国の王は、次男のシューチーを愛し、次男に王位を継承させたいと思った。


 それを知ったボーイーは考える。


(長男である自分がいれば、長男が王位を継承する習慣があるので、父上の願いも(かな)わない。父上の願いを(かな)えてやるのが、親孝行というものだ)


 だからボーイーは国を捨てた。長男がいなくなれば、次男が王位を継承できるからだ。


 ところが、それを知ったシューチーは驚く。


「兄をさしおいて、弟である自分が王位に就くなんて、序列を乱すことになる。そんなこことは許されない」


 それでシューチーも国を捨て、ボーイーを追いかける。


 結果として、三男が棚ぼたで王位を継承することになった。


「上の2人が王位を放棄して、3番目が王位に就くなんて、なんか今回のあたしたちの場合と似てたりするかも」


「うん。――あと、こんな話もある」


 ミン族の始祖とされる天才軍師にして名将だったスンウーは、ウー国で将軍の職に就いていた。そのウー国での話だ。


 ウー国の王は、3男のジージャが有能だと思い、ジージャに王位を継がせたいと思った。2人の兄も、父王のためにジージャの王位継承に賛成する。


 ところが、ジージャは王位の継承を拒否した。


「せっかく王様になれるチャンスを自分で捨てたわけ?」


「うん。王様になるのが嫌いだったみたい」


 さらにクリーの話は続く。


 ウー国を建国したのは、タイボーとユージョンの2人だ。この2人はもともとジョウ国の王族だった。タイボーは長男で、ユージョンが次男になる。


 2人は、あるとき父王が3男を有能だと見こんで、3男に王位を継がせたいと願っていることを知った。


 そこで、2人は3男を王位に就かせるため、みずから国を捨てて南へ行き、新たにウー国を建国するに至る。


「へぇ、そうなんだ。男だからって、必ずしも王様になりたがるわけではないのね」


「うん」


「だったら、フミトお兄様が皇帝になりたくないと言うのも本心なのかな?」


「分からないけど、殿下ならウソは言わないと思う。殿下はバカ正直だから――」


 あいかわらずクリーは立場など考えないで、ズケズケとものを言う。


 でも、ハナ皇姫は、そんなクリーのことが好きだった。


 ハナ皇姫のまわりには、ハナ皇姫の高貴な身分ゆえ、ハナ皇姫におべっかを言う人が多かった。クリーのように正直に言ってくれる人はめったといない。


 だから、ハナ皇姫は、クリーと話すときには、たとえ耳の痛いことを言われても、心地よく感じることが多かった。


「――もちろん殿下は、みんなのためなら自分を犠牲にする。だけど、皇太子の地位に未練がないのはまちがないと思う。前から言っているから」


「つまり、フミトお兄様にとって、皇太子の地位を捨てることは苦にならない?」


「うん。本人が言うなら、まちがいないと思う」


「それなら――」


 ハナ皇姫は、心を決めた。


(フミトお兄様が皇太子をやめたいと言うのなら、帝国のためにも、家族のためにも賛成しよう)


 そして、フミト皇太子の部屋をたずね、決然として言った。


「帝国のためにも、フミトお兄様に協力してあげる」


「ありがとう」


 フミト皇太子はおだやかな笑顔で言った。


 ◆ ◆ ◆


 フミト皇太子は、ハナ皇姫と段取りについて密かに打ち合わせたあと、1人になったときに思った。


(あとは今回の「芝居」を成功させるためにも、ヤマキ中将と総司令官にも話しておいたほうがよいだろうな)


 というわけで、フミト皇太子は、極秘裏に総司令官とヤマキ中将の2人を私室に招く。そして、「皇太子の地位を放棄する件」について説明した。


「本件は、帝国の問題ではなく、皇族の問題であります――」


 総司令官は驚いているように見えたが、その口ぶりは落ちついている。


「――言うなれば、パブリックな問題ではなく、プライベートな問題であります。殿下のプライベートに対して、他人がとやかく言うわけにはまいりません」


「さようですな。自分はすごく残念でありますが、殿下のご決断とあれば、全力で支持する所存であります」


 ヤマキ中将は、帝国(くに)を想うフミト皇太子の気もちを考えると、胸に熱いものがこみあげてくる。知らず目から涙がこぼれる。


 滅私奉公――私利よりも公益を優先する。そんなフミト皇太子の篤い愛国心にほだされ、ついつい男泣きしてしまう。


(これからなにがあろうとも、どこまでも殿下についていこう)


 改めてフミト皇太子への忠誠を誓うヤマキ中将だった。


全文訳『孫臏兵法』将徳


~赤ん坊~、悪ガキのように兵士をかわいがり、厳しい師匠のように兵士を大切にし、土や草のように兵士を使うのは、将軍~

~失わないのは、将軍の知恵です。少ないからといって軽んじず、敵におびえたりせず、物事が終わりに近づいても始めたばかりのときのような慎重さをなくさないのは、将軍~

~して制御せず、君主が軍事の現場のことに口出ししないのは、将軍の恒です。軍に入り~

~将軍が両生せず、軍隊が両存しないのは、将軍の~

~将軍の恵です。賞するときにはその日のうちに賞し、罰するときはその場面で罰し、その身分に関わりなく公正に賞罰を行い、何~せず~

~北極星の外周~。以上が将軍の徳です。


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